つい最近、中国の研究グループにより、美白作用を持つ「ビフィズス菌」株を、"百
歳"を越えるいわゆる「センテナリアン」の胃腸から分離 (2)!
REF:
1.HC Huang, WY Huang, SH Chiu, et al (2011).
Antimelanogenic and antioxidative properties of Bifidobacterium bifidum. Arch Dermatol Res. 303: 527-31.
2. J Wu, F Zhang, H Yu et al (2023).
Anti-Melanogenic and Antioxidant Activity of Bifidobacterium longum Strain ZJ1 Extracts, Isolated from a Chinese Centenarian. Int J Mol Sci. 24: 12810.
3. Molagoda IMN, Kavinda MHD, Ryu HW,et al (2021).
Gamma-Aminobutyric Acid (GABA) Inhibits α-Melanocyte-Stimulating Hormone-Induced Melanogenesis through GABAA and GABAB Receptors. Int J Mol Sci.;22: 8257.
従って、ヤクルトのヨーグルトは、乳酸菌の産生する"酪酸"とビフィズス菌の産生す
る"GABA"による、言わば「ダブルパンチ」で、健康長寿を増進する可能性がある!
酪酸は "HDAC" を阻害することによって、下流のPAKを遮断する。 中国の研究グループによれば、 "GABA" も同様に、HDAC を阻害することが 判明した(4)!
4.Xing A, Li X, Jiang C, Chen Y, et al (2019).
As a Histone Deacetylase Inhibitor, γ-Aminobutyric Acid (GABA) Upregulates GluR2 Expression: An In Vitro and In Vivo Study. Mol Nutr Food Res. 63: e1900001.
さて、酪酸は酸性なので、細胞への透過性がかなり悪いが、 GABAは「中性のアミノ酸」なので、"細胞への透過性はずっと良い" はず!
「GABA」は (体内で) グルタミン酸から、GAD により脱炭酸されて生成するが、そ
のステップをビタミンD3 が促進する (5)! 従って、結果的には、D3 に
も、美白作用があることになる。。。
5. P Jiang, LH Zhang, HL Cai et al (2014).
Neurochemical effects of chronic administration of calcitriol in rats. Nutrients. 6: 6048-59.
"GABA" は「アミノ酸」の一種であるが、我々の体内にある蛋白質には、
取り込まれない。 このアミノ酸に対する"Triplet Code" (塩基暗号) が見つかって
いないし、それを読み取る「tRNA 」が存在しないからである。 ともあれ、これ (GABA)
を人工的に取り込んだペプチドが一体どんな機能を発揮するか、 興味深い!
驚くなかれ、ある種のかびは、GABA を含む一連の環状ペプチド (Unguisins) を
合成することが知られている! 恐らく、これらの "かび" (長寿!) は、GABAの供給源「ビフィズス菌」と共棲している、と予想
される。。。
天然のPAK遮断剤として、最も古くから知られているのは、松果腺由来のホルモン
「メラトニン」(トリプトファンからセロトニンを経て、生成) であるが、 歴史的
には、オタマジャクシの実験から 「美白剤」 として、世に紹介され、今日では、
「時差」による睡眠不足を解消する薬として、海外で「安価」に入手できるが、
日本国内では、武田薬品が「類似品」を開発後、メラトニンの販売/輸入禁止になっ
た! しかし、グルタミン酸由来の「GABA」も基本的には、メラトニンと同じ薬
理/生理作用をもつので、日本国内では、「GABA」の経口を勧めたい!
我が輩は、「タケダ」による「メラトニン」販売禁止は、明らかに「独占禁止法」
違反だと確信しているので、「GABA」奨励で、「仇討ち」 を果たしたい!
20年ほど昔、「GABA」 がメラトニン同様、安眠を促すことが知られている (6)。
勿論、「GABA」は脳内でも働く (PAK遮断) ホルモンだから、脳腫瘍の治療にも役立つはず!
6. Claude Gottesmann (2002).
GABA mechanisms and sleep. Neuroscience. 111: 231-9.
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