2025年3月24日月曜日

PAK1 遺伝子とチロシナーゼ遺伝子との密接な関係:
「美白作用」を指標にして、「PAK1遮断剤」を同定!

ヒトの染色体 21 は、23種類の染色体中、最も小さな染色体であるが、235 種類の遺伝子が詰まっている。その代表的な遺伝子の一つが "病原性/老化" 「PAK1 」遺伝子である。健常者は、2本(一対) の染色体を有するが、これが3本存在すると、"DS" (ダウン症) を発症する。
さて、同じ染色体上に、メラニン色素を合成するために必須な "チロシナーゼ" 遺伝子が、PAK1 遺伝子と極く近接して存在する。それは、マウスの場合でも同様である。

最初に (我々が) PAK1 遺伝子の欠損株の発現型を線虫で発見したのは、2007年 だった。少子化と熱耐性が発見された。通常、少子化と熱耐性が生じると、寿命が延びる。実際、2013年になって、我々の手で、この欠損株が野生株より6割も長生きする事を実証した。 さて、2009年になって、米国のグループが、マウスでPAK1 遺伝子の欠損株を作り出し、炎症が発生し難い事を発見した。その後、2021年頃に、線虫と同様、「長生き株」であることを発見した。
面白いことには、黒いマウス由来のPAK1 遺伝子の欠損株は白マウスだった! そこで我々は、メラニン色素合成は、PAK1依存性ではないか、と推測した! しかしながら、詳細を調べてみると、この白マウスには、PAK1遺伝子のみならず、近接したチロシナーゼ遺伝子も欠損していることが判明した。

そこで、我々は2015年に沖縄の琉球大学構内で、メラノーマ (メラニンを合成する細胞) に "SiRNA" によってPAK1遺伝子の発現のみを遮断することによって、メラニン合成が半減することを発見した! 面白い事には、PAK1 が遮断されると、チロシナ-ゼ遺伝子の発現が半減することを分かった。こうして、メラニン合成にはPAK1 が必須であり、美白作用のある物質はPAK1遮断剤であることが確立した! この(世紀の) 発見には、ベトナム出身の男女2名の院生 (博士課程) による貴重な寄与を強調したい!

REF:
Nguyen BC, Be Tu PT, Tawata S, Maruta H (2015)。
Combination of immunoprecipitation (IP)-ATP_Glo kinase assay and melanogenesis for the assessment of potent and safe PAK1-blockers in cell culture. Drug Discov Ther. 9 :289-95.
以後、「美白作用」を指標にして、多様な「PAK1遮断剤」(CAPE etc) が敏速に同定されるようになった!

我田引水になるが、美白作用=PAK1遮断作用という発見は、(人類の) "健康長寿" に直接寄与するので、「抗COVID RNA ワクチン」やペニシリン等の開発 (ノーベル賞) よりずっと価値が高い! 更に附け加えれば、「少子化」を促進するので、「戦争無し」(平和的) に、地球上の「人口過剰」を解消しうる!

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