2021年12月29日水曜日

(抗体を介せぬ) 「自他の認知」 に 必須な「虎」蛋白とは
「種」特異 (かつ相補) 的な一対の "グロブリン様" 糖蛋白
(=アメーバから哺乳類まで、共通の "PAK遮断剤") !

我が輩が院生の頃 (1970年代初頭) 、博士論文のため、マクロファージによる赤血球の貪食における「自他の認識」のメカニズムを研究していた。マウスのマクロファージは異種の赤血球を貪食するが、同種の赤血球を貪食しない。 しかしながら、同種の赤血球でも「老化」(赤血球の寿命は約120日, 細胞内の "ATP" レベルが激減) すると、貪食される。。。従って、「自」(Self) を表現する細胞表面にある「Self-Marker」は 「ATP依存性」の蛋白 (ATPase, Kinase or Chaperon?) と考えられる。。。この自他 (及び老若) の認知には、(哺乳類でも) 抗体は全く不要!
H Maruta, A M el-Asfahani, D Mizuno (1973). Selective recognition in erythrophagocytosis by mouse peritoneal macrophages. Isolation and purification of a possible self-marker from mouse erythrocyte membranes. Exp Cell Res.; 80: 143-151.
面白いことには、粘菌アメーバ は (同種同士の "共食い" をしないばかりか) 、餌がなくなって、集合し始める際、2種類の異なるアメーバ (A とB) は、各々、別々の集合体 (子実体) を形成し、いわゆる「キメラ」(A と B の雑種混合体) を形成しない。つまり、原始的に見えるアメーバでも、立派に「自他の認知」をし得る。その分子メカニズムを、2011年頃に米国のベイラー 医大の広瀬滋規 (東北大出身) らが解明した。 彼はその後も、海外 (ベイラー 医大など) で 活躍を続けている。詳しくは、下記を参照されたし:
http://first.lifesciencedb.jp/archives/3177
社会性アメーバの自己と非自己の認識は tgrB1-tgrC1 (虎) 遺伝子座の配列多型に依存する
廣瀬滋規・Adam Kuspa・Gad Shaulsky(米国Baylor College of Medicine):
Shigenori Hirose, Rocio Benabentos, Hsing-I Ho, Adam Kuspa, Gad Shaulsky (2011).
Self-recognition in social amoebae is mediated by allelic pairs of tiger genes.
Science, 333, 467-470.

詳しく話せば長くなるが、端的に言えば、「虎」遺伝子とは、「免疫グロブリン様」蛋白を発現する遺伝子! 言い換えれば、「抗原-抗体」反応のごとく、「カギと鍵穴」の関係にある2種類の「相補的な」蛋白 (Self-Marker と Self-Recognizer) により、自他の認知が行われる。 本質的な違いは、(哺乳類の) 抗原-抗体反応は、「他」を除外するメカニズムだが、「虎蛋白」は「自」(身内) 同士を認知し合う (言わば「校章や制服」のような) メカニズム! 自らの「種を永遠に保存」 するための本質的な "自衛" メカニズム。。。
その後の研究によれば、「虎」遺伝子産物 (ligand と受容体) との間のヘテロダイマーの形成 (言わば 友好的な「握手」!) によって、その下流にある (抗癌蛋白) 「RAPGAP」を介して、PAKが遮断され、貪食 機能 (共食い) が抑制される、そうである。。。
さて、馬とロバとの間には、雑種 「ラバ」が誕生しうる。 従って、この2種類の動物は、異種ではなく、むしろ親類あるいは兄弟関係? 太古、人類 (Homo sapiens) とネアンデルタール人 (約4万年前に絶滅) との間に、子孫が生まれ、現在の人類のゲノム中には、3% ほど後者の遺伝子が未だ残っている。 従って、両者も異種ではなく「亜種」であろう。。。 因みに、ネアンデルタール人には、(洞窟で) 壁画を描く才があった。 若しかすると、我が輩の画才はネアンデルタール人由来?

2021年12月26日日曜日

DIF-3 (+1): 粘菌 (D. discoideum) 由来のPAK遮断剤に、
美白 (及び「健康長寿」促進) 作用があるはず!

1980年代に、西独 (Max-Planck Institute) と米国 (UCSD) で、我が輩は、D. discoideum と呼ばれる細胞性粘菌 (アメーバの一種) に関する研究を数年間、やっていたことがある。 その後、豪州メルボルンに永住し、(副作用のない) "抗癌剤" 開発のため、PAK遮断剤の探求/開発にのめり込んだが、数年前に、この粘菌に再び、注目し始めた。その理由は、この粘菌が、(周囲に大腸菌などの餌がなくなると、cAMP などのchemo-attractant を周期的に分泌する細胞の周りに集合し、単細胞か ら多細胞生物= "キノコ" の一種になり、胞子などに分化をする過程で)、"DIF-3" と呼ばれる抗癌剤 (分化誘導ホルモン) を分泌し始めることが判明したからだ。 細胞性粘菌は「社会性アメーバ」と呼ばれ、細胞分化のモデルとなっている。 さて、 2015年に、(粘菌の専門家) 順天堂大学の久保原 さんと (PAKの専門家) 米国トレード大学のダイアコノーバさん (ロシア系) との共同研究により、結局、その誘導体である DIF-3 (+1) が、比較的強力な「PAK遮断剤」(IC50= 3 micro M) であることが実証された! 最近、DIF-3 (+1) が、少なくとも細胞培養系で、COVID の感染/増殖を抑えるというニュースも耳にしている。。。
さて、DIF-3 (+1) のPAK遮断作用は、化学構造が比較的類似している「ビタミンK2 (MK-7) 」のおよそ30 倍ほど強い! 従って、内モンゴルの製薬会社で、MK7 を量産できるGM枯草菌が開発されたのを機会に、この粘菌由来のDIF-3 (+1) をも量産する (発酵) システムを、何とか開発したいと思っている。。。この粘菌の特筆すべき特長は、半数体なので、"変異体を容易に作成する" ことが可能。 前述したが、PAK遮断剤には一般に、抗癌作用、COVID 予防、美白作用、「健康長寿」促進など、様々な効用が期待される。。。「我が輩の研究モットー」は、基礎研究の結果を ”一歩” 「前進」 させ、人々の健康に役立つ新しい 「産業革命」を起こすことである。。。(政治上の革命と違って) 産業上の革命は、「少数のエリート」によって、為し遂げることが出来る! いわゆる" IT" 革命や "Green" 革命がその一例である。「PAK 遮断」は、次に来る (地球温暖化を克服しうる) 「健康産業」 革命である! PAK遮断剤は、少なくとも線虫、ショウジョウバエ、マウスなどを「熱耐性」にし、寿命を延長することができるからである。
さて、2014年頃、星薬科大学の研究グループが、合成 p-alkylaminophenol 誘導体 (p-DAP) に美白作用があることを発見した。 この化合物は、 (チロシナーゼを直 接阻害するばかりではなく) その上流にある転写蛋白「MITF」の機能を抑え、PAKの下流にある MEK/ERK 経路を 遮断することが判明した (IC50=1 micro M) 。我が輩は、その論文を読んだ瞬間、 これは「PAK遮断剤」であると直感した! その後、2-3年の月日を経て、「誘導 性のメラニン合成には、PAKが必須である」という、遺伝学的な証拠を実際に掴ん だ。 さて、興味深いことには、p-DAPの化学構造が、粘菌由来のPAK遮断剤「DIF-3 (+1)」やカプサイシン と酷似している (少なくとも我が輩の目には) ! 従って、「DIF-3 (+1)」にも (少なくとも) 美白作 用があることに、疑いの余地はない。。。前述したが、カプサイシンに美白作用があることは、最近証明済み!

チャールズ=ダーウインの如き「水平思考」(=進化論) の名人には、一々実験しなくても、化合物の新しい薬理/生理作用を "予見" することができる「利点」がある。。。つまり、義経の「八艘飛び」が可能である!

2021年12月22日水曜日

納豆成分 「ビタミンK2=MK-7」を量産する
GM枯草菌株を内モンゴル (ゴビ砂漠) で開発!
( 海のない) 「内モンゴル」で「海産物」も量産!?
新しい「産業革命」が今や始まらんとしている。。。

驚くなかれ、2019年に、中国 (天津や北京) の研究グループが内モンゴルの "赤峰" 製薬会社と産学共同により、画期的な納豆菌株 (ビタミンK2=MK-7 生合成に必須な3種類の遺伝子を組み込 んだ GM枯草菌株) を開発した。 因みに、赤峰市 (日本全体の面積の4分の1!) とは、内モンゴル自治区 (中国内) の南東部、北京 市から約400 km 北方、高速列車で約4時間。 この納豆GM菌株 (MK3-MEP123-Gly2-寵dhbB ) は、元の枯草菌株 (BS168) の20倍以上の MK-7 を 生産する! (納豆)独特の "味や感触" は保証できない が、これを量産し、錠剤にして「健康長寿」を唄いながら、販売すれば、大成功 に違いない!
参考文献: S Yang, Y Cao , L Sun, et al (2019). Modular Pathway Engineering of Bacillus subtilis To Promote De Novo Biosynthesis of Menaquinone-7. ACS Synth Biol; 8: 70-81.
そこで、我が輩の頭に、あるアイディアが閃いた。「海のダイヤモンド」 (フコイダンという「PAK遮断剤」) を、別のGM枯草菌株で量産する方法 。。。 詳細は特許に触れるので、省略!
これは、空気中の炭酸ガスやメタンガスから、「人工ダイヤ」を生産する欧米の企業に対抗できる、ユニークな「極東のダイヤ」作りである。 ( 海のない) 「ゴビ砂漠周辺」で、海産物「フコイダン」を量産するというアイディアは、相撲に例えれば、横綱 (照の富土) の "快挙" に相当する!
その昔 (縄文時代の初期)、我々の祖先の一部が、モンゴル高原やチベット高原から、渡来した。しかし、日本列島には牛や山羊がいなかったので、「酸乳」文化は途絶え、「農耕」(菜食) 文化に移行した。。。 百年ほど昔、酸乳飲料「カルピス」を開発した三島海雲 (当時40歳) は、実は、モンゴル高原滞在中に味わった遊牧民の酸乳からヒントを得て、それに改良 (脱脂粉乳に砂糖と乳酸菌) を加え、大成功を修めた! 1960年代初頭、ヨットで太平洋を渡った堀江青年の冒険を、ふと思い出した。。。
若者よ、大志を抱け!(北大の前身、札幌農学校を開いたクラーク博士の有名な言葉)
目下、豪州メルボルンで、ヘパリンの鼻腔スプレーがCOVID対策に利用され始めて いる。フコイダンは「ヘパリンの海藻版」である。 従って、将来は、フコイダンの鼻腔スプレーも市場に進出するだろう。。。

2021年12月21日火曜日

善玉「PAK遮断剤」: カプサイシンやその誘導体 で、
「悪玉」変異体「Omicron」を撃退せよ!

カプサイシン
400年ほどの伝統を持つ、朝鮮料理 (食卓) に欠かせない 「キムチ」 という辛い漬け物の一種に使われている香辛料 「赤トウガラシ」 (元をたどればチリ原産なので、「チリ」 と欧米では呼ばれている) の中に、抗癌作用のある物質が豊富に含まれている。その名は 「カプサイシン」。1816年に単離され、1846年に結晶化され、1923年にその化学構造が決定されている。バニリン(バニラの匂い物質)が脂肪酸とアミド結合した、バニリン誘導体の一種である。
この天然化合物は、バニリン類レセプター 「VR1」 に結合して、あの強烈な辛味の感覚をかもし出す。さて、カプサイシンの制癌作用が初めて見つかったのは、1989年のことだ。韓国のソウルにある国立癌センター病院のタイクー・ユンのグループは、化学発癌剤により、マウスに肺癌を発生させる実験で、マウスを予めカプサイシンで処理しておくと、癌の発生、あるいは増殖が抑えられることを発見した。「キムチを食べていると、癌にならない、あるいはなりにくい!」 というキャッチ・フレーズで、韓国や日本のスーパーで、キムチの売れ行きがにわかに上がったという噂がある。
さらに2003年になって、その抗癌作用のメカニズムがわかり始めた。韓国のソウルにあるデュクスング女子大学のアリー・ムーンのグループは、この 「カプサイシン」 がRASによる癌化を抑えるが、正常細胞の増殖には影響を与えないことを発見した。さらに、この抗癌作用には、(レオウイルスと同様) 癌細胞のRASの下流にあるPAKーp38 キナーゼ (MAPK) シグナル経路が必須であることを見つけた。
さらに2006年になって、フィリップ・コフラーのグループ(カルフォルニア大学、UCLA)は、ヒトの前立腺癌由来でPTENが欠損している (PAKが異常に活性化されている) 癌細胞をマウスに植え付けたのち、カプサイシン(5 mg/kg)を週3回経口投与すると、癌の増殖が強く抑えられることを報告した。
2008年に韓国のグループによって、カプサイシンが 「PAK」 を直接に遮断する科学的な証拠が最終的に示された。この物質が 「PAK」 を直接活性化する Gタンパク質 「RAC」 を阻害することによって、「PAK」依存性の固形癌であるメラノーマの転移を抑制することがわかった。更に、2020年には、中国の研究グループによって、カプサイシンが (チロシナーゼの発現を抑制することによって) メラニン合成を抑えることが確認された。従って、カプサイシンも健康長寿に役立つはずである。。。
「カプシエイト 」(“辛くない”誘導体)
「癌に効く、予防に良い!」と言われても、「甘党」の私には、あんなに辛いキムチを毎食ムシャムシャ食べるわけにはいかない。さて、1985年頃、矢澤 進 のグループ(現在、京都大学農学部教授)が赤トウガラシの研究中、タイ産の辛くないトウガラシを見つけ、「CHー19甘」と命名した。その後、京都大学農学部教授の伏木 亨研究室や渡辺達夫 (現在、静岡県立大学) との共同研究により、この変わったトウガラシには、カプサイシンの代わりに、その誘導体であるカプシエイトが含まれていることが判明した。その構造上の違いは、カプサイシン中にあるアミド結合が、カプシエイト中では、エステル結合になっている。いいかえれば、アミド結合のアミノ基が酸素に置換してエステル結合になっているに過ぎない。 両方とも同じレセプターに結合するが、カプシエイトは辛味の感覚を全くもたらさない。 しかしながら、カプサイシンと同様、交感神経を刺激して、脂肪燃焼や体温上昇を促進する作用があることがわかった。
2006年には、これらのグループの共同研究によって、カプシエイトの経口投与(10 mg/kg)を受けたマウスは、無処理のマウスに較べて、ずっと長時間遊泳することができることが判明した。このスタミナ効果は、カプシエイトが脂肪燃焼を促進することによって、グリコーゲンの消費を遅らせるためだというデータが出ている。 さて、カプサイシンやカプシエイトには、「PAK」遮断作用ばかりではなく、抗癌キナーゼ 「AMPK」 を活性化する作用もあることが2005年に判明していた。「AMPK」 活性剤は一般に、(グリコーゲンや糖の燃焼の代わりに) 脂肪の燃焼を促する作用がある。従って、カプシエイトの 「スタミナ」 (持久力) 増強作用は、主に 「AMPK」 活性化によるのかもしれない。
さて、2003年にイタリアのジョバンニ・アペンディノらは、カプシエイトやその誘導体が抗癌作用を示すことを、少なくとも細胞培養系で確認している。従って、将来いつか、この辛くない「CHー19甘」をたっぷり食べて、癌やNFの食餌療法が臨床に利用される日がくるかもしれない。日本では十数年前から、食品会社「森永製菓」と「味の素」が共同で、「CHー19甘」製品 (カプシEX) を主に「体重減量」促進剤(肥満対策の一環)および「冷え」解消剤として市販している。 http://www.ajinomoto.com/jp/presscenter/press/detail/2004_07_30_2.html
更に、2008年には、韓国の研究グループにより、カプシエートが (PAK依存性の) 血管新生を抑えることも確認されている。従って、辛くなくても、カプシエートが (カプサイシン同様)、PAK遮断剤であることは明白! そこで、"カプシエートで線虫の寿命が延長できるか" どうかを試してみるのは、極めて面白い。。。
勿論、カプシエート (あるいはカプサイシン) で、変異体「Omicron」を撃退でき るはず。。。

2021年12月15日水曜日

納豆菌 (枯草菌の仲間) は、ビタミンK2 (メナキノン 7)
なる (記憶力を高め得る)「PAK遮断剤」を 生産する。
枯草菌で発酵の韓流味噌「テンジャン」もPAK遮断剤!
仮説: 線虫に納豆菌を餌として与えると、寿命が延びる!

納豆は、大豆を納豆菌で発酵させた健康食品。 納豆製品のいわゆる「王様」は金 の粒「ほね元気」(2000年発売開始)! なぜなら、このミツカン特製納豆は、納 豆菌(Bacillus subtilis OUV23481株)を使用して、普通の納豆の2倍近いビタミ ンK2 を含み、 カルシウムの骨への吸収を促進する! 北欧ノルウエー等では、(特 に、老人向けに) そのエキスを錠剤として販売/通販!
さて、2003年頃に、昭和大 (薬学部) の研究グループによって、K2 には、抗癌作 用もあることが報告された! 特に、卵巣癌やすいぞう癌の増殖を抑える。 さて、 スイゾウ癌の増殖には "PAK" が必須である。そこで、我々は兵庫県立癌センター (婦人科 ) の研究者と共同で、「卵巣癌の増殖もPAK必須である」という仮説を、PAK18 と 呼ばれる「PAK遮断」ペプチドで、実証した。 更に2009年には、ノーベル賞に輝く抗 生物質「イベルベクチン」も、卵巣癌を抑える「PAK遮断剤」であることを証明し た。従って、K2 も「PAK遮断剤」である可能性が極めて高い!
2015年なって、中国 (武漢工科大学) の研究グループによって、ショウジョウバ エの抗癌遺伝子 (Heix) を欠損させると、メラニン合成 (PAK依存) が異常に高 まると共に、JAK とMAK 活性 (PAKの上流と下流) も異常に高まることが発見され た。面白いことには、転写蛋白「Heix 」は、K2の合成にも必須であることが以 前から知られていた。従って、K2 がPAK 遮断剤であることが "9分9厘" 確実である。
参考文献: Y Xia, SZ Midoun, Z Xu, L Hong (2015). Heixuedian (heix), a potential melanotic tumor suppressor gene, exhibits specific spatial and temporal expression pattern during Drosophila hematopoiesis. Dev Biol. ; 398: 218-230.
修士/博士論文研究: 言い換えれば、K2 を製造する納豆菌は、乳酸菌同様、健康長寿をもたらす「善玉」 菌の仲間という結論が出る。従って、線虫に餌として、大腸菌の代わりに、 例えば、ミツ カンの納豆菌 (Bacillus subtilis OUV23481株、 あるいは 「ほね元気」エキス ) を与えれば、平均寿命が数割、伸びるはずである。。。線虫を使う「寿命」実 験は、最低 3-4 週間かかる (マウスを使うと "数年" かかる!)。しかし、「寿命と 産卵数は逆比例する」、あるいは 「多産は短命」という、動物界の一般法則を利 用すれば、産卵数を測定することによって、(線虫なら) わずか2-3日で、寿命の長短を "予測" することができる。。。 更に、ごく最近、中国の研究グループによれば、少なくとも「認知症モデル」のショウジョウバエをビタミンK2で処理すると、"記憶力" が回復し、 寿命も有意に延長するそうである ("大学入試" を控える受験生にも良報!)。「水平思考」が得意な院生諸君なら、ぜひ「挑戦」すべき課題!
前述したが、「線虫に "乳酸菌"を食べさせると、"大腸菌"を餌にした線虫より、4割も 長生き」した! 従って、上記の (納豆菌に関する) 学説/仮説は、それほど「奇想天外」ではない。。。
驚くなかれ、2019年に米国 (アトランタ) の研究グループによれば、大気中に生息する枯草菌を餌代わりに、育てられた線虫は、(「大腸菌」育ちの) 線虫より少子 化 (産卵数が半減) する代わりに、極めて熱耐性になる、ことが判明した! "多産は短命!" なる 一般原則に従えば、 (納豆菌を含めて) 枯草菌の仲間は、乳酸菌同様、(特に、地球温暖下に) 健康長寿をもたらすこと疑いなし! 韓国では、特に名産地である淳昌(スンチャン)では、古くから、枯草菌などで発酵した「テンジャン」味噌 (固形) が、「健康長寿の素」といわれている。
KL Hoang, NM Gerardo, LT Morran (2019). The effects of Bacillus subtilis on Caenorhabditis elegans fitness after heat stress. Ecol Evol; 9: 3491-3499.
韓国研究者のかなり古い論文によれば、 テンジャンには、抗癌作用及び美白作用のある「ortho-dihydroxyisoflavone」と呼ばれるPAK遮断性のイソフラボン誘導体が存在するそうである。 これが「健康長寿の素」の一部に違いない。。。
更に、水平思考を重ねると、納豆や テンジャンを常食すると、(ワクチン耐性の) 「オミクロン」 変異体をも撃退できる、という結論にも達する!とにかく、ワクチン製造業者や政府の「お偉方」の馬鹿げた洗脳「ワクチンの 接種強要」(=イタチゴッコ) には、我々学者連は、とても着いていけない!
結論 (ダーウインがやって来た) : 「ホモ サピエンス 」とは、人類を指すラテン語だが、直訳すれば、賢い (sapiens) 人 (homo) の意。 我田引水になるが、乳酸菌や納豆菌などのPAK遮断食材を常時 摂取する者は、より「賢明、かつ長寿」な人種へ進化するに違いない。。。
驚くなかれ! 植物界や微生物 (バクテリアやウイルス) には、PAKが全く存在し ない! そして、少なくとも長寿の大木は何千年も生き続ける!

前述したが、鶴と亀はしばしば「長寿の代名詞」に使われるが、少なくとも象 ガメには、実際に180歳を越えるものがいたそうだ。我が輩の知る限りでは、1830年 頃生まれの「ハリエッタ」(雌亀) は、有名な進化論者 「ダーウイン」によって、 ガラパゴス島から、豪州のブリスベーン動物園に移され、2006年まで、健康長寿 (175歳) を完うした。 彼女の好物は、 何んと「赤いハイビスカスの花」! 最 近、ドイツの研究グループにより、その赤いエキス (アントシアン=PAK遮断剤) が線虫の寿命を有意に延長することが証明された! 従って、ハリエッタは、最 も「進化した」(賢明な) 亀の仲間だったことになる。。。その論文を読んで以来、 我が輩も、しばしば「赤いハイビスカス」茶を飲むようになった。。。このハーブ茶にはクエン酸を含まれているのでやや酸っぱい。そこで、砂糖と牛乳 を少々加え、「カルピス様」の味付けで、飲むのが良い! 驚くなかれ! 小さじ一杯 2 g (20 円分) で 、少なくとも三番煎じ (250 ml の コップで 3杯) が可能。。。

2021年12月12日日曜日

四川省特産「花椒」エキス: NF 腫瘍に効くPAK遮断剤!
有効成分「GX-50」; CAPEのエステルがアミドに置換!
認知症に効くので、BBB (血管脳関門) を通過しうる!

序:「FK228」がBBB を通過しないことが判明した2005年以来、我々は稀少難病「NF」 (神経線維腫) 患者のために、BBBを通過しうる「安価かつ副作用のない」PAK遮 断剤を食材などから発掘する努力を開始した。 実は、NF は「遺伝子病」なので、 癌と違って、一生治療が必要なので、副作用のない、かつ安価な薬剤が、特に必 須である。 従って、 (主に「利潤」を追及する) 製薬会社は (当然ながら) 見向き もしない! 癌は3人に一人といわれているが、NFは 3、000人に一人 (とても「儲け」にならない!)。
当時 (今日でもそうだが) 唯一の治療法は、脳腫瘍を外科手術で除去するしかな いが、脳腫瘍が視神経や聴神経の周辺にできるので、手術の際に、これらの神経 をも損傷する可能性が高く、(手術の度に) 後遺症が残り、数度、手術を繰り返す と、「全身麻痺」で死亡する可能性が高い! マウスモデルの場合、NF患者の平 均寿命は、正常マウスの高々6-7 割 (短命) である。 病原キナーゼ「PAK 」が異 常に活性化しているために、当然「短命」になる! 従って、PAK遮断剤で、PAKレ ベルを正常に戻すのが「正攻法」である。。。しかしながら、脳外科医の大半は、有効な治療薬が開発されると、自分達が "失業" するので、 治療薬を無視、極力使いたがらない! しかも脳外科医には、(残念ながら) NF発症の複雑な病理を "分子レベルで理解する" 頭脳に欠けている!
要約: 我々が先ず注目したのは、山椒の親戚にあたる「花椒」(四川省特産) である。 「花椒」の赤い実は、「麻婆豆腐」と呼ばれる四川料理 (スープ) に入れる伝統 的な香辛料の一つである。実は、風の便りに、「山椒エキスに、抗癌作用がある!」 という噂を聴き付けたのがきっかけ。 日本の癌学会で、そんなポスターを見かけたという、 ごく断片的な情報を、ある友人から受け取った。 そこで、 我々は得意の「水平思考」を発揮! 豪州メルボルンでは、山椒は 容易には入手できないが、花椒は最寄りの 中国系スーパーで、安く手に入る! 幸い、我が研究助手のひとりで北京大学医学部出の女医から、日常、料理に使っ ている花椒 (漢語で Hua Jiao) のパックを一部分けてもらって、実験を開始!
先ず花椒を粉砕して、70% エタノール (消毒用) 中で 数時間抽出後、遠心分離 (あるいは茶漉しでロ過) して、赤い上清を「花椒エキス」とする。 これを系列 希釈して、NF遺伝子を欠損したNF腫瘍細胞の増殖に対する 50%阻害濃度 (IC50) を調べる。 IC50=10-20 micro g/ml というデータが出た! 次に、PAK遮断作用 を調べ、同様にIC50=10-20 microg/ml というデータが出た。 当然ながら、正常 な細胞の増殖には、全く影響がなかった! 後に、日本から高価な山椒 (薬局方 ) を入手し、同様な実験をしたところ、IC50=100 microg/ml と出た。 つまり、花 椒エキスは 山椒エキスに比べて、少なくとも数倍、PAK遮断作用が強いことが明 らかになった! その後、(通常の家庭でも再現できるよう) 、抽出を (アルコール の代わりに) 45度の温湯 (水) で行ない、同様な結果を得た。 (蛇足になるが) 、理研の吉田グループとの共同研究によれば、FK228 と違い、 「花水」は HDAC を阻害せずに、PAKを遮断することが判明した。。。
いよいよ動物実験の番である! ヒト由来のNF腫瘍を、移植拒絶しない (いわゆる ヌード) マウスに皮膚移植し、一ヶ月ほどの期間、花椒エキス (略称: 花水) を週に 2度、110 mg/kg, 腹腔に注射し、腫瘍の増殖をコントロール (無処理) と比較し たところ、「50% 以上の増殖抑制」という結果を得た! そこで、早速、実験結 果を英文医学雑誌 (Cancer Biology & Therapy) に投稿すると共に、「NF ジャー ナル」という、日本のNF患者/家族向けの読者欄に執筆した:
Yumiko Hirokawa, Thao Nheu, Kirsten Grimm, et al (2006).
Sichuan pepper extracts block the PAK1/cyclin D1 pathway and the growth of NF1-deficient cancer xenograft in mice. Cancer Biol Ther.; 5 : 305-309.
我々の投稿論文は CBT 編集長の"英断"により、 2週間以内に受理された! ところが、そのニュースを聞き付けた (我々が所属している) 国際癌研究所の メ ルボルン支部長が、研究論文の出版を横暴にもブロックせんとしたので、我が輩 は、 (18年間勤めた) 癌研究所を潔ぎ良く辞し、以後「我が道を自由に歩む」決 心をした。 2006年3月のことである。
一体何故、花椒エキスに関する研究に、支部長が「難色」を示めしたか? 未だに 「謎」のままだが、一説には、いわゆる「herbal research」は、不幸にして、癌 研究所のNY 本部長の好みではなかった! 実は、1990年初頭まで、カナダのモン トリオールにも支部があったが、天然物から抗癌剤を発掘し始めてから、「支部 の閉鎖」を食らったという悲しい歴史がある。。。(肉食の) 欧米社会では、 残念ながら「漢方」の精神というか、微生物界や植物界を尊重する「伝統」が未だに欠けている!
皮肉にも、「研究の推進力」を失ったメルボルン支部も、数年後に閉鎖された! 幸い、我 が輩自身は、EU 内で最大規模を誇るドイツのハ ンブルグ大学病院 (UKE) 内にあるNF研究グループに、客員教授として招かれ、し ばらくNF治療薬 (特にプロポリス) の開発研究 (動物実験) を続けることができ た。。。実は、「花水」の製品化への初段階で、 (例えば、蜂蜜など)で、甘みを 付ける目的で、NZの養蜂家 (Kerry Paul) と一種の商談を試みたところ、「Bio 30」と呼ばれる市販された ばかりのプロポリス(液体) 製品の存在を知った。。。
幸い、CAPE を主成分とするNZ 産プロポリス (商標: Bio 30) は、UKEでの動物実 験で、同様な摂取濃度で、NF腫瘍の増殖を90%以上、抑制した! そこで、米国 で翌年 (2007年) の夏に開催されたNF腫瘍に関する年会で、この画期的な結果を ドイツの同僚達に頼んで、ポスター発表してもらった。そして、そのニュースは 世界中のNF患者の間に「津波」のごとく伝わった!
丁度、その年会の最中、我が輩は米国の首都ワシントンの郊外 (ボルチモア) にある大学で夏期休暇をとりながら、「PAKを欠 損した線虫株」(RB689) の phenotype (形質) の検索を初めて開始した。 面白い ことには、CAPE で処理した野生株と、RB689 株とは、殆んど同じ形質 (熱耐性、 少子化、etc) を示した。動物界では一般に、「多産」株は、「短命」である。。。 言い換えれば、「健康長寿」の可能性を強く示唆してい た! つまり、花水、プロポリス等の天然PAK遮断剤が、健康長寿をもたらす。。。
実は、その当時 (2005年頃) 、 (我が輩自身は全く知らなかったが)、 少なくとも ショウジョウバエの実験で、HDAC阻害剤 (=PAK遮断剤) である酪酸やTSA (Trichostatin A) などで処理すると、かなり (3-4割ほど) 寿命が延びることが、既に報告されていた! (2005年時点では、「寿命の延長がPAK遮断による」という遺伝学的な実証は未だなかったが, 2013年になって、我々は、線虫で "PAK欠損株" が野生株に比べて、6割も長生きする ことを実証。 2021年には、同様な結果が、マウスでも証明された!)。
Y Zhao, H Sun, J Lu, et al (2005). Lifespan extension and elevated hsp gene expression in Drosophila caused by histone deacetylase inhibitors. J Exp Biol; 208:697-705.
最近の進歩: さて、2013年になって、中国 (上海) の 研究グループによって、花水中のポリフェノール「GXー50」 (1 mg/kg、腹腔注射) が認知症マウスの記憶を回復しうることが確認された 。前述したが、認知症の進行にもPAKが必須である。 従って、「GXー50」も (抗癌/抗認知症作用を発揮する) PAK遮断剤である可能性が高い。 実際、「GXー50」の化学構造はPAK遮断剤であるCAPE (コーヒー酸 フェネチルエステル) やクルクミンと良く似ている: プロポリス由来のCAPEのエステル結合が、花水のGXー50ではアミド結合に置換されている。従って、CAPE同様、GXー50の化学的な合成も極めて容易であり、かつ安上がりに違いない (2015年には、GX-50 が "PAK遮断剤" であることが確認された!)。 従って, 花椒エキスがプロポリスや乳酸菌 (食品) 同様、脳の難病 (NF/癌 、てんかん、認知症など) の予防に役立ち、最終的には「健康長寿」にも貢献するに違いない!
最後に特筆すべき点は、花水 (GX-50、アミド結合!) はアレルギー症を起こさない! (前述したが) プロポリスの主成分CAPE (エステル結合!) には、人口のわずか1% に過ぎないが、(我が輩自身を含めて)、 皮膚アレルギーを起こす。 従って、「CAPEアレルギー症」の人々には, 花水をぜひお勧めしたい。 なお、CAPE がほんの一部の人々にアレルギー症状を起こす原因は、恐らく、そのエステル結合が体内で分解して、コーヒー酸と (「アレルゲン」として知られている) 「フェネチルアルコール」(揮発性、バラの香り) を生じるからである可能性が高い。
参考文献: Tang M, Wang Z, Zhou Y, Xu W, et al. A novel drug candidate for Alzheimer's disease treatment: gx-50 derived from Zanthoxylum bungeanum. J Alzheimers Dis. 2013 34: 203-13.

HDAC (ヒストン脱アセチラーゼ) 阻害剤「FK228」
(商標: イストダックス) は、最強の「PAK遮断剤」!
脳内疾患には無効だが、「オミクロン」には効くはず!

1994年頃に、藤沢製薬で発見された抗生物質「FK228」は、環状ペプチドであるが、 当初から、 その強い「抗癌作用」が注目され、数年後に、東大農芸化学の吉田 稔博士 (現在、理研) らとの共同研究で、直接のターゲットは 発癌転写蛋白の一種であ る「HDAC」 (ヒストン脱アセチラーゼ) で、その機能 を直接阻害することが判明 した。
それから数年後 (2005年) に、我々の研究室で、FK228 が、HDAC を阻害すること によって、その下流にある病原キナーゼ「PAK」を遮断することが突き止められた! IC50 が 1 nM 以下の最強「PAK」遮断剤であるが、不幸にして、BBB (血管脳関 門) を通過しないので、脳腫瘍などの「脳内疾患」には無効であることが発覚! ! そこで、当時、 (稀少難病)「NF」治療薬の開発を特にめざしていた我々は、FK228 から決別して、(BBBを通過し うる) 天然のPAK遮断剤に、研究標的をがらっと切り換えた。。。こうして、2007年以来、プロポリス (Bio 30) などがNF治療薬として登場し始めた。。。
皮肉 (あるいは「不幸中の幸い」) にも、 (目下世界中に慢延している) COVIDは、主に「肺炎」を起こす (PAK依存性) ウイルスなので、(ワクチン耐性 の) 「Omicron」変異体にも、「FK228」は 有効なはず! 英国で「オミクロン」変異株による「死亡者」を確認! 油断大敵!
FK228 は、その後「セルジーン」によって抗癌剤 (「末梢性T細胞リンパ腫」の特効薬、点滴静脈注射) として開発され、商標「イス トダックス」の名の下、2018年 (開発開始から24年後!) から、日本国内でも市販されている。
さて、前述のごとく、乳酸菌由来の「酪酸」もHDAC阻害/PAK遮断剤であるが、作用 自身は (FK228 に比べれば) ずっと弱いが、「BBBを自由に通過する」ので、 NF などの脳腫瘍ばかりではなく、様々な他の脳疾患 (認知症、パーキンソン氏病、癲 癇、自閉症など) にも、有効であるばかりではなく、日常、乳酸菌食品からタッ プリ摂取できるので、病院通いで点滴を受ける必要がない!

2021年12月9日木曜日

(ワクチンに頼らぬ) COVID 対策の一手:
可溶性 「ACE2」による感染防御!


COVIDが人の肺細胞に感染 (細胞内に侵入) するためには、肺細胞の表面にあるACE2 (Angiotensin Converting Enzyme -2) に、COVIDのスパイク蛋白が先ず結合する ことが必須である。
従って、原理的には、可溶性のヒト由来ACE2 (GM) を人工的に大量生産し、患者 の血中に注射すれば、COVID による感染/増殖/肺炎を防御することができるはず。 そこで、昨年、スウエーデンやカナダの研究グループが (可溶性ACE2 に関する特許を持つ) ウイーンにあるBiotech 会社と 共同で、少なくとも細胞 培養系で、ヒト由来のACE2 (GM) がCOVIDの感染/増殖を強く抑えることを実証し た。面白いことには、マウス由来のACE2 (GM) は全く抑制効果がなかった! つ まり、COVID は (少なくとも) ネズミには感染しないことも判明した (イヌやネコには感染する!) 。。。可溶 性ACE2 (GM) の注射薬の開発 (実用化) が一体どこまで進んでいるかわからない が、近い将来、ワクチンに代わって活躍するチャンスがあるかもしれない。。。
なお、肺細胞の表面にあるACE2 にCOVID由来のスパイク蛋白が結合すると、肺細胞内にあるCK2 (Casein Kinase 2) 等を介して、PAKが異常に活性化され、最終的には肺炎を起こす。 従っ て、例えば「Calpis」など、 既存の様々な「PAK遮断剤」もCOVID による肺炎を抑制することができる。。。
いわゆる旧式 (時代遅れ) の「疫学」者は、ウイルス感染と聞くと、条件反射的に「ワクチン」のみを想起するようだが、パスツールが初めて「狂犬病のワクチン」を開発した19世紀末から、既に一世紀以上の歳月が経ち、ウイルスの (分子) 病理学や「難病のシグナル (分子標的) 療法」は、"飛躍的に" 進んでおり、もはや「旧式のワクチン」に頼る必要はなくなりつつある。。。

2021年11月28日日曜日

現行のCOVID ワクチンは変異体"Omicron"には無効!
変異体は全て、様々な「PAK遮断剤」で撃退すべき!
ワクチン開発はウイルス変異体との「イタチゴッコ」!


南ア発祥の変異体 「Omicron」 の出現で、世界中の株価が一斉に暴落した! この変異体は、スパイク蛋白上だけでも、43ヶ所に変異が起こっている 最新 (生物) 兵器である。世界各国の政府が、この新兵器を 「水際」 で止めようとやっきになっている! 現在市販されているワクチンは全て、 (2年前に流行していた) 「古い」 COVID株 (中国発祥) のスパイク蛋白に過ぎず、科学 (免疫学) の常識に従えば 「Omicron」には殆んど効く訳はないのだ!
例えば、これまでの変異体の研究から、スパイク蛋白 (1274 個のアミノ酸) の内、特に484番目のアミノ酸 (グルタミン酸) が別のアミノ酸に置換されると、「抗原性」(即ち、抗体に結合する力) が弱まる。 "Omicron" では、このアミノ酸がアラニンに置換されている! 案の定、つい最近、南アから豪州シドニーに到着した旅客 (数名) は、ワクチンを 2度も接種されているにも拘らず、「Omicron」陽性であることが判明し、直ちに隔離された!
太平洋戦争末期に、"原爆"を落そうとする米軍 B29 に "竹槍" で立ち向かおうとする愚かな輩が軍部にいたが、現行の COVID「ワクチン」は、それに匹敵する「時代錯誤」だ! 科学を知らぬ政治家や (儲けを先行させる) 製薬会社による「洗脳」に騙されるな!
従って、変異に全く無関係なメカニズムで、ウイルスを撃退する 「新兵器」を編み出さねばならない。 COVIDを含めてRNA ウイルスは全て、感染や炎症 (肺炎) に病原酵素「PAK 」が必須であることがわかっている。 しかも、たとえウイルスにどんな変異が起こっても、PAK依存性は変わらない! ウイルス自身 (あるいは、「生物兵器作り」の専門家) には、”抗原性” を変える「猿知恵」はあるが、”感染メカニズム” まで変える高等な頭脳 (至難の業!) はまだ持ち合わせてない! 後者のごとき「進化」は、海中を泳いでいた魚が、ある日突然、空中を飛び始めるような大飛躍である (フジヤマのトビウオ) ! 従って、ウイルスを先ず、「PAK遮断剤」 で撃退するのが、最先端の医科学の常識である。
幸い、この世の中には、様々なPAK遮断剤 (兵器) が溢れている。 (ノーベル賞に輝く) 「イベルメクチン」、睡眠剤 「メラトニン」、 抗癌剤 「プロポリス」、モズク由来の「フコイダン」、 そして、安価で安全な乳酸飲料 「カルピス」 やヨーグルト 「シロタ株」 (ヤクルト) などである。 PAK遮断で 「美白作用」 を示す全ゆる天然物 あるいは合成製品は、「Omicron」 を撃退するのみならず、”健康長寿” にも通ずる。。。PAK遮断剤を製造する業界の株価が "静かに" 上昇気流に乗りつつある。。。
結論: 長生きしたいなら、お「上」の言うことをそのまま「鵜呑み」するな! ファイザー等の製薬会社は、現行のワクチンが「Omicron」に効かないことを予測して、「Omicron」特有の (新しい) ワクチン製造に目下、着手しつつあるが、それが接種される頃 (数カ月後?) には、それに耐性の変異体 「X 」が既に誕生しているだろう。 従って、いわゆる「イタチゴッコ」を繰り返すに過ぎない。 よって、(ワクチンに頼らぬ) "抜本的な" 対策が必要だ!

2021年11月25日木曜日

「農芸化学」とは、様々な「善玉」菌 や黴 などを
駆使し、種々の発酵食品 (酸乳、チーズ、酒、味噌、
醤油、納豆など) や抗生物質などを開発する応用学。

この世の中には、大きく分けて、有害な「悪玉」微生物 (病原菌、黴、病原ウイル ス など) と、有益な「善玉」微生物 (乳酸菌、酵母、茸 など) が雑居している。 その善悪を適切に見究めて、「善玉」だけを上手に利用して、様々な発酵食品や 抗生物質などを開発するのが、「農芸化学者」の主な役目。片や、「悪玉」微生 物 (例えば、COVID などの病原ウイルスや病原菌/黴など) を予防、撲滅するため に、日夜闘うのが、主に医学部や薬学部に属するいわゆる「病原微生物」学者の 役目。
(薬学部 "微生物化学" 出身の) 我が輩はどちらかと言えば「後者」に属するが、前述のごとく、様々な発 酵食品や抗生物質 (例えば、ペニシリンやイベルメクチンなど) が、悪玉「微生 物」や、その他多くの難病の予防や治療にも役立つので、「前者」の領域にも、 多いに関心を抱いている。。。言い換えれば、学問とは、特に「応用学」は、「縦割り」のみでは良 (う ま) く機動せず、常に「水平思考」を駆使して、関連した領域から、出来るだけ 多くの有益な知識を吸収/導入せねば、成功しない! これが、半世紀を越える我 が輩の "アメーバ研究" に始まる「(微生物の猟人) 人生」の結論である。。。
1977年に, 我々が「土壌アメーバ」から最初に発見した病原キナーゼ「PAK」が、我々 "哺乳類" にも存在することが判明するまで、17年もの歳月を要した! 恐らく、当時の生化学者の間には、 (進化論的な) 「水平思考」が欠けていたからだろう。。。

2021年11月22日月曜日

乳酸菌 (Lactobacillus rhamnosus ) が、ブチル酸 (酪酸) を
介して、COVID 肺炎や腫瘍の増殖などを抑える!

ごく最近発表された、台湾 (国立中央大学) の研究グループによる論文によれば、 この乳酸菌は乳酸以外に、ブチル酸 (酪酸) を産生し、HDAC (ヒストン脱アセチラーゼ) を抑制することによって、その下流にある "PAK" を遮断し、COVID の肺炎症状を静 める! 従って、この乳酸菌で発酵した乳製品 (例えば、「ウイグル」チーズなど ) は、市販のHDAC阻害剤 「 FK228 」(商標: Istodax) と同様、癌、様々な炎症、 その他多くのPAK依存性の難病の治療に役立つばかりではなく、最終的には、健康 長寿に役立つ! 驚くなかれ、2005年に中国の研究グループによって、HDAC遮断剤であるブチル酸やTSA (Trichostatin A) 処理によって、少なくともショウジョウバエが 3割近く長生きすることが証明されていた!
Y Zhao, H Sun, J Lu, et al (2005). Lifespan extension and elevated hsp gene expression in Drosophila caused by histone deacetylase inhibitors. J Exp Biol; 208:697-705.
J Nutr Biochem. 2021 Dec; 98:108821. Gut probiotic Lactobacillus rhamnosus attenuates PDE4B-mediated interleukin-6 induced by SARS-CoV-2 membrane glycoprotein.
by Minh Tan Pham, Albert Jackson Yang, Ming-Shan Kao, et al.
蛇足になるが、FK228 は血管脳関門 (BBB) を通過しないので、NF などの脳腫瘍には効かないが、酪酸はBBB を通過し得るので、脳内の疾患にも有効なはず。。。酪酸は、主に "バター" (ラテン語で 「酪」の意) 中の脂肪酸の分解過程で合成される。
自家製の "Parmesan Cheese" 飲料:
典型的なイタリアのチーズ (Parmesan) はカルピス同様、(元来は) 脱脂粉乳に各 種の乳酸菌 (L. helveticus や L. rhamnosus など) を加えて、発酵して製造す る。 従って、このチーズの粉末に含まれる乳酸菌を利用して、牛乳に砂糖などを 少々加えて、室温で (時々撹拌しながら) 発酵させれば、72時間以内に牛乳がコッ テリとして来る。 これを水で薄めて飲めば、「カルピス」様の甘酸っぱいドリン クができる。目下、豪州ではCOVID パンデミックのため、カルピスが入手できな いので、このような代用品で、健康長寿をめざしている。。。「牛乳」を敢えて 使用する理由は、「酪酸 (PAK遮断剤) は脂肪酸の代謝物」なので、脱脂せぬ方が 酪酸の生成が促進される。。。
目下、英文科学雑誌「Drug Discovery and Therapy」に、下記の如き 「 Review 」を投稿 (2022年2月末に受理済み!):
Probiotic microbes: Their anti-melanogenicity and longevity promoting activities are closely linked through the major “pathogenic “ kinase PAK1.
Hiroshi Maruta#1, PAK Research Center, Melbourne, Australia.
Mok-Ryeon Ahn, Dept. Food Sci and Nutri., Dong-A University, Busan, Korea.

2021年11月20日土曜日

乳酸菌 (Lactobacillus) が 線虫の「寿命」を4割も延長!

驚くなかれ、2016年に、中国 (浙江大学) の研究グループによれば、"Xinjiang" (新疆ウイグル) の伝統的な (4千年の歴史を誇る) チーズ作りに使用する数種の乳酸菌を線虫に餌として与えると、大腸菌を与えた場合に比べて、最大4割も平均寿命を延ばすことが判明した! 我々は、2007年ごろに、線虫のPAK遺伝子を欠損させると、平均寿命が6割も延びることを発見した。 従って、これらの乳酸菌種/株が何らかの方法で、線虫のPAKを遮断している可能性が高い。。。詳しくは、
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27487805/
Ramila Azat, Yan Liu, Wei Li et al. (2016), Probiotic properties of lactic acid bacteria isolated from traditionally fermented Xinjiang cheese. J Zhejiang Univ Sci B.;17: 597-609.

言い換えれば、我々の腸内大腸菌を (何らかの方法で) 乳酸菌に置換すれば、相当「長生き」出来る可能性大!
更に、台湾 (中国医薬大学) の研究グループの 研究論文 (2021年) によれば、「チバイ」 と呼ばれる漢方を乳酸菌 (Lactobacillus rhamnosus) で発酵したエキスにも、美白 (=PAK遮断) 作用があることが判明した! この乳酸菌は、「新疆ウイグル」 チーズ作りに使用される菌株で、線虫の寿命を4割延長することが既知!
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33314651/
Chih-Chu Ho, Shang-Chuan Ng, Ho-Lin Chuang, et al. (2021). Seven traditional Chinese herbal extracts (Chibai) fermented by Lactobacillus rhamnosus provide anti-pigmentation effects by regulating the CREB/MITF/tyrosinase pathway. Environ Toxicol.; 36: 654-664.
(北東にモンゴル、南にチベットと隣接する) 新疆ウイグル自治地区 (中国大陸の西の果て) では、今世紀に入って、中共政府が「強制収容所」を設置し、イスラム教徒 (主にウイグル民族、地区の人口の約半分) を「思想改造」(=洗脳) しようとして、海外から強く批判されている。 ウイグル遊牧民族の伝統的な「チーズ文化」を含めて "ユニークな" 独自文化を守るために、彼らを心から声援しよう!
なお、韓国に古くから伝わる 「Doenjang」(テンジャン) と呼ばれる固形の味噌 (Fermented Soy Bean Cake) には、プロポリス同様、美白作用のあるフラボノイドが含まれている。 テンジャンが多く生産される淳昌郡 (韓国の西南部) は「長寿の郷」としても知られており、長寿と美白作用との密接な関係が示唆されている。。。

2021年11月15日月曜日

乳酸菌飲料「カルピス」に 美白作用あり! 従って、
九分九厘、CS19 ペプチド (主成分) は「PAK遮断剤」
カルピスを毎日250 ml 飲めば、少なくとも 「COVID」 の予防、NF治療、記憶力の増進、健康長寿に役立つ!

三島海雲が1919年に起こした「カルピス」革命: 創業百年後 に 「PAK遮断作用」 を実証!
「カルピス」 と 「PAK」 の接点は一体何か?
実は、 2、3年前に、「カルピス」 に関する大変興味深い論文を見つけた。牛乳中の蛋白の80%を占める「ガゼイン」 (CS) が乳酸菌によって分解され、19個のアミノ酸からなるペプチド (CS19, NIPPLTQTPVVVPPFLQPE) が蓄積するが、そのペプチドには、記憶や学習能力を上げる功果があることが、臨床テストで証明されたという内容である。カルピス (朝日ビール傘下) と京大農学部との産学共同研究結果だ。
その論文を読んで「ハタ」と閃いたことがある。 このペプチドには「プロリン」というアミノ酸が豊富であったからだ。実は、もう20年以上も昔、 病原キナーゼ「PAK 」に結合する蛋白「PIX 」が発見された。この蛋白が、PAK分子上の18個のアミノ酸からなる (プロリン豊富な) 「PAK18」と呼ばれる部分と結合すると、PAKを活性化し、細胞の癌化を引き起こす。 さて、PAK18自身は、細胞膜を通過し得ないが、これに細胞透過ペプチド 「WR」 を結合させると、癌細胞に入り、PAK とPIXとの結合を選択的に阻害することによって、癌化 (癌の増殖) を阻害することを我々は突き止めた。 この現象は、癌細胞に特異的で、正常な細胞の増殖には、全く影響を与えなかった。こうして、PAK とPIX の結合が癌化に必須であることが初めて実証されたわけだ。
さて、PAK は癌化ばかりではなく、種々の神経疾患、例えば認知症などに伴う記憶や学習能力の喪失にも関与している。 カルピスのペプチド (CS19) とPAK18とは、両方ともプロリン豊富であり、然も長さ (ペプチド鎖) もほぼ同じ位である。ひょっとして、カルピス中の「CS19 」は、PAK18同様、PAK と PIX の結合を阻害するPAK遮断剤ではなかろうか? 病弱がちだった三島海雲 (1878-1974) は、酸乳という「モンゴル遊牧民族の知恵」を借りて、 自ら開発した "カルピス" を飲み始めてから、健康になり、95歳以上の健康長寿を全うしたそうである。。。 更に動物実験でも、CS19 に寿命延長効果や血圧降下作用などがあることが実証されており、これらの薬効は、プロポリスなどのPAK遮断剤 と極めて良く類似している。
決定打 (ホームラン) は、「カルピス」の美白作用、つまりメラニン色素の合成を抑制する作用の発見である。 前述したが、2017年に、我々は沖縄の琉球大学のチームと共同で、「PAK がメラニン色素合成に必須である」 ことを発見した。 逆に言えば、「 美白作用を指標に、PAK遮断剤を手軽にスクリーニングし得る!」。 こうして、2020年に、星薬科大学と カルピス (「朝日」ビール傘下) との共同研究により、「カルピス」に美白作用があることが突き止められた! 美白作用は、主に2種類のメカニズムによる。 その一つは、メラニン色素を合成する酵素 (Tyrosinase) を直接阻害すること。資生堂などの大手化粧品会社の製造/販売している美白剤は、主に前者に属する。 もう一つは、この酵素の遺伝子発現を抑制すること。 PAK遮断剤は後者に属する。 「カルピス」はこの酵素を直接阻害せずに、遺伝子発現を抑えることから、明らかに 「PAK遮断剤」に属する!
実は、カルピスやスイスチーズなどの製造に使用される乳酸菌 (Lactobacillus helveticus) 発酵 による酸乳に、美白 (=PAK遮断) 作用があることは、中国の研究グループによって、 既に2017年に報告されていた! https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28598022/
J Rong, C Shan, S Liu, et al (2017). Skin resistance to UVB-induced oxidative stress and hyperpigmentation by the topical use of Lactobacillus helveticus NS8-fermented milk supernatant. J Appl Microbiol.;123:511-523.

なお、NF 患者、癌患者、COVID 肺炎患者などには、「カルピス」 を毎日、少なくとも 250 ml (約100 円!) 飲むことをお勧めしたい。。。
なお、ヤクルトの酸乳「シロタ株」には、流感や癌 など (共に、PAK依存) を抑える作用があり、PAK遮断飲料の可能性もあるが、未だ 「決定打」 (美白作用の実証) に欠けている。。。
注意: 朝日ビールは、最近、牛乳の代わりに、"豆乳"を原料にして発酵させた (主に女性向け) 飲料 "Green Calpis" を売り出したが、"豆乳は (牛乳と違って) カゼインを全く含まない" ので、CS19 を生産せず、美白 (PAK遮断) 作用は保証できない!
詳しくは、星薬科大学とアサヒビール (Calpis) の "歴史的な" 研究論文の要旨を参照されたし。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32674403/
Nobutomo Ikarashi , Natsuko Fukuda , Makiba Ochiai, et al
Lactobacillus helveticus-Fermented Milk Whey Suppresses Melanin Production by Inhibiting Tyrosinase through Decreasing MITF Expression.
Nutrients. 2020 Jul 14;12: 2082.
Abstract

Whey obtained from milk fermented by the Lactobacillus helveticus CM4 strain (LHMW) has been shown to improve skin barrier function and increase skin-moisturizing factors. In this study, we investigated the effects of LHMW on melanin production to explore the additional impacts of LHMW on the skin. We treated mouse B16 melanoma cells with α-melanocyte-stimulating hormone (α-MSH) alone or simultaneously with LHMW and measured the amount of melanin. The amount of melanin in B16 cells treated with α-MSH significantly increased by 2-fold compared with that in control cells, and tyrosinase activity was also elevated. Moreover, treatment with LHMW significantly suppressed the increase in melanin content and elevation of tyrosinase activity due to α-MSH. LHMW also suppressed the α-MSH-induced increased expression of tyrosinase, tyrosinase-related protein 1 (TRP1), and dopachrome tautomerase (DCT) at the protein and mRNA levels. Furthermore, the mRNA and protein microphthalmia-associated transcription factor (MITF) expression levels were significantly increased with treatment with α-MSH alone, which were also suppressed by LHMW addition. LHMW suppression of melanin production is suggested to involve inhibition of the expression of the tyrosinase gene family by lowering the MITF expression level. LHMW may have promise as a material for cosmetics with expected clinical application in humans.

2021年11月12日金曜日

沖縄モズクは、海から取れる褐色の「ダイヤモンド」! この海藻由来の「フコイダン」は強力なPAK遮断剤!
フコイダン の「ナノカプセル」 (吸収率が5倍) が登場!


幸か不幸か、いわゆる「温室ガス」 (炭酸ガスとメタン) の「ダイヤモンド化」は、ごく最近、小規模ながら、英米の2社 ("Aether Diamonds" 及び "Sky Diamonds") で既に実用化しているようだ。我が輩は生来、「競争相手と篠木を削り合う」のを好まない! そこで、急きょ「得意の独自路線 "Marine Diamonds" 」へ作戦を変更!
フコイダンはヘパリン同様、硫酸多糖類であり、血小板の凝集を抑えるばかりで はなく、COVID 肺炎、NF 、癌などを含めて、様々なPAK依存性疾患の予防、治療に役立 つ (植物性) PAK遮断剤 、つまり「植物性ダイヤモンドの王者」の一つである。海 藻類は、陸上の植物同様、太陽エネルギーを利用して、主に炭酸ガスと水から、い わゆる「光合成」というプロセスを介して、フコイダンを含めて様々な多糖類を 合成する。 従って、フコイダンを最も効率良く生合成できるモズクのGM品種改良 への研究は、地球温暖化の主因になっている炭酸ガスを、速やかに「海のダイヤ モンド」に変換するという未来プロジェクトに大いに貢献すると、我が輩は確信 している。 しかも、"陸や空" のダイヤモンドと違って、段違いに安価で、庶民的! 従って、挑戦すべき 我が「エベレスト」(未踏峰) は、"GM" モズクの開発! つ い最近 (2019年)、沖縄科学技術大学院 (OIST) の研究チームが、沖縄モズク中のフコイダンの生合成に関 与する酵素群の遺伝子 (ゲノム) のクローン解読に成功、と聞いている。。。詳しくは:
https://www.oist.jp/ja/news-center/news/2019/3/20/33740
なお、沖縄モズク 1 kg 当たり、フコイダンの含量はわずか 10 g といわれている。 モズクの 9 割は水分なので、モズク乾燥重量の10% がフコイダンに相当する。従って、"GM" モズクの品種改良とは、「モズクの収量を 10% から、一体どこまで引き上げられるか」にある。。。
新製品の広告: フコイダン (高分子) の「ナノカプセル」 (吸収率が5倍) !
従来の「沖縄フコイダン錠」は、180 粒 (=42 g ) 入り。 NF/癌患者には、毎日 10粒 (朝晩 5 粒づつ、 つまり約 2。5 g ) を勧めている。 さて、もし仮に、"ナノカプセル" の吸収率が広告通り「5倍」とすれば、500 mg 、つまり 1。5粒 (朝晩1 粒ずつ) で十分という計算になる。。。さて、どちらが安上がりかは、算術で簡単に計算せよ。。。
我が輩は、この「ナノカプセル」の広告のスポンサーでも奨励者でもない! 広告の存在を喚起しただけ。 実際に、利用者 (患者や医師) がその真価を試し、 評価すべし!

2021年11月6日土曜日

「ダイヤは石炭から自然発生した」という説は "嘘"!
炭酸ガスやメタンから 人工「ダイヤ」が製造できる!
「温室ガス」 (CO2 とメタン) による地球温暖化を救え!


宝石の王者「ダイヤモンド」も燃料の「石炭」も (化学的には) 炭素の塊まりである。さて、石炭は原始時代の樹木が (地圧などにより) 炭化して出来た鉱物である。そこで、ダイヤモンドも樹木から石炭を経て、より高度に炭化したものである、という説が、昔から誠しやかに囁やかれていたが、実はその説 (噂) はどう やら、「嘘 」のようである。。。従って、地球温暖化の原因である石炭を全部「ダイヤ」に変換する、という "野心的な" アイディアは、余り現実的ではなさそう!「科学者の端くれ」我が輩にとっても、全く「鱗から目」である! ただし、石炭や鉛筆の芯からダイアモンドを人工的に (高圧と高熱で) 製造することは、極く小規模ながら可能! 千葉工大の工学部教授 (坂本 幸弘 ) によれば:
人工ダイヤモンドを作れ!
実は、ダイヤモンドは、地中奥深くの「マグマ」の中で、できると言われている。そこで、その高温高圧の環境を再現すれば、黒い炭がダイヤモンドになるのではないかと考える人物 (Tracy Hall) が現れた。 1954 年頃、アメリカのゼネラル・エレクトリック (GE) 社は、1400~1600度、5500気圧という環境下でダイヤモンドを作ることに成功した。史上初の人造ダイヤ! ただ、1年間でやっと20mm程度の大きさにしかならない。 次に成功したのが、「衝撃圧縮法」。爆薬を爆発させて、瞬間的に石炭に高圧力をかけると、細かく飛び散った炭素のいくつかがダイヤモンドになる。数百ミクロン以下という肉眼には見えない大きさあるが、工業用の研磨剤や切削工具の材 料などに使われている。
「プラズマ」でダイヤモンドを作れ!
そして、こうした2つの大掛かりな方法とは異なる、「気相合成法」が登場した。 固体・液体・気体は「物質の3態」と呼ばれるが、気体をさらに高温にすると、プ ラズマという状態になる。原子を構成する、原子核と電子がバラバラになって飛 び交っている状態。CH4(メタンガス)とH2(水素ガス)を混合した反応ガスを、800度、 1/3気圧の環境で、エネルギーを投入してプラズマ状態にすると、CとHがバラバラ になり、そのうちのCのある割合が、ダイヤモンドの構造に並ぶ。この人造ダイヤ は、金属などに付着して膜になる。このダイヤモンド膜は、宇宙船の窓や、工具 の材料に使われている。
しかしながら、ダイヤモンドの王者 「ピンクダイヤ」の大きな塊まりを、人工的に製造するのは、未だ未だ技術的に無理なよう!
最後に「蛇足」 (奇想天外なアイディア) だが、炭酸ガスとメタンガスを適当な金属触媒存在下に (高温 》800 度 と高圧で) 反応させ、炭素の結晶 (例えば Diamond) と水を製造する技術を開発できれば、地球温暖化が一気に解消されるばかりではなく、その "パテント" で億万長者になれるはず! この反応には、脱水が必須なので、耐熱性の "Silicagel" (SiO2) が活躍するかもしれない。。。ダイヤは水分を弾くが、水晶 (SiO2) は水分を吸収し易いという性質は、この反応 を成功させる鍵を握る!
CO2 + CH4 = 2CO + 2H2 (known in 2020) = C2 (diamond) + 2H2O (water)
号外: 驚くなかれ、英文雑誌「Scientific American」の2021年3月号によれば、欧米の2社が既に、(少なくとも) 「炭酸ガス」から高圧高温下にダイヤを製造し、販売を開始しているそうである: 詳しくは、
https://www.scientificamerican.com/article/modern-alchemists-turn-airborne-co2-into-diamonds/
Modern Alchemists Turn CO2 into Diamonds
Each carat removes 20 tons of greenhouse gas from the sky!
By John Fialka, March 12, 2021 (Scientific American)
更に、日立製作所からの古い論文 (1990年) によると、CO とH2 の混合ガスからも、 少なくとも「microwave plasma」 という方法で、人工ダイヤができるそうである!
Yukio Saito, Kouji Sato, H. Miyadera (1990). Diamond synthesis from CO-H2 mixed gas plasma. Journal of Materials Science
Summary: Particulate or film-like diamond was prepared on silicon substrates from CO-H2 mixed gas using a microwave plasma technique.
なお、ピンクダイヤモンドが産出される鉱山は限られ、ここ数十年は世界のピンク ダイヤモンドの約90%は西豪州にあるアーガイル鉱山 ("Rio Tinto" 所有だが、 2020年末にとうとう閉鎖!) から採掘される。アーガイル 鉱山から産出されるダイヤモンドも、そのほとんどは工業用にしかならないクオ リティ。約5パーセントの宝石クオリティの原石も、8割は無色またはブラウン。 宝石になり得るピンクダイヤモンドと出会える確率は産出される全ての原石の僅 か「1万分の1」 という、まさに奇跡のような宝石! 従って、万が一、結婚祝いにもらった指輪に「ピンクダイヤ」がはまっていたら、 その花嫁は誘拐される可能性が極めて高いので、指輪は (一生、金庫に閉まったまま) 他人に見せびらかさぬ方が賢明!

2021年11月4日木曜日

豪州西部で幼女 (4 歳) の "誘拐" 事件: キャンプ場から忽然と消息を絶って から18日後に、無事救出/保護される!

幼女の名は、クレオ=スミス。 事件は西オーストラリア州の首都 (パース) から北へ900 km の西海岸線にあるCarnarvon という町付近で発生。 両親と共に、近くのキャンプ場のテントで宿泊中に、ある夜明け前に、独り娘のクレオが忽然と姿を消す。。。
付近の警察官 100名以上が総動員され、(州政府からの) 一億ドルの賞金付きで、捜査が一帯で開始されるが、18日間、殆んど糸口無しだったが、町付近で、独身で子供無しのある (喫煙、肥満体の) 男 (36歳) が、スーパーに赤ちゃん用のオシメを購入しに来たエピソードが、糸口になって、(真夜中) 男の住んでいるらしい家宅が警察により、捜索され、幼女クレオがベッドルームから無事保護された!
そのビッグニュース (Happy End) に、両親は勿論のこと、豪州全体の人々が拍手喝采をした。 。。 この男は身体の調子が悪いらしく、病院に一時入院中だが、退院後、先ず「参考人」として、警察から事情聴取を受けることになっている。。。一つ判明している事実は、この容疑者が「女の子の人形」を無数に収集していること (ひょっとすると、クレオもその収集品の一つ?)。 実は、これらの人形は本人が購入したものでなく、祖母から譲り受けた物ばかりであることが判明した!
事件の全貌は未ださっぱり解らないが、この珍しい事件を題材に「映画」(Vanished and Found) を製作しようという動きがあり、様々な作家たちが、"想像力" を駆使して、一斉にシナリオを書き始めている。。。。遂に、犯人が誘拐を自白 (1月24日)! 動機は??
実は、我が輩も 3 歳頃に (敗戦直後) 都内で、(突如) 失踪した経験がある。朝、父親と共に、畑に出かけた折、父が畑で懸命に仕事をしている間に、退屈したのか、トコトコ独りで歩き出して、昼の食事をしようと、父親が手を安めた瞬間、息子が辺りにいないことに気づいた。近くに渓流が流れていたが、その付近には、息子の形跡はなかった! あわてて、近所の駐在に、息子の失踪届けを出して、父は自宅でじっと待機した。その日の日没頃になって、(10 km ほど離れた) 隣村の駐在から、年取った巡査が (恐らく自転車で)、息子を連れてやってきて、「Happy End 」に終わった!。 以来、我が輩は、自宅の住所「中野区江古田1-242」を空で暗記するように、厳しく教えられた。 偶然に、 息子の「足腰の強さ」を知った父親は、我が輩を連れて、高尾山などへ登山訓練に出かけるようになった。。。
成人後、我が輩は単身渡米、世界中を独り旅しながら、波乱万丈な人生を楽しんできた。 その芽生えは、「3歳時の失踪」にあったような気がする。 クレオ嬢が将来、一体どんな人生を歩むことになるか知らないが、彼女の両親が決して「過保護」にならないことを、 切に望みたい !

2021年11月3日水曜日

「立憲民主」の建て直し: 「一強」枝野が代表辞任、
包容力のある「岡田」が (代表を) 引継ぐべき!
反「自民」と反「共産」の "受け皿" を目指せ!

「金魚 (自民) の糞」(公明や維新) ではない、「反自民の受け皿」となるべし!
維新は 関西の「地方政党」、公明は宗教団体: 国政 (オール日本) はとても任せられない!
我が輩自身は、沖縄2区で、社民党 (オール沖縄) を支援! 「自民」候補を粉砕!

2021年11月2日火曜日

大阪では「珍」現象: いわゆる「金魚 (自民党) の糞」(公明と維新) が、金魚を全部駆逐? 残るは「 糞」だらけ!

今総選挙で、単独過半数を辛うじて維持した自民党政権が、(近い将来) 憲法を改正 (特に、憲法第9条を破棄、あるいは改悪) するためには、"右翼的な" 公明党と維新党 (金魚の糞) の協力を得て、衆議院と参議院で、3分の2 以上の 「賛成」を必要とする。。。
我が輩自身は、「イラ管」同様、 憲法を積極的に「改善」 ("天皇制を廃止" するために、憲法1 - 8条を破棄し、第9条で 「永世中立国」を宣言) することを推進したい! 従って、「自民党の糞 」なるまじき!

2021年10月30日土曜日

「Halloween」 (October 31) の発祥: ケルト民族の大晦日

毎年10月31日に、主に西洋で子供たちが祝う「ハロウイーン」 (Halloween) という祭は、実は (アイルランドや英国北部スコットランド等に2千年近く住む) ケルト民族 (=被征服民族) の習慣である。ケルト族の古い暦では、11月1日が正月 (新年、冬の始まり) で、10月31日は "大晦日" にあたる。 そして、その日の夜には、この世とあの世の境が一時的になくなって、様々な幽霊が "はいかい" するという言い伝えがあった。 そこで、これらの幽霊たちを鎮めるために、キャンディーやお菓子で、「Trick or Treat 」 する習慣が、子供たちの間に、しんとうしたという訳である。
我が輩が初めて、「ハロウイーン」を米国の子供たちと祝ったのは、1973年の10月31日だった。 米国中西部コロラド州の首都デンバーの郊外 (ロッキー山麓) に、Packard 夫妻と3人の子供たち (長男ジョー、次男ジョン、長女コニー) が住んでいた。この家族は、その昔、米国西海岸のオレゴン州 の首都ポートランドに住んでいた。そして、近所に日本人二世 (イイジマ) とアメリカ人女性 (ジュネーブ) の夫婦が住んでいて、両家庭共、同じプロテスタントの教会に通っていた。 イイジマ家には、二人の息子 (双生児) がいた。 我が輩が、1973年7月26日に、横浜から米国のオレゴン号という大型タンカーで、太平洋を渡って、渡米した際、同乗して いた 13名 の乗客の中に、このイイジマ家 (4人) がいた。 息子たちは、小学生で、夏休みを利用して、日本の小学校で、日本語の勉強をしての、帰路だった。
我が輩の最初の研究留学先は、デンバーの近くにあるコロラド大学 (Boulder 校) だった。 そこで、ハロウイーンの季節が近づいた頃、イイジマさんが、親切に もPackard 家に連絡を取り、 10月31日の夕方、わざわざ我が輩の寄宿舎に車で迎えにきて、Packard 家で、初めての楽しい「ハロウイーン」を体験できた、とい うわけである。その後、Mr. Iijima が亡くなり、Packard 家の次男ジョンが若くして癌で他界したという、悲報 (メール) を受け取った。。。 ハロウイーンは、 現世 と来世の人々の間の、一種の「往き来の場」である、と考えてもよい。。。
さて、来たる10月31日の夜には、総選挙の開票が始まる。 一体どんな結果が出るか、楽しみである。。。

2021年10月26日火曜日

東京18区: 「イラ管」 (元民主党首相、東工大出身)、
「長島」 (自民から送られた刺客、慶応出) を返り討つ!

「理系」最後の総理、管直人 (通称「イラ管」、75歳) は、道理に適わぬ非科学的な相手 (政敵) の議論に苛立つ! 我が輩自身も、亡父の気性 (遺伝子) をそっくり受け継ぎ、非科学的な政治家の意見 (ナンセンス) に苛立つ!
イラ管は、2011年の「東北津波による福島原発の崩壊」を目の辺りに体験した総理だったから、「脱原発」 を政治スローガンの一つに掲げて、恐らく 「最後になるだろう」 今秋の総選挙に出馬しつつある。 ところが、彼の総理時代に可愛がってやった弟子 「長島」が その後、自民党に身売りし、今回は、自分の地盤 (東京21区) から、東京18区へ鞍替え、自民党からの 「刺客」 として、恩師 「イラ管」を邪魔/打倒する戦術に出てきた! これほど 「イラ管」 を苛立たせる 「恩を仇で返す行為」 は無い。。。「目的のためには手段を選ばぬ」 (腐り切った) 与党や「利己主義的なよそ者」政治家が、「18地区」住民の福祉のために働くとは、とても思えない!
なお、沖縄では、1区 で共産党、2区 で社民党 (オール沖縄) が、各々自民党を制す! "立憲民主党" (3区、4区) は泣かず飛ばず!
東京18区、師弟の骨肉の争い: 長島昭久氏 (自民) にいらだつ 菅直人氏 (野党):
https://mainichi.jp/articles/20211025/k00/00m/010/247000c?cx_testId=122&cx_testVariant=cx_2&cx_artPos=2#cxrecs_s
https://www.sankei.com/article/20210824-A27CI5TWANKABCALWARJLYBJAI/

2021年10月23日土曜日

"台中" 間「パイナップル」戦争の行方?
台湾の隣人を、出来るだけ (平和的に) 助けよう!

中共政府は、2025年を目標に、(香港政府と同様) 台湾政府をも自分の傘下に (強 制的に) 従えようと、軍事的にも、経済的にも、台湾政府に対して、圧力を日増 しに強めている。 その一環として、2021年の春から、(収穫期に入る) 台湾産の パイナップルの中国大陸への輸入を、「害虫の混入」という "擬い" の理由で、禁止 した。 これに対抗して、台湾政府は、パイナップルの国内消費を強化すると共に、 中国以外の近隣諸国 (日本、韓国、香港、シンガポール、インド、米国、カナダ など) に、台湾産のパイナップルの大量輸入を呼びかけた。 その結果、中国向け のパイナップルは、これらの近隣諸国による消費によって、全てさばかれたとい う (美談!)。 今後とも、これに類する「経済戦争」が、台中の間で強まると思 う。。。
極めて残念なのは、豪州政府が台湾パイナップルの輸入に協力しなかったことで ある。 豪州では、いわゆる農民党 (National) による「海外の農産物の輸入禁 止」政策が強く、数年前にサイクロン (台風) で、北部クインーズランドのバナ ナ畑の9割が水没した時にも、バナナの輸入を全面禁止したので、我々消費者は、 ひどく「高値」のバナナを強いられた (我が輩自身は、その年、朝食にバナナを 食べる習慣をとうとう断念した!)。豪州は、お隣りの「NZ 」からのリンゴの輸 入をも (「蝿の混入」という理由で) 未だに禁止している (中共同様、悪質な 輸入禁止!)。 豪州政府は、何故か (中共政府に遠慮して) 台湾政府と国交が全くないが、"COVID の発 生源" を巡って、中共政府とも日増しに仲が悪くなりつつあり、いわゆる「アジ アの孤児 」化しつつある。。。

2021年10月17日日曜日

2021 芥川賞作品「彼岸花が咲く島」がささやく薬効:
彼岸花由来の強力な PAK 遮断剤 「Narciclasine」

台湾出身のリベラルな女流作家 (日本永住) 、李 琴峰、の いわゆる SF 小説 「彼岸花が咲く島」が今年の芥川賞に受賞した! 小説については、On-line で一寸「あら筋」しか未だ読んでいないが、実は、真っ赤な彼岸花の球根には、昔から「一見不思議な」様々の薬効 (例えば、麻酔作用 など) が知られている。 最近、その謎が解けた! 2005年頃に、四川省産の赤い「花椒」 エキス (花水) に "PAK遮断作用" を初めて発見して以来、我々PAK 遮断剤研究家の間には「赤い花にはPAK遮断作用あり」という素朴な定理が通用している。 実際、彼岸花由来の「Narciclasine」というアルカロイドに、どうやら強力な "PAK 遮断作用" があることが、中国や米国などでの最近 2-3年の研究によって、明らかになった。 IC50=12 nM (抗癌作用) で、我々が開発した合成 PAK 遮断剤「15K」に匹敵する薬効を示す。。。
References:
Chun-Yan Shen , Xi-Lin Xu , Lin-Jiang Yang , Jian-Guo Jiang (2019). Identification of narciclasine from Lycoris radiata (L'Her.) Herb. and its inhibitory effect on LPS-induced inflammatory responses in macrophages. Food Chem Toxicol. ;125:605-613. https://www.nature.com/articles/s41598-020-62690-9
実は、Narciclasine の存在する植物は真っ赤な彼岸花に限らない。黄色いラッパ水仙 (Daffodil) や真っ白い彼岸花にも存在する。我が地元の豪州メルボルンでは Cancer Council (対癌財団) のシンボルが、Daffodil である。 今まで、その (薬理的な) 根拠が定かでなかったが、この花由来のアルカロイドがPAK遮断作用により、癌の増殖、転移などを抑えるからであることは明らか! なお、Narciclasine の抗癌作用は1967年にイタリアの研究者によって、発見され ていた。。。
ただし、Narciclasine は水に溶けにくいという難点がある。 そこで、2003 年に、これを燐酸化した "水溶性" 誘導体 Narcistatin が米国アリゾナ大学の有機化学者によって合成された (2010年にUS特許認証!) 。 この誘導体 (=prodrug) は腸管から吸収されてから、代謝されて、 Narciclasine になる。
(書評): 台湾が香港同様、中国大陸 (中共政府) の統括下に置かれることは、今や時間の問題である。 たとえ米国が介入しても、結局、ベトナム戦争やアフガン戦争の大失敗を繰り返すのみ! そこで、リベラルかつ賢明な著者 (李女史) は自由を求めて、日本に移住した。そのような自身の体験と「卑弥呼」(3世紀の前半頃、北九州の博多湾を中心に栄えた「邪馬台国」を治めていた女王)の伝説をうまく組合せ、不思議な彼岸花の御利益を香辛料に利用して、綴ったのが、このSF/歴史 小説らしい。 若しかしたら、1-2世紀後には、卑弥呼、エリザベス女王 (一世) や Angela Merkl のような "抜きん出た" 女性が現れ、沖縄 (あるいは日本全土) の統治を成し遂げてくれるかもしれない (実は、北海道の札幌でも、彼岸花は咲く!)。 そのためには、地球温暖化やCOVID のような伝染病により、衆愚が先ず淘汰され、彼岸花のようなPAK 遮断剤で生き残った (先見の明のある) 賢者が過半数を占める世の中の到来が必要である。いわゆる "Twilight Zone" にある我々 (老人) には、精々あと20-30年しか持ち時間がないので、そんな夢のような世の中を期待できないが、孫か曾孫の時代には、ひょっとしたら実現するかもしれない。。。我が輩自身は、日本の封建的な衆愚政治に幻滅して、半世紀近く前に、日本からの脱出を実現したので、この台湾出身の著者の気持が痛く理解できる。。。言い換えれば、これは ( 名作 「大地」で有名なパール=バック女史などの) 外人女性にしか書けない (国境を越えた) 客観的な文学である。 将来、「ノーベル文学賞」に値いするかもしれない。。。ただし、「女語」というのは、日本特有で欧米や中国の言語などには存在しない。 従って、 それを ("日本語" とハッキリ区別して) 翻訳するのは至難の業 (イタリック体で表記?) !
この小説のタイトルを強いて英訳すると、「An Island in Full Blossom of Red Spider Lilies」となる。。。もしかしたら、欧米では、「Daffodil Island」 に変えた方が "読書欲" をそそるかもしれない。 映画化には「短い題名」が必須!日本では、1958年に "天然色" 映画「彼岸花」(佐田 啓二と有馬稲子が共演) が上演されている。

2021年10月15日金曜日

PAK 遮断 ペプチド: PAK によって燐酸化される 抗癌蛋白「RUNX3 」由来のペプ チド (Thr 209 を含む)
博士論文: 「RUNX3」 の Thr 209 付近 と「メルリン」のSer 518 付近にある構造 (あるいは機能) 的な「共通点」?


インド南部のマドラス市 (人口は、ほぼ東京都と同じ) にある Suresh Rayala 博士の研究室 (インド工科大学) は数年前から、(副作用のな い) 「抗癌剤」の開発をめざして、本格的に 「PAK 」研究を開始した。 その過程で、(抗癌性のある) 転写蛋白「RUNX3 」の 209 番目のTHR がPAK によって特異的に燐酸化されると、発癌することを突き止めた。 そこで、 「RUNX3 」蛋白中の Thr 209 を含むいくつかのペプチドから、2021年になって、PAK 遮断剤 (RMR, 12 個のアミノ酸: RMRV-T-PSTPSPR) を見つけた。 細胞培養系でのIC50= 2 micro M (実験用試薬としては、OK!)。 もし、このペプチドの誘導体 (peptide mimetics) で、水溶性、かつ細胞透過性の高い化合物が、近い将来、開発されれば、抗癌剤として有望だろう。。。
我々は、もう20年ほど昔、「WR-PAK18」 というPAKを遮断する水溶性、細胞透過 性の高いペプチド化合物を開発した。 しかしながら、全体が34個のアミノ酸から なり、体内で消化され易い傾向があるので、もっと (分子量の) 小さな化合物 (peptide mimetics) の開発/登場が長らく嘱望されていた。。。
参考文献:
Rahul Kanumuri et al. Oncogene. 2021 Aug; 40(34):5327-5341. Small peptide inhibitor from the sequence of RUNX3 disrupts PAK1-RUNX3 interaction and abrogates its phosphorylation-dependent oncogenic function.
さて、 NF2 遺伝子産物 (メルリン) も抗癌蛋白 (595個のアミノ酸からなる) で、PAK により 518番目のSER が燐酸化されて、その抗癌作用が抑えられることが、既に知られている。 更に、我々の手で、メルリンの"前半部" と "後半部" が、各々PAKを遮断することが、20年ほど前に明らかにされている。 燐酸化を受ける "SER 518" は メルリンの後半部 (NF78C, residues 447-524) の「C 末端近く」にある。 従って、メルリン後半部のPAK遮断機能は、この "SER 518 を含むプチド" による可能性が極めて高い! 少なくとも、Ser 518 がAsp に置換された変異体は、燐酸化されたメルリンのごとく、抗癌作用を失うが、Ala に置換された変異体は、あくまでも抗癌作用を保持することが判明している:
Ezequiel Surace, Carrie Haipek & David Gutmann (2004). Effect of merlin phosphorylation on neurofibromatosis 2 (NF2) gene function.Oncogene 23, 580–587.
従って、「RUNX3」 の Thr 209 付近のアミノ酸配列 (=RMR) と「メルリン」の Ser 518 付近のアミノ酸配列との間に、何か「共通点」があるか否か、調べてみる (「水平思考」してみる) 価値は十分あると私は思う。。。両者の間に、一次配列的に、あるいは「3次構造的」に何らかの共通点を見つけることができれば、確実に「博士論文」 になる!
例えばの話 (一案) であるが、 メルリンのC末端、514番目から、525番目のアミノ酸12個からなる「MKR」と呼ぶペプチド、MKRL-S-MEIEKEK は、5番目に燐酸化されるSer 518 を含む。 更に、このペプチドの「K」を全部 「R」に変換すると、細胞透過性、および水溶性の極めて高い「MRR」と呼ぶ塩基性のペプチドになる: MRRL-S-MEIERER。 これがRUNX3 由来の「RMR」に、機能的に果して匹敵するかどうか、調べてみると面白い!

2021年10月12日火曜日

"道路" とはそもそも、一体誰のために作られたのか?
歩行者は、自動車や自転車の横暴を断じて許せない!


車のサイド ミラーを車の一部と意識していないドライバーが多い。 そして、それを電柱にぶつけたり、(挙げ句の果ては) 歩行者の肘などにぶつけたりする。 最近、東京の実家に住む妹 (76歳) から手紙が届き、(住宅地で) 後ろから来た車のサイドミラーで、右肘をひどく打撲した (ほんの "10 センチ" 差で、車にひかれずに済んだ!)、とこぼす。 良く考えてみると、車も妹も同じ側 を走る/ 歩く(左側通行をしていた) ことになる。 日本では、道路巾がひどく狭いから、「対面」 (車は左側、人は右側) を通行するルールになっているようだが、もうろくしたのか、妹は、杖をつきながら、ヨロヨロと (道路の) 左側を歩き (ルール違反!)、 事故にあった。 そこで、妹に「右側通行」を厳守し、自分の両目で、車が前方から近づくのを見ながら、歩行するように、(手紙で) 諌めた。
さて、 豪州では、道路が広いから、人も車も左側通行! しかし、小川に沿う 細い散歩道で、そのルールを守っていると、歩行者は、後ろから (下り坂を) 猛 スピードで飛ばしてくる自転車にしばしばひかれる! 我々歩行者 の背中には、 目がないからだ。 だから、我が輩は、豪州でも、自己/事故防衛のため、敢えて、 対面交通を守っている。馬鹿なサイクリストからは、しばしば 「ルール違反だ!」 とどなられるが。我が輩は「自分のルール」に従って、生き伸びざるを得ない!
そもそも、道路は大昔から先ず歩行者のために、作られたのだ。 敗戦後の昭和/平成時代には、 我が物顔で、マイカー族やサイクリストが道路を占領し、歩行者は、(特に、住宅 地では) 細 道の両側にある土塀に這いつくばって歩行をしなければならなくなっ た (特に沖縄の住宅地では、車道ばかりで、 "歩道" がない!)。 本末転倒のこんな理不尽を、(我々) 歩行者は断じて、もう許せない! (歩 行者にとっては) 車 (カー) も自転車も「走る凶器」以外の何物でもない!

2021年10月10日日曜日

孫文による「辛亥革命」から110年:
「台湾の独立」を (中共政府から) 守ろう!

1911年10月10日に、孫文を中心として、中国の「民主勢力」が、清国の封建政府を打倒するために、中国大陸各地で、武装蜂起して、12月29日に、遂に上海で、孫 文が「中華民国」政府を樹立した。その「中華民国」 政府は、1949年の中国共産党 (中共) 政府の革命により崩壊するが、離島の台湾にのみ自由主義を掲げる 「中華民国」政府が、今でも残っている。大陸の 「中共」政府は、香港の自由主義運動を弾圧しつつ、2025年を目標に、台湾政府を潰そうと、虎視眈々と狙って いる。。。台湾の「自由」と「独立」 を飽くまで守ろう!
実は、我が亡父の高校-大学 (京大) 時代からの親友に、台湾からの留学生がいた。本名は「許さん」 だが、日本風に「林」(はやし) さんと呼ばれていた。林さん は戦後、日本人女性と結婚して帰化し、「浅野」姓を名乗る。 その夫婦に、長女と長男が生まれるが、長男 (雅次君) は、我が輩と丁度同年で、同じ「日比谷」 高校に入学した。自由主義者の我が亡父は、戦前、日本軍による満州侵略に、強く反対すると共に、戦後、台湾の中共政府からの独立を強く支援してきた。。。
さて、台湾の首都「台北」には、我々の娘 (双子) の一人 (アイリス、英語教師) が、(台湾原住民で) 台北にある英語学校の上司 (イーミン) と結婚して、家族と 共に、もう10年近く住んでいる。 しかし、中共政府が無理矢理に台湾政府を攻略すれば、恐らく、自由を求めて、家族全体が台湾を離れ、豪州のメルボルンに移住せざるを得なくなるだろう。

2021年10月6日水曜日

たとえ「地球が温暖化」し続けても「PAK遮断剤」で、
長生き出来る! 酵素 "PAK" が健康長寿に必須である
"熱ショック蛋白" (HSP) 遺伝子を抑制しているからだ。

真鍋淑郎 (90) さんが、地球温暖化の予測で、とうとう物理学賞を受賞! 東大理学部 (地球物理学) で 博士号を取得後、1958年に渡米して、主にプリンストン大 学で半世紀以上、地球の気象を研究。
世界の総人口の92%は北半球に住んでいて、南半球には8%だけ! 言い換えれば、北半球の人口密度は南半球の11倍以上。1988年初めに、我が輩は、北半球のカルフォルニアから、南半球でも最も人口密度の低い豪州大陸 (メルボルン) へ、敢えて移住した。従って、(以来) 僅かながらも、北半球における 「人口過剰」 の解消に貢献したことになる。 さて、丁度その年、真鍋 (プリンストン大学) 教授は、雑誌「Nature」に、炭酸ガスによる北半球の(異常な) 気温上昇、いわゆる「地球温暖化」を、初めて指摘した。 間もなく、米国の副大統領だったアル=ゴアによる記録映画 「不都合な真実」 が全世界で上映され、地球温暖化に警鐘が鳴らされた! しかしながら、以後も地球温暖化は継続したままであり、直ぐに地球が冷却し始める気配は全くない!
さて、地球の温暖化を止めるには、最終的には、主に人類の総数 (人口) を大幅に減らすことが必要! しかしながら、コ ロナウイルスによる世界的な感染でさえも、世界の人口は、高々500-1000 万人だ け減少するに過ぎない。 100年前に流行した「スペイン風邪 」(人口の4分の1 が感染、死者は一億人を越え る) に比べれば、正に「焼け石に水」である。 従って、地球の温暖化が (我々の世代を越えて) 今後とも何世紀か継続することは「疑い無し」である!
前述したが、人類ばかりではなく、全動物界が健康に長生きするためには、生命現象 に必須な様々な蛋白を高熱による変性 (いわゆる「夏バテ」現象) から保護するため に、熱ショック蛋白(HSP) が必須であるが、この遺伝子の発現を、「PAK」 と呼ばれる病原酵素 (キナーゼ) が抑制していることがわかっている。従って、もし、地球温暖化に伴う「山火事」から距離を置くことができれば、(「衆愚」はともかくとして) 少なくとも (「先見の明」がある)「賢者」たちは、様々な (天然あるいは人工の) PAK 遮断剤を経口することによって、地球温暖化による「夏バテ」現象を未然に防ぎ、健康長寿を謳歌し得る。
ここで、線虫 (C. elegans) で観察した我々の実験例を挙げよう。 先ず、PAK欠損株は、野生株 (平均寿命=15 日) に比べて、(20度で) 6割以上、長生きし得る。 しかも、高温 (35度 ) では、野生株の平均寿命は "劇的" (24時間以内) に縮むが、PAK欠損株 (あるいは 我々が開発したPAK遮断剤 「15K」で処理された株) は少なくとも9日間は、生き延びることができる! ショウジョウバエの例でも、気温が10度上昇すると、平均寿命が4分の1 以下になるといわれている。 人類も (無策ならば) 恐らく、同じような運命になるだろう。。。従って、最終的 (1-2 世紀後) には、「衆愚」が選択的に絶え (総人口が激減し)、「賢者」だけが長生きする、というスミレーションが恐らく出てくる。。。我々は今世紀の日本に代表される「衆愚」政治 (安倍-すが-岸田) に飽き飽きしている。 従って、衆愚政治が最終的に無くなることを大いに歓迎したい!
1859年にチャールズ=ダーウインが発表した「進化論」(適者生存の原理) は、(退化した) 衆愚が絶滅して、(進化した) 賢者だけが生き残ることを、強く示唆して いる。。。

2021年10月5日火曜日

2021ノーベル医学賞: 「温度・触覚の受容体」の発見者に
これらの受容体は「PAK遮断」にも繋がる!

今年のノーベル医学生理学賞は、米国カルフォルニア州の研究者2人に授与される。受賞者は、米UCSFのデービッド・ジュリアス教授と、米Scripps 研究所のアーデム・パタプティアン教授。 業績は 「温度・触覚の受容体の発見」。熱さや冷たさ、痛みなどを感じる「温度センサー」 (TRPV1) や、皮膚にかかる圧力を感じる「触覚センサー」 を発見したことが評価された。
「温度センサー」 は、単に温度を感じるだけでなく、やけどや凍傷などの危険を避けるための情報を脳に伝え、命を守る役目もある。ジュリアス氏の研究チームは1997年、唐辛子の成分 「カプサイシン」 に反応して、痛みを引き起こすセンサーを見つけたと報告した。これが40度を超す熱にも反応したため、温度センサーの一種であることがわかった. TRPV1 拮抗体から、鎮痛剤などを開発する努力が長年進められているが、副作用 (温度感受性) を軽減するのが中々難しい。。。 我田引水になるが、"PAK 遮断剤" には、抗癌作用などがあるばかりではなく、高温にも耐性 (夏バテ予防) 、鎮痛作用もあるので、明らかにTRPVI 拮抗体よりも優れている!

実は、カプサイシンにも「PAK」遮断作用がある。2008年に韓国のグループによって、この物質が「PAK」を直接活性化するGタンパク質「RAC」を阻害することによって、「PAK」依存性の固形癌であるメラノーマの転移を抑制することがわかった。
「カプシエイト 」(「辛くない」誘導体)
「癌に効く、予防に良い!」と言われても、「甘党」の我が輩には、あんなに辛 いキムチを毎食ムシャムシャ食べるわけにはいかない。さて、1985年頃、矢 澤 進 のグループ(現在、京都大学農学部教授)が赤トウガラシの研究中、タイ 産の辛くないトウガラシを見つけ、「CHー19甘」と命名した。その後、京都 大学農学部教授の伏木 亨研究室や渡辺達夫 (現在、静岡県立大学) との共同研究 により、この変わったトウガラシには、カプサイシンの代わりに、その誘導体で あるカプシエイトが含まれていることが判明した。その構造上の違いは、カプサ イシン中にあるアミド結合が、カプシエイト中では、エステル結合になっている 。言いかえれば、アミド結合のアミノ基が酸素に置換してエステル結合になって いるに過ぎない。 両方とも同じレセプターに結合するが、カプシエイトは辛味の 感覚を全くもたらさない。しかしながら、カプサイシンと同様、交感神経を刺激 して、脂肪燃焼や体温上昇を促進する作用があることがわかった。
2006年には、これらのグループの共同研究によって、カプシエイトの経口投 与(10 mg/kg)を受けたマウスは、無処理のマウスに較べて、ずっと長時 間遊泳することができることが判明した。このスタミナ効果は、カプシエイトが 脂肪燃焼を促進することによって、グリコーゲンの消費を遅らせるためだ。
さて、カプサイシンやカプシエイトには、「PAK」遮断作用ばかりではなく、抗癌キナーゼ「AMPK」を活性化する作用もあることが2 005年に判明していた。「AMPK」活性剤は一般に、(グリコーゲンや糖の燃 焼の代わりに) 脂肪の燃焼を促する作用がある。従って、カプシエイトの「スタ ミナ」(持久力) 増強作用は、主に「AMPK」活性化によるのかもしれない。
仮に、オリンピックのマラソン競走、あるいは1500メートル競泳の決勝前に、 「キムチ」やカプシエイト(あるいは「CHー19甘」)をどっさり食べた場合、 「ドーピング法」違反になるだろうか? 往年の「フジヤマのトビウオ」古橋広 之進氏(80歳)が 十年ほど前、ローマで急逝されたそうだが、戦後まもなく古橋や 橋爪四郎が1500メートル競泳で活躍していた頃、豪州に大強敵が現れた。菜食主義者のマレー・ローズだ。ローズ(1939ー2012)は1956年のメルボルン五輪および1960年のローマ五輪の1500メートル競 泳で連勝して、圧倒的なスタミナを示した。その成功の秘密(兵器)は一体何だっ たろうか? その後、彼は米国のカルフォルニアに移住し、70歳を越えても 「マスター」部門の競泳で、あい変らず活躍していたが、とうとう白血病で亡く なった。 彼のあだ名は「稲妻の海藻」だっだ。 ワカメや昆布が主なスタミナ源 で、恐らく「PAK遮断作用のあるフコイダン」が原動力だったらしい。
さて、2003年にイタリアのジョバンニ・アペンディノらは、カプシエイトや その誘導体が抗癌作用を示すことを、少なくとも細胞培養系で確認している。従っ て、将来いつか、この辛くない「CHー19甘」をたっぷり食べて、癌やNFの 食餌療法が臨床に利用される日がくるかもしれない。日本では十数年前から、食 品会社「森永製菓」と「味の素」が共同で、「CHー19甘」製品を主に「体重 減量」促進剤(肥満対策の一環)および「冷え」解消剤として市販している。
「熱い温泉に浸かると、寿命が伸びる」と良く謂れる。体温の急上昇により、熱ショック蛋白 (HSP) 遺伝子が活性化され、(熱に弱い) 様々な「長寿蛋白」が 保護されるからである。しかしながら、HSP遺伝子の発現は通常、PAK により抑制されている。従って、温泉に漬かる前に、PAK遮断剤を経口すると、HSPの発現が 高まり易く、いわゆる「温泉効果」が倍加するはずである。。。

2021年9月27日月曜日

豪州の亜熱帯都市ブリスベンに避寒を目指す一老人の話

東京五輪 (2021年) 開催中に、豪州のブリスベンが2032年の夏期五輪開催地に落 着! さて、ブリスベンは、我々が住んでいるメルボルンから、海岸沿いに、約 1700 km 北上した (豪州では、メルボルンとシドニーにつぐ、第3 の) 都市 (人 口は、約200万人) にあり、冬でも温かい、いわゆる「亜熱帯気候の地」である。 日本でいえば、ちょうど奄美大島や沖縄列島に近い 気候。。。沖縄県の全人口 が150万人だから、それより、やや多くの人口を抱える大都市である。沖縄と違っ て、(バス以外に) 長距離 (夜行) 列車や市内(通学/通勤) 電車が、常時運転され ている文化都市。 ただし、市電は1960年代末まであったようだが、(残念ながら ) 東京都と同様、とうとう廃止になってしまったそうである。。。ブリスベンの 直ぐ南の海岸沿いに、「ゴールドコースト」と呼ばれる町並があり、日本からも 多くの引退した老人夫婦が、老後をゆったり楽しむため、住み着いているといわ れている。。。
さて、 メルボルン郊外に住む一風変わった知人の話をしよう。彼の愛称は「チャーリー」 だが、元々は東京生まれの「江戸っ子」である。 太平洋戦争の最中に、ドイツ 語を話す父親と、米語を話す母親から生まれた長男である。その後間もなく、2人 の妹が生まれた。。。 この三人兄妹は、ちょうど朝鮮戦争があった頃、集団小児 結核に感染し、5カ月の休学 (自宅療養) を強いられたが、幸い、母親の勤務先で ある駐留軍 (GHQ) から、特効薬 "PAS" を入手でき、九死に一生を得た! その 後、長男は、隣番地にある区立中学をトップで卒業し、都立高校「日比谷」で勉 学、東大薬学部で博士号を取得後、海外でずっと癌研究などを続けている。 米国 に10年、西独のマックス=プランク研究所に数年勤務後、はるばる赤道を渡って、 豪州のメルボルンにある国際癌研究所に20年近く勤務後、63歳で自発的に引退し、 我々が住むメルボルンの近郊にある一軒屋 (実は、1956年メルボルン五輪中の選手村) に、10年ほど昔、独身で移り住んでき た。 物静かな人物で、庭木を植えたり、塀や家の壁に、ペンキで壁画を描くのを、 趣味にしている。。。
チャーリーの (最大の) 悩みの種 (?) は、低血圧だそうだ。 メルボルンは南 極に近く、真冬になると、手足の血行が悪くなり、しばしば膝下に悪性の凍傷が できるそうである。そこで、引退後、毎年冬になると、北半球の日本や欧州の夏 に、3カ月ほど避寒する習慣になっていた。 ところが、昨年以来、コロナウイルス の世界的な感染により、海外渡航が難しくなってきた。そこで、今冬は、豪州内 の亜熱帯小都市「ケアーンズ」(ブリスベーンの更に北方、1700 km) に、2カ月強、 滞在した。しかしながら、(長期の) 滞在費用をけん約するため、(一泊 2000円の ) ユースホステル (ひと部屋に4人) に宿泊したため、酷いいびきをかく多くの客 に悩まされ、熟睡ができなかった!
そこで、来年 (冬) からは、ユースホステルを諦めて、(亜熱帯にある) 個人の安 い下宿に、長期滞在する計画を立てつつある。。。というのは、ブリスベーンに ある安宿は、あいにく「学生用」ばかりで、70歳を越えた老人には、利用できな い。そこで、チャーリーは急きょ、作戦を立て直した。。。先ず、主に老人で独 身を相手にした、いわゆる「デート」欄を、豪州内のon-line で探し当てた。そ こで、自分の略歴や趣味を掲載し、ブリスベーンに住む独身女性宅 (アパートか一 軒屋) の一室を冬期だけ3-4カ月ほど、下宿 (賃借り) をしたい、といういささか 奇抜な広告を載せた、そうだ。 場合によっては、(趣味や暮らし向きが一致すれ ば) 所帯を一緒に持つ可能性も仄めかした。 すると、毎日のように、40-70 歳ま での幅広い女性層から、問い合わせが殺到したという。。。その内から、チャー リーにマッチしそうなスイス系のドイツ人 (60歳) に絞ってみた。夫はアメリカ 人だが、数年前に自動車事故で、他界したそうである。この未亡人は、ブリスベー ン市内に (3つの寝室のある) アパートに住んでいるようだ。 意外にも「下宿代は無料で良い」と未亡人に言われ、チャーリーはいささか恐縮している。。。
未亡人には、20歳くらいの娘が独りおり、目下、スイス南部にある「シオン」と 呼ばれる美しい山麓の町 (フランス語を話す地区) で、祖母と一緒に暮らしなが ら、大学で法律を専門に勉強しているそうだが、来年に卒業後、ブリスベーンに 移住してくる予定だそうだ。 チャーリーは、この親子同様、ドイツ語と英語を 自由に話す。 ということで、来冬は、ブリスベーンで母子と一緒に避寒をする可 能性がある。 チャーリーは、若い頃、登山家 (アルピニスト) だった。機会があ れば、この娘と一緒に久しぶりにスイスを訪れ、シオンの山々をハイキングする かもしれない。。。この老人の奇抜なアイディアは、一部、エディー=ジェイク著 「世界で一番幸せな男」と、どうやら老人自身の昔の体験に由来するらしい。。。 首尾良く「歴史」を繰り返してみる 作戦 らしい。
因みに、下宿人が下宿の婆さんと(結婚はしないにしても) 所帯を共にする例は、 古今東西かなり多い。 「百名山」で有名な深田久弥の前妻は、児童文学者 (北畠 八穂) だが、離婚後、鎌倉に独り住んでいた。そこへ下宿してきた東大農学部出身の 書生 (下宿人) は、のちに「シートンの動物記」を初めて訳して有名になった白柳美彦だった。 結局、この女流作家が死ぬまで、30年以上、手厚く面倒をみたという。。。
コロナ感染が最終的に終息して、海外渡航が再び自由になれば、涼しい北海道 (例えば、道東の"釧路") の (夏の) 牧場で、毎年 3カ月ほど、避寒を楽しむという選択肢も出てくるが、一体いつの日になるかわからない。。

2021年9月12日日曜日

ベストセラー: エディー=ジェイク著「最も幸運な男」(The Happiest Man on Earth) : アウシュビッツ収容所で
生き残り、豪州に移住したユダヤ人の手記

著者は、百歳を越える豪州人であるが、その昔、ドイツの"文豪ゲーテ"や"作曲家バッハ" 等を生んだライプチッヒで育ったポーランド系のユダヤ人だった。 1938年にヒットラーがドイツで政権を取るや、ナチスによる全国的な「ユダヤ人の迫害」が開始され、著者を含めて、家族全体がいわゆる「ユダヤ人狩り」に遭い、ポーランド南部 (チェコとの国境近く) にあるユダヤ人強制収容所に送られ、著者自身とその妹以外の家族は、両親を含めて全て、ガス室で殺害された。 しかし、幸い、機械工のエディーは、過酷な強制労働を強いられながらも、辛うじて殺害されずに、数年間を収容所で過ごし、終戦を迎えて、いわゆる「ナチスによる死の行軍」から解放された。
その後、ベルギーで結婚して、豪州のシドニーに移住して、息子たち、 孫、曾孫を得て、幸せ、かつ健康な生涯を送った。 この手記は、迫害されて死亡していった数百万人のユダヤ人に代って、ナチスによる残虐な犯罪行為を暴露すると共に、その中で、ユダヤ人やその他の友人や赤の他人の助けによって、エディーが辛くも生き残って、最終的に幸福を掴むことができた 涙ぐましいいきさつを、我々読者に語りかけるものである。 最後に、如何なる困難下にも、常に希望を捨てないこと、他人に親切を施すことに喜びを感じることが、結局、自分たちの幸福に繋がることを、力説している。。。
今年7月に、この邦訳 (金原瑞人の訳書) が河出書房からようやく出版されたようなので、詳しくは、邦訳を参照されたし。「スガーリン」圧政下、コロナ慢延下に 苦しんだ多くの日本の人々にも、大いに共感 (参考に) できる作品 (表紙を比べると、邦訳のほうが原書より幸せそうに見える) 。。。恐らく、このベストセラーを読み終わった読者の大部分は (私自身を含めて)、 「私自身の方が、エディーよりずっと幸せだった) と、気付くだろう。
エディーは去る10月12日に、遂に101歳で、「自伝の表紙のような微笑み」をたたえながら、永眠したそうである。

2021年9月7日火曜日

シャリ=マークソン著: ( COVID-19を巡る) 武漢の真相:
ウイルス慢延以前にワクチン開発 (ウイルス兵器の準備)!

豪州のジャーナリスト、シャリ・マークソン(Sharri Markson)氏の新書『What Really Happened in Wuhan(中国語:武漢真相)』(来る9月28日に出版予定) は、米国務省の機密文書を引用し、中国当局は中共ウイルス(COVID-19)の大流行の前に、既にワクチンを開発していた疑いがあると示した。ワクチン開発を担っていた中国軍の科学者、周育森(Zhou Yusen)氏は、2020年2月24日に特許を出願したが、その約3カ月後に "不審死" を遂げた。 特許は、中国当局が国際社会に対して感染状況を発表した5週間後のことで、WHO が世界的な大流行 (パンデミック) を宣言した同年3月11日よりも早かった。
豪フリンダース大学のニコライ・ペトロフスキー(Nikolai Petrovsky)教授も、オーストラリアン紙に対して、中国当局が感染の発生を認める前、中国の科学者 はすでにワクチン開発に着手していた可能性があると話した。
同書によると、周育森氏は、米国のピッツバーグ大学医学部の博士後期課程に在籍していた。ニューヨーク血液センターと共同研究を行ったことがある。
最近の同紙の報道によれば、過去10年間に渡って、米国のNIH (国立衛生研究所) のウイルス研究所長 (トニー=ファウチ博士) らが、中国の武漢ウイルス研究所に、多額の研究助成金 (いわゆるグラント) を支給していたことも発覚した! 更に、驚くべきは、2019年12月上旬に、武漢でコロナウイルス感染が当局によって、発 表される以前 (11月) に、武漢ウイルス研究所の研究員3名が病院に入院したという事実が明らかにされた。 その患者の病名や運命は未だに不明。。。
周氏は中国の軍事医学科学院微生物流行病研究所で病原分子生物学研究室主任などを歴任し、武漢ウイルス研究所の石正麗氏の研究チームと緊密に連携し、「秘密の軍事活動」を行っていた。石氏は、コウモリ由来のウイルス研究の専門家として知られており、「バットウーマン」との異名をもつ。
2020年5月、周氏は突然死亡した。マークソン氏は著書の中で、周氏が死亡した時期や原因は不明で、死亡前に異常はみられなかったとした。また、昨年5月、中国 国内では周氏の死亡に関する報道はなく、同年7月になってから、同氏の死亡が報道されるようになった。
『武漢真相』は、2019年11月にウイルス学術誌「Journal of Virology」に投稿された研究論文を引用し、周氏らは遺伝子による中共ウイルスの操作に取り組んで いたと指摘した。同氏らのこの研究プロジェクトは、米国 NIH からの3つの助成金を取得していた。 (翻訳編集・張哲)
以上の情報から、(容易に) 推察されることは、中共軍が"米国政府"の資金を使って、新型ウイルス兵器 (COVID-19) を秘かに開発し、それを海外で (戦争のために) 使用する前に、前もって中国の自国民を感染から保護するために、ワクチンを開発中に、(誤って) 研究所からウイルス兵器が先ず国内に洩れ、武漢を中心にCOVID-19 のパンデミックが始まった。。。全くドジな (笑い事では済まされぬ) 話である! その結果、中国国内では、死者5千名弱、海外では、その千倍 近く (500万名) が生命を失った。。。 その結果、少なくとも米国ではトランプ大統領が退陣。 日本でも「スガーリン」が退陣して、中国としては、この「ウイルス」戦争で、一定の成果 (日米の経済大国に打撃) をもたらした、と言えよう。。。

2021年9月3日金曜日

青天のへきれき: スガーリンが退陣!
念願の「河野首相」誕生への道が開かれる?

来たる "自民党総裁選" (9月29日午後1時から) の本命は、河野 対 岸田 (早慶選) か? 河野太郎 (慶応出身) にとっては、総理の座は、祖父 (一郎、早稲田出身)、父親 (洋平、早稲田出身) に継ぐ「三代目の悲願 (三度目の正直)」! "決選投票" の結果は、午後3時40分頃に判明するとみられる。
さて、自民党は胎動しつつある「地滑り現象」を如何に杭止め得るか? 「原稿なしに自身の意見を発言できる」指導者の登場が待たれる。。。 "
「犬猿の仲」だったスガーリンと小池 (都知事) は、共同で五輪を強行し、「呉越同舟」! その結果、共に国民の"反感"を買って、言わば「島流し」(仲良く「墓穴」を掘り合う) ! 小池女史の「首相への道」は完全に絶たれた (自業自得)!

2021年9月1日水曜日

エドモンド=ヒラリー著: 「山頂からの眺め」 (1999年)

我が輩の少年時代のヒーローの一人、ニュージーランドの登山家「エドモンド=ヒラリー郷」 (1919-2008) が、エベレスト初登頂の成功から半世紀ほど経った1999年に、一種の回顧録 「View from the Summit」を出版した。 勿論、山頂とは、世界最高峰エベレストの頂上 (海抜 8850 m) を指す。 もう20年近く昔に読んだ名著であるが、ケアーンズの図書館で最近、この本を懐かしく見つけたので、その序文をここで紹介したい。 なお、この(邦)訳本は、何故か未だ出版されていないので、詳細は英文原書 (約370ペー ジ) を参照されたし。
(序) これは、私のある種の回顧録、つまり我が79年間にわたる様々な活動を400 ページ弱に濃縮したものである。 私自身の見解は、我々の仲間のそれと、必ずしも一 致しないが、当時我が目でハッキリ観察したものである。
私は大いに幸運に恵まれ、一定の成功を修めたが、(我が妻子の事故死や登頂相棒"テンジン"の病死などの) 悲しみも仲間と共有してきた。45年以上前に、私がエベレスト山頂に到達して以来、メディアは私を英雄扱いしてきたが、私自身は、常に自分自身の能力に限界を感じつつ、我が業績は、他人との協力による想像力やエネルギーの賜物だったと感じている。
少年時代、私は一種の夢想家で、多くの冒険物語を読みふけり、独りで長い山歩きを楽しんだ。 当時、私の前途に、幾多の興奮すべき冒険が待ち受けているとは、 想像だにしなかったし、長年の間に多くの栄誉を受ける運命になることも予想していなかった。 私は幸運にも、各国の女王や王女、大統領や首相に面会する栄誉 を受けたが、恐らく最も貴重だったのは、様々な文化圏や民族の人々と緊密な友情を暖め合ったことであろう。
勿論、冒険は人生にとって貴重であり、私も一連の大冒険を乗り越えてきたが、より貴重な体験は、ヒマラヤの友人 たち (シェルパ族) のために、成し遂げた様々 な活動 (慈善事業) を遣り遂げることができたことだ。 これらの活動も、別の意味で、大きな挑戦だった: 山岳地帯に空港や学校、病院や診療所の建設、奥地にあ る仏教の寺の再建など。。。私は、これら一連の活動を、決して忘れないだろう。
(注): この原著が出版されてから数年後 (2003年) に、ヒラリー郷と共に、エベレスト初登頂に成功したシェルパのテンジン=ノーゲイの孫にあたる登山家夫婦 (豪 州シドニー在住) が、英文原書「TENZING AND THE SHERPAS OF EVEREST」を出版。 その邦訳「テンジン: エベレスト登頂とシェルパ英雄伝」を我々の手で、出版した経験がある。 地元のシェルパ民族側から見たエベレスト登山の意味や意義を理解する一助になるだろう。

2021年8月29日日曜日

「コロナ」ワクチンの「交差接種」は可能かつ有効!

一回目にアストラゼネカ製ワクチン、2回目に別 (例えば、ファイザー製) のワクチンを接種するという、いわゆる「交差接種」案を、河野大臣は厚生省と共に、 目下検討中であるようだが、我々「ウイルス/免疫学」専門家の見解によれば、可能であり、かつ有効である! 何故なら、現在、市販されているコロナワクチンは全 て、ウイルスの「スパイク蛋白」を生産し、それに対する抗体を惹起させる作用があるので、別のメーカーの製品でも、抗体生産効果は、ほぼ同じであるからで ある。 我が輩自身も豪州で、一回目のワクチン (アストラゼネカ製) 接種を受けてから、「副作用」 (横腹に痛み) を感じたので、2回目は (副作用の少ない) ファイ ザー製のワクチンを接種してもらう予定である。 豪州では (日本とは逆に) 、ファイザー製のワクチンの供給が不足がちなので、我々 "老人" には中々回ってこない。。。

2021年8月23日月曜日

横浜市長選: スガーリン陣営が野党推薦の山中氏に大敗!
「スガーリン」は「賞味期限が切れたパンケーキ」だ!

「スガーリンの賞味期限が切れた」ことは、明白! 秋の総選挙が楽しみ。。。9月29日の自民党総裁選では、一体誰に 「首を挿げ替えるか」が最大焦点になりつつある。 岸田か河野か? もし、自民党が挿げ替えに失敗したら、有権者が総選挙 (10月中旬) で、「与野党の挿げ替え」をするだろう。。。 先ず、自民党幹事長 (二階) の挿げ替えが先決!
我が輩は海外生活が半世紀近いが、未だ日本の旅券を保持しているので、総選挙や参議院選挙では、メルボルンの日本領事館で、在外投票が出きる。 その昔は (大田区民だったので) 小選挙区は東京2区だったが、2015-2017年に一時沖縄住民だったため、現在は (米軍基地が多い) 沖縄2区 が小選挙区になっている。沖縄は、いわゆる「革新 (特に社民党) 最後の牙城」 (スガーリンとは、特に仲が悪い) 。 ということで、今秋の総選挙 (スガーリンに一矢を報いるチャンス) を大いに楽しみにしている。。。
スガーリンの頭中では、総裁選を先にするか、総選挙を先にするか、どちらが自分の「地位安泰」により寄与するか、小手先の「延命作戦」のみに苦慮しているよ うだが、「自分の賞味期限が既に切れている」ことを自覚してもらいたい、 と国民の大半は感じている。詳しくは、「スガーリン」政権の実態に迫ったドキュメンタリー映画「パンケーキを毒見する」 (7月30日から一般公開) を観賞 (毒味) しよう (次の"Youtube" サイト で "無料" 毒味ができる) !
https://www.youtube.com/watch?v=NXmqhe5VKx4

2021年8月20日金曜日

避寒地「ケアンズ」の南方にある
岩山「ピラミッド」に初挑戦!

7月の上旬以来、真冬 (極寒、雨天) のメルボルンを避けて、3400 km 北方にある亜熱帯のケアンズに避寒中。昨日は朝から快晴だったので、ケアンズから列車で南に30分、 Gordonvale 駅から、徒歩で一時間の地点にあるキャンプ場を通過後、更に3。5 km にある海抜 900 m 強 (高尾山より高いが、丹沢山よりは低い) 「ピラミッド」と呼ばれる岩山の頂上 (詳しくは、右側の添付写真参照) に初挑戦。 実は、毎年8月の第3 土曜日 (明日にあたる) に恒例の「ピラミッド登山レース、全長12 km、16歳以上」が開催される (優勝者には、賞金10万円!) が、今年は、あいにく(予報によれば) 雨天の週末になるので、我が輩は 雨中のレースを避けて、単独行を試みた。 ただし、行き帰りの列車が一日にたった一本 (午前9時にGordonvale 着、午後4時にGordonvale 発) なので、持ち時間=7時間以内に山登りを完了して、駅へ生還する必要があった。。。
体全体の老朽化のせいか、めっきり足首も弱り、 登山の途中、何度か岩に蹴つまづき、よろけながら、何とか定刻15分前に駅へたどり着き、駅前の木陰にあるベンチにどっかと横になり、そよ風に吹かれながら、しばしの休息を楽しんだ。駅の真ん前に大きな砂糖きび (製糖) の工場があり、吹き出す白い煙 (蒸気) から甘い香りが漂ってきた。 ふと、半世紀ほど (米国留学) 前の夏休みに、初恋の同級生と一緒に (北アルプス) 槍-穂高縦走を楽しんだ懐かしい思い出が甦ってきた。。。10年後には、西独ミュンヘンの "Max-Planck 研究所" に滞在中、南ドイツの国境にあるアルプシュピッツェ (アルプスの槍、海抜2600 m 強) にも、一緒に挑戦した。 「ああ、我が愛しのクレメンタイン」という1950年代の名画 (ヘンリー=フォンダ主演) の主題歌が、どこからともなく聴こえてきた。。。ふと我に帰ると、遠くからボーッという汽笛を鳴らしながら、帰りの (ブリスベンからの夜行) 列車が駅の構内に近付きつつあった。
因みに、この岩山は、地元に住む日本人の間では、「ケアンズ 富士」 と呼ばれているそうだ: https://lina2.hatenablog.com/entry/walshspyramid 海外にある我が「百名山」の一つ。。。
蛇足になるが、8月21日に予定されていたレースは (雨天のためではなく) "コロナ" (Lock-down) のため、9月4日に延期された!

2021年8月18日水曜日

アントシア二ン (赤や紫系統の植物成分) :
PAK遮断作用でCOVID予防や健康長寿!

ハイビスカス茶 (赤い花に含れているアントシア二ン) 等が健康長寿を促進すると、前述したが、ハイビスカスに限らず、赤や紫系統の植物 (例えば、赤キャベツ、 ブルーベリー、水瓜 など) には、PAKを遮断するアントシア二ンが豊富に含まれており、COVID の感染を予防したり、癌などの腫瘍を予防/治癒する働きがある。最 近、中国の上海の研究グループが、線虫を実験対象にして、緑色のキャベツと赤/紫のキャベツのエキスを比較し、赤/紫エキス (5%溶液=50 mg/ml) は、(例えば) 沖縄産プロポリス同様、heat-shock 蛋白 (HSP-16) 遺伝子を活性化し、寿命を3割も延ばす作用があるが、緑色エキスには、延命効果が全くないことを証明した。

2021年8月16日月曜日

「決定的瞬間」を逃すな!

前述したが、「決定的瞬間」 (Decisive Moment) とは、かの有名なフランスの写真家、カルチエ=ブレッソン (1908-2004) の言葉である。 20世紀を代表する写真家である。彼は小型レンジファインダーカメラを駆使し、主にスナップ写真を撮った。彼は愛用のライカに50mmの標準レンズ、時には望遠レンズを装着して使用。 1947年にはロバート・キャパ、デヴィッド・シーモア、ジョージ・ロジャーと共に国際写真家集団「マグナム・フォト」を結成。 我が亡父もアマチア写真家の端くれで、ブレッソンの大ファン、愛用のライカ (35 mm) で、暇を見つけては、スナップ写真を取りまくった。 最も有名なブレッソンの作品集は、1932年から1952年に撮影された写真を集成し1952年に出版された『決定的瞬間』(英題:The Decisive Moment、仏原題:Image a la sauvette(「逃げ去る映像」の意))!
さて、 決定的瞬間はスナップ写真に限らない。 我々の人生航路の中で、何度か「決定的瞬間」が訪れる。 問題は、それを瞬時に掴むか否かである。 亡父曰く、 "チャンス" という女神には、前髪しかない。 近づくのを待ち受けて、とっさに前髪を掴まないと、逃げ去る。。。 我が人生で、最初の決定的瞬間は、1977年に米国研究留学中に訪れた。 当時、米国の総合医学研究所 (NIH) で、土壌アメーバの運動に関与するユニークな単頭ミオシン (ATPase) の活性化に必須な蛋白を探索していた。 さて、同じNIHキャンパス内で、ヒトの血小板の凝集に関与する双頭ミオシンの活性化に必須なユニークなキナーゼ (燐酸化酵素) が発見された直後であった。 このキナーゼによって、血小板ミオシンの "軽鎖" が燐酸化されると、ミオシンATPase がアクチンによって、活性化され 、凝集が起こる。
そこで、私は、その単なる延長 (水平思考) として、アメーバのミオシン軽鎖が、血小板キナーゼや、アメーバの酵素によって、燐酸化されるかどうかを試してみたが、残念ながら、 結果は"ネガチブ"だった! 通常は、そこで「話は終り」になってしまうのだが、その瞬間、ある (他人の目からは「非常識な」) アイディアが閃いた! 「ひょっとすると、ミオシンの "重鎖" が燐酸化される?」
当時、ミオシンの軽鎖と重鎖と分離するには、SDSポリアクリル (ディスク) ゲル上で電気泳動後、細長いゲルを上端から下端まで、一定の長さに切り刻み、各々 の切片を「プランチェット」と呼ばれる小さな皿中で、過酸化水素により分解し、各々の皿に残る (ATP 由来の) 放射性アイソトープ (32P) を、ガイガー探知器で 測定することによって、燐酸化した場所 (鎖) を特定するという原始的手法が一般的に使用されていた。 その方法で、軽鎖 (下端) にはアイソトープは皆無だったことを確認後、さて、ゲルの上端にある重鎖に、一体アイソトープがあるかどうかも、(ダメモトで) 調べてみた。 驚くなかれ、手元のガイガー探知器がガーガー鳴り始めた! つまり、アメーバのキナーゼは、実は、世にも不思議な「ミオシン重鎖キナーゼ」だった! その日は土曜日だったが、私は地下にあったアイソトープ実験室から、一気に階段を駆け上がって、3階にあるボス (コーン博士) のオフィスに駆け込んで、結果を報告した。 17年後に、シンガポールで、同じようなキナーゼが哺乳類にも発見され「PAK」 と命名された。
因みに、このSDSポリアクリル (ディスク) ゲル電気泳動法 (SDS-PAGE) は、米国ハーバード大学のドイツ人、クラウス=ウエーバー (1936-2016) とその奥さんメアリー=オズボーンによる発明 (1969年) である。1972年に結婚後、 夫妻は、他の様々な発見をしたが、我々生化学者 (特に私) にとっては、このSDS-PAGE の貢献度が最も高い!

2021年8月10日火曜日

今秋に総選挙: スガーリンの「無策」が
厳しく問われる!

コロナ禍を無視、五輪強行により、スガーリンへの支持率は最低 (30% 以下) に落ち込んだ。 衆議院議員の任期は今秋 (10月)に切れるから、総選挙は直ぐ間近! スガーリンの「国民無視」、不誠実な政治運営が厳しく問われるに違いない。。。有権者にとって、自分の意見をハッキリ表明する「最大のチャンス」が到来! 先ず、(スガーリンの御膝元) 横浜における市長選挙 (今月下旬) の結果が楽しみ!

2021年7月30日金曜日

高温多湿 ("蒸し風呂"状態) : 2021東京 (夏期) 五輪で、
"極東勢" (中国や日本など ) の活躍が目立つ要因!?

2021東京 (夏期) 五輪 (少なくとも最初の一週間=前半) で、"極東勢" (中国、日本、韓国など) によるメダルの量産が目立つ最大の要因は、恐らく、いわゆる「猛暑」 (特に「蒸し風呂」的な高温多湿状態) にある、と言われている。 欧米諸国の選手は通常、「蒸し風呂」状態で、競技する経験が余り (殆んど) ないからである。 つまり、コロナ感染拡大と猛暑の組み合わせ=「最悪」状態で、極東勢は、「漁夫の利」を得ている、という批判 (妬み) が高まっている。。。"ダーウインの進化論" によれば、単に「適者生存」の結果であろうが、さて、(残りの) 後半では、一体どうなるだろうか? (徐々に高温多湿に慣れた) 英米勢が躍進しつつある。。。
皮肉にも、男子100 m-200 m 競走では、日本勢が全員、予選で失格! 100 m 決勝で金メダルをさらったのは、イタリアの混血ダークホース、ラモン=ジエイコブス (9。8 秒) !200 m 決勝では、カナダのデ=グラッセ (19。6秒) が金メダル!
ようやく、札幌で開催された陸上競技 (20 km 競歩) で、日本勢から銀メダル (池田、東洋大出身)、銅メダル (山西、京大出身) 取得者が誕生した! なお、 京大出身者が五輪の陸上競技でメダルを取得するのは、ベルリン五輪 (1936年) の田島直人 (三段跳びで金メダル) 以来、85年振りの快挙! 「文武両道精神」は未だ生きている。。。
参考までに、7年前に、東京五輪の「蒸し風呂」状態を警告していたゴルファー(デューク石川) のブログ! ゴルフ競技は炎天下、延々4時間にわたる「耐久戦 」(マラソンよりずっと「タフ」) ! https://duke.sakuragolf.co.jp/?p=
恥ずかしい話だが、マラソンランナー/登山家/競歩者の我が輩自身は、その昔、ゴルフは (主に老人/女性向けの) 「軟弱なスポーツ」だと、ずっと勘違いしていたが、実は「自転車ロードレース」並 の "タフなレース" であることに、最近ようやく気付いた次第である。。。結局、五輪女子ゴルフで 稲見萌寧が銀メダルを獲得!
さて、本日から我が待望の「陸上競技」が開始される。。。"侍ジャパン"が、五輪野球で、米国を2-0で破って、初優勝!
五輪の最終競技、男子マラソン (札幌)では、「哲学者」の異名を持つケニアのキプチョゲ (リオ五輪のマラソン王者、世界記録保持者) が、2位に大差をつけて、二連覇 (ローマ、東京で連覇したエチオピアのアベベにつぐ大偉業) ! 面白いことには、彼の身長 (167 cm) 、体重 (57 kg) は、小柄な我が輩 (いわゆる "骨皮筋衛門") と全く同じ。。。キプチョゲの夢は「ランニングを通じて、争いのない健康な世の中を作ること」。我が輩自身の夢は「PAK遮断剤で、全世界に健康長寿をもたらすこと」。 

2021年7月28日水曜日

「Lady Finger」 Banana (モンキーバナナ) の皮エキス:
PAK 遮断作用あり! バナナ (甘蕉) の皮を捨てるな!

マレーシア原産の小型バナナ (モンキーバナナ、Lady Finger Banana) の皮には、Ferulic Acid (FA, 9 mg/g) などを含む "美白"作用 (メラニン合成を抑える作用) 物質が豊富に含まれていることが、2、3 年前に、タイの首都バンコックにある大学の研究グループによって、明らかにされた。 さて、我々は数年前に、メラニン合成には "PAK" が必須なので、(プロポリス等) 様々なPAK遮断剤によって、皮膚のメラニン合成/沈着を抑えることを報告した。 そこで、甘蕉の皮エキスの "美白" メカニズムを、更に詳しく調べた結果、案の定、このエキスが、主に "PAK" を遮断することによって、メラニン合成を抑えていることが判明した! 従って、理論的には、このバナナの皮を煎じて (熱湯抽出して)、煮汁を(冷まして)皮膚に塗れば、NF1 の皮膚腫瘍 (いわゆる 「ブク」 ) の増殖を抑えることが可能であろう。。。勿論、COVID 感染の予防にも有効である! 蛇足かもしれないが、モンキーバナナ以外に、"砂糖大根" (甜菜) にも、FA が豊富に含まれている (8 mg/g) そうである。
さて、FA は、コーヒー酸のメチル誘導体で、プロポリス中のコーヒー酸やArtepillin C (ARC) 同様、あいにく「カルボン酸」を含むため、細胞透過性が悪い。 そこで、近い将来、例の 「Click Chemistry 」(CC) によって、(ケトロラック同様) 1,2,3-Triazolyl エステル化して、その薬理効果を大幅 (100-500 倍 ) に飛躍させることが可能だろう。。。

参考文献: Naphichaya Phacharapiyangkul et al.
Effect of Sucrier Banana Peel Extracts on Inhibition of Melanogenesis through the ERK Signaling Pathway. Int J Med Sci. 2019;16:602-606.

2021年7月26日月曜日

五輪 (自転車女子) で大番狂わせ: 
「ダークホース」の "数学者" が金メダルをさらう!  

(毎日新聞 2021/7/25 から転載)
自転車女子ロードレース界の頂点に立ったのは無名の“リケジョ”(数学者)!
英国の名門ケンブリッジ大 (修士課程) で数学を学び、現職はスイスのロザンヌ連邦工科大学のポスドク。 サイクリング=レースを専門に始めたのは、スペインのカタラン工科大学 (博士課程) 時代 (2014年) 。 しかも、世界ランキングは目下、94位の "アマチュア" という、アンナ・キーゼンホファー(オーストリアのウイーン工科大学出身)が、25日に行われた東京五輪の自転車女子ロードレース (全長 137 km) で、3時間52分45秒で金メダルに輝いた。
「25位ぐらいに入れればと思っていた。まさかこんなことになるとは」と本人さえ驚く番狂わせだった。なにしろ、複数の選手がエースをサポートして、上位を狙うのがロードレースの常識だからだ。しかも、周りはプロばかりだというのに、強豪国ではないオーストリアの選手は一人だけ。孤立無援の逆境を打開するために、名探偵ポアロで言うところの「灰色の脳細胞」 (Grey Matter?) がフル回転した。導き出した最適解は「自分は短い距離を一人で走るのが得意」という序盤からの大逃げだった。
当初は5人のグループを形成したが、名のある選手たちが次々と脱落。それでも、脚が止まらなかったキーゼンホファーが一人残った。残り10キロほどになると勝利を確信し、笑顔を見せながら走る。最後は両手を突き上げて、フィニッシュした。
「灰色の脳細胞」とは、英国の推理作家アガサ=クリスティの作品に登場する名探偵 "エルキュール=ポアロ"が、「優れた洞察力を持つ自身の頭脳」を指していう言 葉。 我田引水になるが、PAKを遮断すると、脳が灰色になる (脳がフル回転) !

2021年7月24日土曜日

「ディル」と呼ばれるハーブの効用:
PAK遮断作用 (NF にも効く?)

避寒中のケアンズの安宿で、メルボルン出身のある高齢者 (元英語の教師で「学識」が高く、市立図書館にやってくる常連の一人 !) から偶然にも (間接的に) とても有益な知識を学ぶ機会を得た。 実は、彼に、赤ワインには、PAK遮断剤であるレスベラトロールが含まれているから、飲み過ぎなければ、COVID などの感染予防に有効、という話をしたところ、早速、近くのスーパーから赤ワイン (スペイン産) を入手してきて、一緒に「乾杯しよう」と言ってきた (彼は片言ながら、日本語を喋る!) 。その際、ワインだけでなく、白いソフトチーズ (カマンベール?) と「ディル」(Dill) と呼ばれる緑のハーブまで、添えてくれた。
感激しながら、私はワイン、チーズ、ディル の組み合わせを味わった後、興味本意ながら、"ディルには、一体どんな効用があるのか?"、早速 On-line で調べてみた。驚くなかれ、ディル (和名はイノンド) の示す一連の薬理作用 (抗炎症作用、鎮痛作用、利尿作用、シャックリを止める作用など) から、このハーブには、明らかに "PAK遮断作用" があることが判明した! 意外な発見だった。。。 従って、(モズクなどの海藻やハイビスカスの赤い花などと同様) ディルの黄色い花や葉っぱを煎じて飲むと、NF (神経線維腫瘍) も治る可能性がある。
ただし、最寄りのスーパーで調べてみたところ、(モズクや野菜と違って) 「ディル」はかなり高価なハーブ (たった 15 g が 250円、ハイビシカス茶の2倍!) である。。。 この発見 (Dill=PAK blocker) について、翌日、その元英語教師 (Andrew) に話したところ、スーパーで 「(賞味) 期限切れ」のディルは、たった60円で入手できると、「特売の極意」を教えてくれた! Andrew は学識のみならず、「生活の知恵の塊まり」でもあった。。。

2021年7月23日金曜日

五輪の英雄: エミール=ザトペック (チェコの「機関車」)
1952年ヘルシンキ大会で三冠 (5千、一万、マラソン)

戦後初めての「平和を象徴する」夏期五輪は、フィンランドの首都ヘルシンキで開催された。この大会で、世界の観衆を最も沸かせたのは、小国チェコスロバキア出身の長距離走者、エミール=ザトペック (1922-2000) だった。いかにも苦しそうな表情で疾走する「人間機関車」という異名を持つザトペックが、得意の5千メートル、一万メートルばかりではなく、初めて走るマラソンにも優勝し、世界の長距離界をあっと言わせた! 私は当時、未だ10歳足らずだったが、ザトペックに憧れた。 翌年の1953年5月末に、世界最高峰エベレスト (海抜8850m) の初登頂に成功したエドモント=ヒラリー (NZ) とテンジン=ノーゲイ (ネパールのシェルパ族) と共に、瞬く間に世界スポーツ界のヒーローとなった。
目下、避寒中のケアンズにある市立図書館で、Richard Askwith 著の評伝「Rise and Fall of Emil Zatopek」 (2016) を読書中であるが、ザトペックは五輪で大活躍したばかりではなく、1968年に起こったソ連軍によるチェコの首都プラハの占領時に、それに反対/抵抗するドブチェック首相と共に、いわゆる「プラハの春」運動にも積極的に参加したため、結局、(ソ連当局により) 英雄の座から引き降ろされ、隠退 (実は石切り場で強制労働) を強いられる運命になる。。。
最後に紹介したいのは、ザトペックの (選手仲間/後輩に対する) 優しい心使いの一端を象徴するあるエピソードである。 1964年の夏期五輪 (東京で開催) から2年後の1966年の夏に、サトペックが豪州メルボルン出身の長距離走者ロン=クラーク (メルボルン五輪の最終聖火走者) をプラハで開催予定の競技に招待した時の事である。 当時、クラークは5千メートル、一万メートルの世界記録を次々に大幅に塗り変えた長距離界のヒーローだった。しかしながら、不幸にして、(4年毎に開催される) 五輪や英連邦競技大会などで、とうとう金メダルを獲得する機会に恵まれなかった。 それを気づかって、ザトペックは空港でクラークを豪州へ見送る際に、茶色の紙に無造作に包んだ小さな贈り物をクラークにそっと手渡して、こう言った。 「これを大事にしてくれ給え。君には十分その資格がある」。 その包みをいぶかしく思って、飛行機に乗る直前に、空港トイレの便器に腰掛けながら、その小箱をそっと開けてみると、何と、ザトペックがヘルシンキ五輪で獲得した3つの金メダルの一つだった。 箱の内側にザトペックのサインがあった! それをみて、クラークは便器に座ったまま、大先輩の温かい心遣いに、感極まってホロリと涙を流した!
「戦後最悪の五輪」といわれる2021年東京夏期五輪が、とうとう明日から強行される。さて、一体どんな英雄がこの大会から誕生するだろうか? 最終聖火走者には、「多様性」を強調して、テニスの優勝候補である大坂なおみが選ばれた。 彼女の決勝への健闘を祈りたい!

2021年7月18日日曜日

"My Life: Queen of the Court" by Serena Williams (2009) 「回顧録: テニスの女王」(セレーナ=ウイリアムズ著)

ケアンズ滞在中に、市立図書館で、極めて感銘深い伝記もの (回顧録) を見つけたので、目下読書中である。 著者は米国の黒人プロテニス選手、セレーナ=ウイリアムズ。ごく最近まで、女子テニス界の「女王」 と言われてきた人物が、自分の過去 (半生) を振り返って、後進のために綴った回顧録である。 もし、大坂なおみがこの回顧録を読んでいたら、きっと 「2018年」 の全米テニスで (セレーナを決勝で破って) 優勝以来、なおみを精神的にずっと苦しめている葛藤 (2021年の全仏テニスで試合後の記者会見を拒否、試合棄権! etc) から、速やかに解放されるだろう、と私は確信する。 実は、セレーナ自身も (直接の原因は別としても) 同じような精神的葛藤に悩まされたが、結局、ある転機を掴んで、見事にカムバックしたからである。それは、端的に言えば、恐らく「追う」立場から (初めて頂点に達して) 「追われる」立場になった時点に起こる様々な精神的な圧迫である、と私は思う。 残念ながら、未だ邦訳が出版されていないようなので、その「さわり」をここで紹介したい。
セレーナは、1981年にカルフォルニアに住む黒人夫婦の5人目の娘として誕生し、1、2 歳年上の長身ヴィーナスについで、女子テニス界の女王となった。 5歳頃からテニスを始めた2人の娘の名コーチは父親 (リチャード) 自身だった。先ず、姉のヴィーナスが1998年の全豪テニスで、妹セレーナを決勝で破って、女子テニス世界で最初の「黒人」出身の女王に輝いた! 翌年の全仏、全米で遂に、妹のセレーナが姉に代わって、テニス界の女王になった。2002年には、全仏、全英 (ウインブルドン) 全米で、セレーナが三連勝し、最初の「セレーナ黄金時代」を築いた。 2003年には全豪でも初優勝 (遂に4大大会を制覇!) 後、ウインブルドンで、姉ヴィーナスを再び破って優勝し、正に「破竹の勢い」だった。ところが、その直後に一連の危機が、突然訪れた! ハイヒールでダンス中、転倒して、膝を脱臼し手術を受け、療養 (リハビリ) 生活が始まった。そして、最愛の長姉 (31歳) が事故死で、あっと言う間に、あの世に逝ってしまった! さて、 2004年に入って、セレーナは、ウインブルドンで決勝まで進んだが、マリア=シャラポーバ (ロシア) にストレートで敗け、全米テニスでは、準準決勝でジェニファー=カプリアッチ (米) にもあっさり敗れ、再起のチャンスが閉ざされたかに見えた。 2005年の全豪で、久し振りに優勝を飾ったが、 以来「丸2年間」 (2007年の全豪まで)、優勝から遠ざかる運命になった。。。
このブランク期間を埋めたのが、母親や2人の姉たちとのアフリカ西岸への「慈善友好」旅行だった。 特に、黒人奴隷売買の中心地となったセネガルとガーナへの旅だった。 自分たちの祖先が、その昔、奴隷商人たちによって、捕獲、売買されたアフリカの故郷を訪ね、旧植民地に住む貧しい人々や子供たちに、助けの手を差し伸べる事業に、セレーナは初めて積極的に参加した。「セレーナ=ウイリアムズ中学校」の創設や、マラリア特効薬の寄付、子供たちへのテニスの指導など、一連の慈善活動を通じて、セレーナは初めて、人生に (テニス以外の) 「新たな目的 (生き甲斐)」を発見した! 南ア初の黒人大統領 (ネルソン=マンデラ) からも、力強い激励を受けた! それが、2007-2008年に始まる彼女の 「テニス界カムバック」 への熱い原動力 となった。 2008年の北京五輪で、姉ヴィーナスと組んで、ダブルスで優勝した後、全米テニスでヴィーナスを準々決勝で破ったセレーナは、決勝でエレーナ=ジャンコビッチをもストレートで破って、ついに 「世界ランキング一位」 に舞戻った! こうして、新しい女王「セレーナ」が再来! 以来、2017年の全豪で7度目の優勝を飾るまで10年間近く、セレーナの「第二の黄金時代」 が続く。。。結果的には、2017年の妊娠で、「セレーナ時代」 は、遂に幕を閉じることになった。
最後に、2018年の全米テニス決勝で、(なおみに) 敗けたセレーナが、主審に激しい言葉 (「嘘つき」, 「泥棒」など) で食ってかかって、「なおみの表彰式を台無し」にしてしまったことに対して、セレーナは後に、なおみに手紙で深く詫びている: https://www.thetennisdaily.jp/news/off-court/2019/0039176.php
片や、大坂なおみは, 自身のメンタルヘルスを守るために 「全仏テニス」 を棄権以降、競技から離れているが、8月30日に開幕する 「全米」 の前哨戦 となる 「モントリオールテニス」 に出場する予定。 大坂は7月24日にスタートする 「東京五輪」 (女子の決勝: 7月31日) で、「全仏」 以来の大会に参戦後、カナダで開催の大会でWTAツアーへ復帰する形となる。

2021年7月16日金曜日

豪州の真冬 (7-8月) を、初めてケアンズ (亜熱帯) で避寒!

ケアンズは豪州東岸の最北端に近い、ヨーク岬半島の付け根付近に広がる珊瑚海に 面する港湾都市 (人口は、約16万人) 。背後に「グレートディヴァイディング」 (大陸分水嶺) 山脈が控えている。従って、山あり、海ありの「冬期に人気」のあ る観光地。 クインーズランド州の首都ブリスベン (人口は、約250 万人) から1700 km 北 (夜行列車で25時間! 飛べば 2 時間) 。 ブリスベンは、メルボルン や シ ドニー (人口は、いずれも500 万人以上) につぐ豪州3番目の大都市で、2032年の 「夏期五輪」開催都市として立候補中。。。
豪州の南端近くにあるメルボルンの真冬を避け、7-8月は、豪州でも亜熱帯に属す るケアンズ (メルボルンから3400 km 北上) で "避寒" (命の洗濯) 中! 日本で言えば、横浜や 神戸をスケールダウンして、亜熱帯 (南緯17度) に移したような観光地。 例年は、 北半球 (日本や欧州) で避寒していたが、コロナ禍 (2020-2021 年) のため、海 外渡航が禁止され、コロナ感染なしのケアーンズ市内にある安宿 (ユースホステ ル、一泊2000円) に逗留。 宿から歩いて10 分ほどの市立図書館の脇に、亜熱帯 特有の「Curtain Fig Tree」、 日本では、バンヤンツリー (ハワイ産) とか ガ ジュマル (沖縄産) とか呼ばれている、があったので、思わず撮影した!

2021年7月5日月曜日

都議選: 自民公明が過半数を割る! 都議会で、緊急動議により、「五輪中止」 あるいは無期延期 (「コロナ」終息まで) を議決できないのか?

「都民ファースト」が真に都民の福祉を優先するならば、「五輪中止」を決議すべき! もし、それができないならば、党名を「都民ラスト」と改名すべき! 小池さん、 如何ですか?

2021年6月18日金曜日

「コロナ」禍で「五輪強行」は、太平洋戦争時の 「万歳突撃」に等しい。 突撃前から「勝敗」は明らか!
天皇陛下も「五輪開催に反対」!  

政府要人はバンカーに避難できるが、都民は戦渦を真っ向から浴びる。 この戦渦に生き残った有権者で、政府与党に投票する「馬鹿」はいない! 敗戦後、最高責任者「東条」は処刑され、日本国民は、いわゆる「マッカーサー憲法」に従った。。。都民の世論に反して、五輪が決行されれば、当然のことながら、「誰か」が真っ先に "血祭り" に上げられるだろう。。。来る6月25日 ("都議選" 告示) に、「小池劇場」の開幕が迫る! 手元にあるシナリオによれば、五輪は XX, 小池氏は (都知事) 再選に出馬せず, 来るべき総選挙及び総裁選に出馬, となっているが。。。
米紙 etc、天皇陛下も「五輪開催に反対」と報道:  
米紙"ワシントン・ポスト" (及び英紙"ガーディアン") は 6月24日、東京五輪・パラリンピック開催によるCOVID 感染拡大を「天皇陛下が懸念されている」と、宮内庁の西村泰彦長官 (東大法学部出身、2016年以来 "宮内庁" 勤務) が「拝察」(以心伝心)! 頼みの小池都知事が "静養" (仮病?)のため、(国民に代わって) 天皇が自ら、意見を表明した、と我々は解釈する。 スガーリンは果して、天皇 (=日本国民全体の象徴) の意志を無視して、五輪を強行できるだろうか? 驚くなかれ、天皇は(東京)五輪の "名誉" 総裁を務めている! "常識"に従えば、 総裁の意向を無視する (勝手な) 動きは有るまじき! 江戸末期ならば、将軍「スガーリン」は、正に「朝敵」! 「五輪中止」で、遂に「明治維新」が再現されるか。いわゆる「五輪コロナ」が "襲来" すれば、開催中に「玉音」により「中断」(無条件降伏) も有り得る! そうなれば、当然ながら、内閣は「総辞職」に追い込れる! ひょっとすると、国民の "9割" 近くがそれを (秘かに) 期待しているかもしれない。。。「スガーリン」は、明らかに危ない「綱渡り」を試みている。一体 "誰" が綱を切るか?
仮に「五輪強行」になったとしても、試合中に "選手同士が直接ぶつかり合う" 闘技 (ボクシング、レスリング、柔道、空手など) や 球技 (バスケ、サッカー、ラグビー、ホッケー、水球など) は、 "2021" 五輪種目から 「当然」 除外すべき! 東京五輪を目前に、柔道家の山口香さん(筑波大出身、ソウル五輪で銅メダル)が JOC の10年間の任期を終え、理事を退任したが、 JOCの中で唯一人、コロナ禍の五輪開催に懸念を表明してきた。
特に "警戒すべき" は、英国やイスラエルでの最近調査によれば、既成のCOVIDワクチンは、目下猛威を奮っている 「インド型 (デルタ) 変異体」には、効かないようである!
日本の自衛隊や米軍 (沖縄駐屯) は、戦車や戦闘機はもっているだろうが、明らかに「医学馬鹿」なので、「五輪開催」に伴って、海外からどっと押し寄せてくる「コロナ津波」をとても防御できない! 言い換えれば、「日米安保」 は見えない「敵」 (中国やインド由来の最新兵器) には、 全く役に立たない。

2021年6月17日木曜日

ヒノキ材由来の「PAK遮断剤」: ヒノキチオール や
Diflavonoid であるHinokiflavone (HNK)

"ヒノキ造りの湯船に漬かると健康長寿になる" と昔からいわれている。 その生物学的な根拠は、一体どこにあるのだろうか? ヒノキ材には、独特の良い香りがする。その源は、ヒノキの幹に存在する揮発性のヒノキチオールや Diflavonoid であるHinokiflavone (HNK) による。 驚くなかれ、(2020年に発表された上海の研究グループによる論文に従えば) HNK には、木蓮由来のHK やヒノキチオール同様、PAKを遮断し (IC50=15 micro M) 、抗癌、抗炎症、抗菌など一連の薬理作用などがある! ごく最近の論文によると、COVID の予防/治療にも有効らしい。 従って、ヒノキ造りの湯船に漬かると健康長寿になる、というのは、単なる伝説や風呂屋の宣伝ではない。
なお、精油「ヒノキチオール」は、東北大学出身、台北帝国大学(現在の国立台湾大学)教授の野副鉄男 (1902-1996) により、1936年に台湾ヒノキから発見された。 ヒノキチオールの「PAK 遮断作用」を巡っては、 2004年に、この精油により (PAK 依存性の) メラニン合成が抑えられる (IC50=10 micro M) ことが, 韓国ソウル大学の研究グループにより発見されていた。 しかし、"メラニン合成のPAK依存性" を、我々が初めて発見したのは、2015年頃なので、それまでは、この精油のいわゆる「美白作用」のメカニズムは不明のままだった!
私は数年前、富山市内に (避暑と登山のため) 滞在中に、岐阜県 (木曽) の奥/西穂岳の山麓、蒲田川畔で、とある山荘に一晩泊り、初めて「ヒノキ造りの湯船」に漬かるという体験をした。 もっとも、そのヒノキ造りの湯船は相当古いものらしく、肝心のヒノキチオールや「HNK」 はとっくの昔に、全部蒸発 (あるいは浴湯で抽出) されてしまっていて、いわゆる「森林浴」にはならなかった、と思うが。。。巷には、「森林浴」用の「ひのきエキス」スプレーのなどが通販されているようである。

2021年6月13日日曜日

木蓮 (magnolia) 由来フラボノイド (Honokiol): PAK遮断剤

2、3カ月前だが、あるNF 患者 (豪州の西海岸パースだったか、ギリシャのクレタ島だったか) から、木蓮由来のフラボノイド (特にHonokiol、HK) を、皮膚にできる良性腫瘍 (いわゆる「ブク」) の治療に使用しているという話を聞いた。そこで、早速、その薬理作用について調べてみたところ、10年ほど昔、米国のジョンス=ホプキンス大学の研究グループによって、染料 "メチレン=ブルー" と同様、 HKが抗癌キナーゼ (LKB1) を介して、PAKを遮断していることが、明らかにされていることが判明した (IC50=10 micro M)。海外では、木蓮エキスとして、既に市販されているようである。伝統的には、木蓮の樹皮からエキスを調製しているようであるが、香り高き「花」にもHK が存在しているようである。実は、かなり前から、ピンク色の花が咲くmagnolia を我が家の庭に、植林する計画があったが、色々な理由で延び延びになっていた。 ごく最近、近所の隣人の家で、孫が誕生したのを記念して、ピンク=マグノリア の苗木 (高さ 1 m 弱) を入手して、念願の植林が実現した。 既に "つぼみ" が幾つか出ており、初春 (3 カ月後) の開花を楽しみにしている。。。木蓮は、日本では (北海道や東北など)「 北国」の花として知られているが、豪州では (南端に近い) メルボルンやタスマニア島の花として親しまれている。
Arumugam Nagalingam, Jack L Arbiser, Michael Y Bonner, Neeraj K Saxena, Dipali Sharma. (Johns Hopkins Uni). Honokiol activates AMP-activated protein kinase in breast cancer cells via an LKB1-dependent pathway and inhibits breast carcinogenesis. Breast Cancer Res. 2012; 14(1): R35.

2021年6月7日月曜日

遺伝学的実証: NF2 腫瘍の増殖はPAKに依存し、
かつ "PAK欠損" (マウス) 株は長生きする!
従って、人類もPAK遮断剤で「長生き」できるはず!

稀少難病NF2 (良性脳腫瘍) は、抗腫瘍遺伝子NF2 の機能不全により発症する。この事実が発見された直後 (1993年) に、我々はNF2 遺伝子が一連の"RAS癌" (スイ ゾウ癌、大腸癌、肺癌等) の増殖を抑えることを発見した:
A Tikoo, M Varga, V Ramesh, J Gusella, H Maruta. An anti-Ras function of neurofibromatosis type 2 gene product (NF2/Merlin). J Biol Chem. 1994; 269: 23387-90.
更に、我々は、2000年になって、RAS癌の増殖には、PAK1 が必須であることを発見し、2003年末には、 NF2 (メルリン) が PAK1 阻害蛋白であることを発見した。 2007年頃に、我々はPAK遮断剤の一つであるプロポリス等によって、NF2 腫瘍の増殖および転移が抑制されることを、少なくともマウスモデルで証明し、 NF 腫瘍のプロポリス (Bio 30) による治療を開始。
しかしながら、NF2 の増殖が実際に「PAK依存」であるという、直接の遺伝学的証明は未だなかった。 ごく最近 (本年6月) 、NF2 遺伝子/PAK1遺伝子ダブル欠損株 (マウス) で、NF2 腫瘍の増殖が抑制されると共に、「PAK1欠損株」マウスが長生きすることが、米国のインディアナ大学のチームによって、証明された。 詳しいデータは未だ発表されていないが、NF2 腫瘍がPAK依存性で、"副作用のない" PAK遮断剤 (プロポリスや沖縄フコイダンなど) によって、十分治療しうることが確立した!
Eric Hawlet , Jeffrey Gehlhausen , Sofiia Karchugina , et al. PAK1 inhibition reduces tumor size and extends the lifespan of mice in a genetically engineered mouse model of Neurofibromatosis Type 2 (NF2). Hum Mol Genet. 2021 Jun; ddab106.
前述したが、(水溶性の) PAK遮断染料である 「メチレンブルー」 (MB ) は、水槽中の魚の感染保護ばかりではなく、「うがい薬」として、虫歯予防や歯痛の緩和にも使用されているので、人畜無害! 目下、プロポリスや我々が開発したPAK遮断剤「15K」同様、MB が少なくとも線虫の寿命を延ばすことを実証中! なお、線虫の「PAK1欠損株」(RB689) が野生株より6割も長生きすることは、2013年に我々が実証済み!
Yanase, S., Luo, Y., Maruta, H. (2013). PAK1-deficiency/down-regulation reduces brood size, activates HSP16.2 gene and extends lifespan in Caenorhabditis elegans. Drug Discov Ther. 7: 29-35.
COVIDの場合、これまで、2億人が感染、その 2% (400 万人) が死亡。世界の人口 (約80億人) の中、NF (NF1/NF2) 患者は、その3千人に一人 (つまり 300 万人弱) である。 従って、COVID で死亡した患者数にほぼ近い。 よって、”稀少難病” とはいえ、その治療は膨大な仕事/課題である。 しかしながら、幸いにも、一連のPAK遮断剤で、COVID もNFも共に治療しうる! しかも、PAK遮断療法は「健康長寿」に通ずる。 これは、21世紀における医学上の「大発見」と言えよう!

2021年5月31日月曜日

問題提起: 全仏テニスで 大坂、記者会見を拒否! 何故?

我が輩の個人的な意見によれば、下らないインタビューに一々応じる必要はないと思う! 私はテニスの実況放送で、試合後のインタビューの時間になると、テレビを消すことにしている。 "得ること無し" だからだ! 従って、大坂なおみが、どんな個人的な理由であるにせよ、インタビューを断わる権利がある、と確信している。「インタビューを拒否する者は、失格だ」という極論を発する者もいるようだが、その神経/理性を疑う。もし優勝したら、短いインタビュー (余興) に応じるのもよかろう。。。西織は「インタビューに応じるべき」と主張している。なるほど、昔の彼の惨めな (片言の) インタビューに比べて、受け答えは上達したが、悲しいかな、(老骨のためか) 本業のテニスの質はかなり落ちている。 ファンとしては、非常に失望している。 テニスの観衆は、プロのテニス選手による "コート上の素晴らしい演技" を楽しみにしているのであって、"下らない余興" (記者会見) を聴きに来ているのではない!
大坂は結局、全仏大会を、2回戦から棄権する決定をした。テニスの4大大会(全豪、全仏、ウィンブルドン、全米)主催者は試合後に共同声明を発表し、大坂の行動を「違反行為」と認定。全仏側から大坂に1万5千ドル(約165万円)の罰金を科した。 私は、「選手の基本的人権」を無視する横暴な大会主催者の措置に抗議したい! 彼らの態度はIOC幹部と同様、商業利益だけを優先し、"Humanism" (人道主義) を全く欠くからである。 思いやり (スポーツマンシップ) のないレースは、 丸で競馬やドッグレースを観るようで、全く味気ない! 古代スポーツは (主に) "戦闘訓練" の一部だった (男性のみ!)。医学的に言えば、"近代" スポーツは本来、「健康増進」(健康長寿) のためにある。 古代ローマ時代のコロシウムで開催された、「Gladiators (戦士) 達による殺し合い」とは違う! 今日の "プロ" スポーツの在り方が、今、強く問われつつある。。。
さて、女子 (トップシード) のアッシュ=バーティー (豪州) は、大坂による記者会見拒否に批判的で、「自分の体調は100% ではないが、会見に問題はない」と嘘ぶいたが、実は体調は50%以下らしく(ポーランドの選手 Linette との2回戦の第一セットを 1-6 で落とし) 棄権! この実例でも、「記者会見が如何に無意味 (欺瞞) である」かが分かる! こうして、(対照的な) 女子のトップ2名が棄権したため、ポーランドの新人 (IGA) が去年についで、連勝する可能性があったが、準準決勝 (QF) で惜しくも敗退! 女子プロでは、波乱が続く。。。結局、アッシュ (豪、Aboriginal 出身) がウインブルドンで初優勝した! 1980年にイバン=グルゴン (豪州、Aboriginal 出身) が優勝して以来の快挙!
豪州で、ある悪名高き「与党」政治家がしばしば使う「撃退」法: 「野党」議員からの質問に対して「I am sorry I have no comment on your "specific" question. Next question, please!」 こんな押し問答を何度か繰り返した後、「Thank you for your coming! Good Day (Sayonara) !」。餌を全く与えないと、(飢えた) 鳩も記者も諦めて、もはや群がって来なくなる! "試合に敗けた" 選手の気持ちを配慮できぬ (冷血な) 記者には、「ノーコメント」で 十分だ!
大坂は、少なくとも一つ、女子テニス界で姉御 (大先輩) に当たるセレナ=ウイリアムズから学ぶべきことがある。 2002年以来十数年間にわたって、女子の王座を占めてきた彼女の (分厚い) 「ポーカーフェース」である。 鬱病に悩んでいたのは、大坂独りではない!
プロテニスは、世界的なプロスポーツの中で唯一「個人競技」である。 野球、バスケ、サッカー、ラグビーなどは団体競技だから、「個人的な」記者会見がない。日本の個人プロスポーツである大相撲は、「男性のみ」であり、記者会見はあってもごくアッサリしている。 だから、いわゆる「大坂事件」に発展しない。 従って、プロテニス選手は、政治家「スガーリン」のごとく、質問を巧みにかわす術を心得ないと、「大坂事件」に発展する。。。 スガーリンは「テニス」が下手だ (質問に答えない=用意された原稿を棒読みするのみ) という、評価はいみじくも当たっている。。。
とうとう、ロジャー=フェデラも主催者側の "高姿勢" に不満を表明して、3回戦を終えて、残りの試合を棄権!!
最後に、我田引水になるが、鬱病は "PAK依存性" である。従って、プロポリスや沖縄フコイダンなどのPAK遮断剤で治療/軽減しうる!
Naomi, We will give you our unreversed support. 大坂はウインブルドンも棄権して、(東京) 五輪に集中する模様#。。。
大坂は「ハードコート (全米/全豪) の女王」。今後の課題は 芝コート (ウインブルドン) とクレーコート (全仏) を克服すること。。。
#疑問:
("アマチュア" スポーツの祭典であるはずの) 「五輪」に "プロ" テニス選手が出場できる制度が良く理解できない。。。 メダルを受け取っても、 "賞金"を受け取らなければ、「アマチュア」と認定されるのか? もし仮に、今夏「五輪」が強行されれば、昨年全仏で初優勝したポーランドの女子選手 (19、クレーコートの女王) と大坂なおみとの対決がみられるかも (女子の決勝: 7月31日)。。。 五輪のテニスはプロではないので、「記者会見」抜きでやろう!

2021年5月28日金曜日

四面楚歌: 1940年、中国との戦争 (日本軍による満州侵略) のため、日本は「五輪」を返上! 以後、1952年のヘルシンキ大会まで、まともな五輪は再開されず!
目下、「四面 "コロナ" の凱歌」(死者350万以上)!
「五輪」は当然、中止すべし! 「鎖国」さえ必要!

にも拘らず、五輪を強要する「IOC幹部」の目は「節穴」なのか? 都民が「凡ゆる犠牲」を払って(=屍を乗り越えて)、「五輪」 (夏祭り?) を続行するメリットは、一体どこにあるのか?
"どこの誰" が「五輪」開催で 得をするのか? 利する者には、"五輪強行" に伴うコロナ犠牲者 (死亡者、失職者など) に「損害賠償」を支払う「覚悟」が一体あるのか?
「小池劇場」のシナリオから: "五輪中止" 後の「永田町」風景?
小池都知事と「スガーリン」とは、いわゆる「犬猿の仲」。 五輪中止のボタンを押せるのは、都知事のみ。 そこで、最近用意された「小池劇場のシナリオ」によれば、6月の都議選挙直前 (つまり、五輪開幕一か月前) に、「中止」を宣言して、小池さんが知事を辞職し、後任 (副知事の女性) にバトンを渡す。勿論、高姿勢を続けていたバッハ (IOC会長) は、不意の「アッパーカット」を食らって、リング外に吹っ飛ぶ! アワを食った「スガーリン」も内閣を総辞職し、総選挙に突入する。 当然ながら、負け犬の「スガーリン」が選挙で大敗する。勝ち猿/馬の小池候補は、東京地方区に立候補して、記録的な得票で、当選する。 自民党の総裁選挙では、恐らく、河野太郎と小池さんの一騎打ちとなるだろう! もしかすると、日本初の女性首相が誕生するかもしれない。。。少なくとも政界を牛耳る「二階」氏の5月発言 ("五輪" に関するつぶやき) や小池氏との会見 (密談) は、ポスト「スガーリン」(賞味期限切れ) の行方を明らかに示唆している。。少なくとも "IQ=100" (平均!) 以上の有権者には、明白! 「スガーリン」の特技は「魚釣り」といわれている。しかし、最近、魚がさっぱり釣れなくなった! 餌 (賄賂) の質が悪くなったのか、或いは、魚の "IQ" が高まったのか?

2021年5月26日水曜日

「京大」卒の田島直人、ベルリン五輪の跳躍で金と銅!
三拍子揃った「文武両道」とは?

1936年8月、 (戦前最後の) オリンピック大会がベルリンで開催された。水泳の"前畑秀子"や、マラソンで (当時植民地統治下にあった) 朝鮮出身の"孫基禎"の金メダルで有名なこの大会で、この年3月に京大経済学部を卒業したばかりの"田島直人"が、三段跳びで16m00の世界記録を出して金メダルを獲得。このとき、同競技で銀メダルを獲得したのも、同じくこの年3月に法学部を卒業したライバル同志の"原田正夫"。
また、田島は (本職の) 走り幅跳びでも、銅メダルを獲得。田島は京大出身の秀才で、ドイツを流暢に喋ったため、中京大学で、ドイツ語の教授に招聘されたこともあった。
田島はいわゆる「文武両道」のお手本になるような人物だったばかりではなく、女性へのアクション (対応) にもすこぶる敏だった!つまり、「三拍子」揃った理想的な人物のよう。 田島の妻、麻(旧姓:土倉)は1932年ロサンゼルス五輪の陸上競技 (100m X 4) リレー選手。直人 (20歳) と麻は、ロサンゼルスに向かう船上で知り合う。ベルリン五輪後、結婚へゴールイン! 長女は和子(結婚後の姓は小池) 。麻と和子は、1964年東京五輪でコンパニオンを務め、和子は、マラソンで優勝したアベベ・ビキラに表彰式で金メダルを渡している。
田島は1956年に、メルボルン五輪の陸上コーチとして、豪州を訪れた。 残念ながら、日本の陸上陣は「メダル無し」だったが、水泳では、古川 勝 (男子200m平 泳ぎ で金)、 山中 毅 (男子1500m、400m 自由形で、 豪州の王者「マレー=ローズ」についで、 各々銀) など、体操では小野 喬 (東京教育大、 男子鉄棒で金、総合で銀) などが活躍した。 2年後、喬は、同郷/同僚の体操選手 (清子) と結婚。 小野 喬も (田島直人と同様)、どうやら「三拍子」揃った人物!
蛇足ながら、東大医学部の内山さくらは"筑波大付属高" 出身、つまり"東京教育大" 出身の小野夫妻の後輩に当たる。 従って、「さくら」もそのうち、良い伴侶を陸上部で見付ける可能性あり! 例えばの話だが、ある若い医学生が、ハタと三段跳びに興味を抱いて、先輩「さくら」にコーチを依頼してきた。2、3年後、その青年は、丁寧なコーチのお蔭で、めきめき記録を伸ばして、「インカレ」で優勝を争うレベル (16-17m) に達した。。。
『論語』の開巻第一に出てくる言葉:
子曰く、学びて時にこれを習う、亦(ま)た説(よろこ)ばしからずや。朋あり遠方より来る。又楽しからずや。

2021年5月23日日曜日

東大陸上部、「文武両道ぶり」を発揮! 関東学生対校
選手権で、医学部の女子選手 (6年) が初優勝!

通称「関東インカレ」の女子三段跳びで栄冠に輝いたのは、東大医学部6年の内山咲良(さくら)(筑波大付属高出身)。 決勝に進み、2度目の跳躍で12メートル 86を記録し、首位に立つ。元々は走り幅跳びの選手。大学3年の時に出場した三段跳びで好成績を残し、4年の春からこの種目で急成長。自己ベストの13メートル00を、その年の日本学生陸上対校選手権(日本インカレ)で出す。今夏の東京五輪は「コロナ」禍のため、どうやら「お流れ気味」("都民全体の命"が先か、"IOC/スガーリンの面子"が先か、で決まる! 「小池劇場」のシナリオは、既に出来上がっている) ! だから、 2024年のパリ五輪を目指そう! 我が後輩、(東大) 男子陸上部 (長距離) も発奮せよ!
1954年、"マイル 4分"の壁を初めて破ったのは、英国オックスフォード大学の医学生ロジャー=バニスター (1929-2018) だった! 彼は、その上、「米寿」 (健康長寿) も全うした! 「スピード」にやや欠ける選手は、距離を伸ばして、「粘り」で勝負せよ! 走幅跳びから三段跳びへ「ギアチェンジ」するのと、全く同じ理屈 (水平思考) ! 同様に、早熟ではない "学者" 諸君は、(我輩のごとく) 「大器晩成」ペースで勝負せよ!
今週の一句:
ただ一つ 三段跳で さくら咲く (東大の応援歌を知れば、その意味は歴然!)
"三段跳び" の記録:
日本(女子)学生記録 13m69 花岡麻帆 (順天堂大学) 1998年

(男子):
世界 記録、18m29 ジョナサン・エドワーズ (英国) 1995年
日本記録、 17m15 山下訓史 (日本電気 ) 1986年
(女子):
世界記録、15m50 イネッサ・クラベッツ (ウクライナ) 1995年
日本記録、14m04 花岡麻帆 (三英社 ) 1999年
つまり、三段跳びの記録は、21世紀に入って、一度も更新されていない!
言い換えれば、三段跳びは今「人材不足」(穴場である!)。 その「穴場」を見事に突いたのが、内山選手 (東大) ! 実は、その昔、三段跳びは日本人の「お家芸」と言われていた。日本の織田幹雄 (早稲田) は1928年アムステルダム五輪で15m21を跳び、日本人として初めて、金メダルを獲得。更に、南部忠平 (早稲田) は、1932年ロサンゼルス五輪の三段跳に出場し、15m72の世界記録を樹立し金メダルを獲得。1936年のベルリン五輪では、田島直人 (京大) が16m00の世界記録を樹立、金メダルを獲得して、日本が三連覇!
従って、短距離走者の "スピード" があり、且つ "ジャンプ力" があり、その上、Hop, Step, Jump を巧みにこなす "頭脳の持ち主" には、(穴場の) 三段跳に挑戦してみることを大いに勧めたい!

2021年5月22日土曜日

林璃菜子さん(高2)、京大医学部に「飛び級」入学!
「南女」 (名古屋) 出身、国際化学五輪で銀メダル!
大学では「 研究医」をめざす。。。

「南女」 (南山学園高女) はカトリック系だが、京大の「自由な校風」を生かして、その有機化学や医化学の知識を更に研磨しつつ、全人類の「健康長寿」のために、 "PAK" 遮断剤などの発掘や開発をめざして、貢献されることを、大いに期待して止まない。

2021年5月20日木曜日

海の幸: 魚類と海藻 (鬼に金棒) による「健康長寿」法
ビタミンD3 (魚類) とフコイダン (海藻) の相乗作用!

20年以上昔 (1997年)、 米国デンバー大学の研究グループが、せんちゅうに大量のビタミンD3 (2。5 mM=1 mg/ml) を与えて、寿命を35% ほど延長するのに成功した。しかしながら、その濃度は、我々のPAK遮断剤 「15K 」の有効濃度 (50 nM) の何と50、000 倍だった。 実は、(2年ほど前に) 前述したが、ビタミンD3 もPAK 遮断剤の一種であるが、体内で容易に代謝 (酵素 「CYP24 」によって、水酸化)され "不活化" する。 そこで、ビタミンD3 の代謝を抑えるいくつかの対策が立てられつつある。
その一つは、CYP24 抵抗性のビタミン D3 誘導体 を開発することである。 10年ほど昔、帝京大学薬学部の橘高教授の手で、そのような誘導体「MART-10」が抗癌剤として、開発された。この誘導体は、マウス実験では D3 の抗癌作用の (少なくとも) 1000 倍だった。 もう一つの試みは、CYP24 阻害剤 「CTA 091」 (IC50=10 nM) が、2010年ごろ、米国ジョンス=ホプキンス大学のポスナー教授らにより開発された。
第3 のアプローチは、「CYP24 遺伝子の発現がPAK 依存性」であることを、逆手に使う方法である。つまり、 CYP24 抵抗性の非ステロイド系のPAK 遮断剤 (例えば、市販のプロポリス、沖縄フコイダン、納豆由来の「ビタミン K2 」など) とD3 を併用するという方法。
さて、 第1 と第2 の方法は、残念ながら未だ市販されていないので、実用化には、未だ相当時間がかかるが、 "最後のアプローチ" (二者の相乗効果を狙う、いわゆる「鬼に金棒」) は、既に市販されている安価な天然物、例えば「魚類 (サケ、マグロ、サバなど) に豊富なD3」 と「(モズクなどの) 海藻由来のフコイダン」 との組合せなので、即、実行に移せる! 癌/NF 治療、認知症やCOVID 対策のみならず、全ての人類の「健康長寿」に、これら「海の幸」を是非役立てて欲しい。。。
蛇足になるが、2016年の琉球新報 (記事) によれば、"OIST" の研究グループにより、沖縄 "モズク" の全ゲノムDNA配列が解明され、フコイダンの生合成過程に必須な "3つの酵素" が同定された: https://ryukyushimpo.jp/news/entry-332212.html
従って、モズクの養殖に代って、「フコイダンの工業 (醸造) 化」が可能になった!
最近、ヤクルト薬品では、沖縄モズクを原料に、「ヤクルトフコイダン」なる胃潰瘍薬を販売しつつあるが、近い将来、フコイダンの醸造を開始するかもしれない。。。 https://www.yakult.co.jp/ypi/product/fuco.html

2021年5月16日日曜日

シドニー=ブレナー (1927-2019) :
線虫を実験材料にする研究の草分け

今日、(我々を含めて) 「健康長寿」に関して研究する人々の9割近くが、実験動物として、線虫 (C.elegans) を選ぶ。 その主な理由は、小動物の中で、最も寿命が短い (20度で2週間) からである。 哺乳類で最も寿命が短いのは、マウスで、2年半 (線虫の60倍!)。 その昔、寿命の研究は、主にショウジョウバエを研究材料に使用してやられていたが、その平均寿命は、約3カ月 (線虫の6倍!)。ショウジョウバエは飛び回るが、線虫には羽根がないので、飛び回る心配もない!
この 線虫に、1970年代の中頃、初めて目を付けたのは、南アフリカ生まれの分子生物学者、シドニー=ブレナーである。 当時、英国のケンブリッジ大学付属の分子生物学研究所 (MRC) の所長をしていた。 彼はそれまで、バクテリオファージや大腸菌を実験材料にして、いわゆる分子生物学をリードしていたが、ある日、この微小 (全長1 ミリ) の透明な線虫 に魅せられて、 単細胞生物からすっかり足を洗って、この多細胞生物 (全体で、約千個の細胞からなる) に乗り換えた!
丁度、その頃、私自身は米国のNIHで、土壌アメーバのミオシンを燐酸化する珍しいキナーゼ (後に「PAK 」と命名) の研究をしていた。 ブレナーは、透明な線虫の「神経組織の地図」を作成することを目指していたが、当初はいわゆる 「UNC」 (麻痺) 変異株の大部分が「ミオシン」に変異をもっていたので、学会でブレナーと会う機会がしばしばあった。 その後、彼は、線虫の全ゲノムの塩基配列の解明などに成功し、2002年に弟子のサルトンなどと、ノーベル医学賞を分かち合う。 その後、線虫研究者が続々 "ノーベル受賞" をしたので、線虫は「ノーベル賞への近道」といわれるようになった! 線虫の遺伝学により、(この生物には存在せぬ) 心臓、肺臓や脊髄などを除く殆んど全ての臓器の機能を、遺伝子レベルあるいはその産物 (蛋白) レベルで、説明できるようになった。 つまり、「多細胞生物」に関する分子生物学が、初めて誕生したわけである!
2005年頃、シドニーが座長になって、沖縄に、英語を公用語とする「沖縄科学技術大学院」 (OIST) を創立することになり、彼の英文自伝 の訳本 「エレガンスに魅せられて」 を、私は彼の弟子だった丸山一郎さんと共訳で、琉球新報から出版する機会を得た。 私自身が線虫を扱い始めのは2007年の夏で、"PAK" 欠損株の Phenotype (表現型) を初めて追究するためだった。 そして、幸いにも、この株が「長寿」であることを発見し、とうとう「健康長寿 への糸口」を掴んだ! 2019年4月に、ブレナーは隠遁先のシンガポールで、92歳の長い生涯を安らかに閉じた。。。皮肉なことに、彼は「医学部」出身ながら、医学、病気、薬の開発などには、全く興味を示さなかった。 彼は「好奇心の塊まり」のような純粋生物学者だった。 しかし、(線虫を選 んだ) 彼の「先見の明」に、我々「後進者」は大いに負うところが少なくない。。。

2021年5月15日土曜日

例外: "少子化" を伴わぬ健康長寿が
「SUL 阻害剤」により可能!

「健康長寿には、一般に少子化を伴わう」と前述した。しかしながら、ごく最近、その「例外」が現れた! スペインの研究グループによれば、せんちゅうの変異株で、SUL遺伝子を欠損した株は、野生株に比べて5割ほど長生きするが、産卵数に変化がなかった。 SUL は「ステロイドホルモンを硫酸化する酵素」で、ステロイドの効果を失わせる働きを持つ。
面白いことには、SUL は主に (皮膚や神経細胞など) 「感覚細胞」に発現し、生殖細胞には発現しないので、産卵には影響を与えない。 更に、硫酸化ステロイドの合成誘導体であるSTX64 やSTX213 (=SUL 阻害剤) により、せんちゅうの寿命を延ばし、更に認知症などの症状を軽減することも判明した:
Mercedes M Pérez-Jiménez , José M Monje-Moreno, Ana María Brokate. et al. Steroid hormones sulfatase inactivation extends lifespan and ameliorates age-related diseases. Nat Commun. 2021; 12: 49.
更に、STX64 (IC50=10 mg/kg) やSTX213 (IC50=1 mg/kg) 等には、マウス実験で、(乳癌などに対して) 抗癌作用があることが実証されているので、腫瘍が "ステロイドホルモン依存性" ならば、その治療にも役立つ。 なお、2000-2004年に最初のSUL 阻害剤 「STX64 及び STX213」を抗癌剤として開発したのは、英国 Oxford 大学の Barry Potter 教授である。 彼は、2015年に退官したが、「SUL 阻害剤が健康長寿にも役立つ」というニュースにきっと喜んでいるに違いない。。。彼のチームと共同で、「SULPAK」という会社を創業し、「健康長寿の薬」(SUL阻害剤 /PAK遮断剤) を市場に出すという案はどうだろうか?

2021年5月8日土曜日

出生率と寿命は、ほぼ反比例する!
(少子化と健康長寿は密接不可分)

つい最近、モロッコの首都カサブランカで、何んと9人もの赤ん坊 (双生児、未熟児) を同時に産んだ女性 (25歳) が現れた!
https://toyokeizai.net/articles/-/304861?page=1
「少子化時代」に極めて稀な現象である。この女性と乳児たちが、一体あと何年、生きられるか、注目されている。。。病院内では安全かもしれないが、院外に出れば、COVID など様々な病原体が "犠牲者" を待構えているからだ!
さて、21世紀の日本や韓国では、(平均寿命 90 歳に近い) 女性一人当たり、(一生涯に) 平均1人の子供 (あるいはそれ以下) を産んでいる。驚くなかれ、縄文時代には、女性一人当たり、平均8人も子供を産んでいたそうだ。 しかし、女性の当時の推定平均寿命は (0歳時でたった) 15歳、(15歳時でも) 30歳だった! つまり、生まれた子供の半分は、15歳前に死亡していた! ある専門家の予想では、日本の人口は2100年までに、現在の約半分 (6000千万人) に減少するそうである。人口過剰にあえぐ島国日本にとっては、誠に有難いことである。一人当たりの住居/活動面積が、平均2倍に脹れ上がるからである。。。
動物界では、せんちゅう、昆虫や魚類から人類や、象、鯨などの大形哺乳類まで、例外なく、出生率と平均寿命の間に、ほぼ「反比例関係」がある (詳しくは、マイケル=ローズ著「老化の進化論」)。 従って、長生きしたかったら、(特に) 女性はお産を控えるべきである! セックスを控えよ、と主張しているわけではない。(たとえ) セックスを楽しんでも、子供を産まぬように、配慮すべき (産児制限が必要なり)。 日本の”非科学的な” 政治家の主張する「少子化」対策など、糞食らへ!
我々自身の研究によれば、せんちゅうでPAK遺伝子を欠損している株は、野性株に比べて、6割増も長生きするが、産卵率が1/7 にまで激減する! 同じような結果が (PAK の上流や下流にある) 他の "キナーゼ" 遺伝子 (PI3-K, ILK etc) の欠損や PAK 遮断剤 によって処理されたせんちゅうにも、観察されている。 もう一つ特筆すべきは、PAK が欠損あるいは遮断されると、高温に対する抵抗性が "9倍" にも高まることである。 従って、プロポリスや沖縄フコイダン (海藻エキス) などのPAK遮断剤を常時摂取していると、癌やウイルス感染等に抵抗性を増すばかりでなく、”地球温暖化” にも耐え、健康長寿を楽しむことができる。。。
最後にもう一言付け加えれば、モロッコの「多産」例は 「IVF 」(体外受精) の結果である。 IVF 自体ではなく、その「操作ミス」の結果だろう。 この地球には、親のいない "孤児" が多数溢れている。 どうして、これらの孤児を養子/養女にしないのだろう? そもそも、自分自身が持つ遺伝子のコピーを (受精によって) 増やそうとするのは、「エゴイズム」の現れである。「多様性」によりのみ、社会はより進化する。「スガーリン」のコピーを幾ら増やしても、日本は退化するのみ!
我が尊敬する芸術家の中に、ミケランジェロ (1475-1564) という彫刻家/画家がいた。 彼曰く「私の作品一つ一つが "我が子" である。だから、結婚して、子育てをする暇はない」。 彼は独身を貫き、88歳の長寿を全うした。。。

英国の医学者ロバート=エドワーズ (85歳) が、1978年の「IVF技術の 開発」で、2010年にノーベル医学賞をもらった。 果して、受賞に値するのだろうか? (高価な) IVFの恩恵を受けるのは、自分の「エゴイズム」を満足させんとする一握りの (しかも裕福な) 男女に過ぎないからだ。 2008年に、HPV (Human Papilloma Virus) ワクチンで子宮癌や卵巣癌の予防を始めたドイツ癌研のハロルド= ツールハウゼンがノーベル医学賞をもらった時も、同じような疑問が沸いた。 これらウイルス性の癌は、女性癌の高々一割に過ぎない。しかも、男性にはかからない。癌にかかる者が総人口の 1/3 とすると、このワクチンの恩恵を受けるのは、全人口の 2% 以下である。残りの98% にとっては、明らかに「無駄の長物」である。 しかも、子宮/卵巣癌は、未だに絶滅していない (ワクチンによる予防効果が疑われる)!
これら (IVF や HPV 等に関する) 受賞研究に比べて、我々が45年近く昔に、細々と始めた「病原キナーゼ PAK」 やその遮断剤に関する研究は、全人類のみならず、全ゆる動物の「健康長寿」や「進化」にも寄与するもので、もっと多くの人々(学識者) により、注目されてしかるべき価値ありと、我々は秘かに確信している。。。 1859年のダーウインによる「進化論」や1953年のワトソン/クリックによる「Double-Hellix」(DNA 構造) に匹敵するかもしれない画期的な発見だからである。 少なくとも人類が最終的に退化し "絶滅" するまで、「適者生存のための貴重な "鍵"」となろう。。。
勿論、(もし望めば) "去勢" や節食でも、寿命を延ばすことができる。更に、"運動" によるカロリー消費で、寿命を延ばすことも可能である。。。
子曰く「長生きを欲すならば、太った豚になるより、痩せたヒポクラテスたれ!」
注: ヒポクラテスとは、古代ギリシャの医師 (医学の祖)で、PAK 遮断剤「プロ ポリス」で様々な病気を癒し、自らも健康長寿を全う!

不思議かも知れないが、人と違い、鳥は「オス」が長生き。鳥類の限界寿命は同サイズの哺乳類 (例えば、犬) の約2倍 (丹頂の鶴など、平均 30年)。最高例は120歳!。 "餌探し" で、「重力に反して」空を「始終」飛び回ねばならないので、"カロリー消費" が大きいからだろう。。。海の中では、もっと長生きな動物は、アイスランド貝の「明(みん)」。なんと、507年もの時間を生き抜いた。"明"は2006年、海中の泥の中にいたところを調査船によって捕獲され、船上で冷凍された。研究者たちは、その貝殻の年輪を調べて驚愕した。「明」が生まれたのは、(名前の由来にもなった) 中国の明王朝が栄えていた時代! 動物は一般に、低温で生育すると、「長生き」できる。。。だから、「地球温暖化」は、間違いなく我々生命体全ての「脅威」!

2021年5月2日日曜日

HDAC阻害剤 「Panobinostat」: 多発性骨髄腫 (MM)
のみならず 「COVID」や "NF" にも効くはず!

ごく最近、群馬大学医学部の研究チームから大変興味深い研究報告が発表された。それによると、もう20年ほど昔に、スイスの製薬会社「Novartis」によって開発された HDAC阻害剤 「Panobinostat」(欧米や日本では2015年以来、MM などの治療薬として市販されている) が、COVID の感染に必須な宿主細胞のACE-2 (ウイルスのスパイク蛋白受容体) の発現を強力に (IC50 < 25 n M) 抑制するという:
Yoichiro Takahashi, Akira Hayakawa, Rie Sano, et al. Histone deacetylase (HDAC) inhibitors suppress ACE2 and ABO simultaneously, suggesting a preventive potential against COVID-19. Sci Rep. 2021;11: 3379.
HDAC とは、ヒストン脱アセチラーゼのことで、実は病原キナーゼ「PAK」の上流にあり、HDAC を阻害すると、PAK が抑制されることを、十数年前に、我々は別の (より強力な) HDAC阻害剤 「FK228」(商標 「Istodax」, IC50=1 nM) で証明している。 実は、「FK228」自身は、残念ながら、BBB (血管脳関門) を通過しないため、脳腫瘍の治療には役立たないので、この方面 (HDAC阻害剤) の研究から、 我々は、しばらく手を引いていた。
しかしながら、この「Panobinostat 」は、どうやらBBB を通過しそうなので、大いに注目する価値があろう。。。言い換えれば、「Panobinostat 」は多発性骨髄腫 (MM) や「COVID」感染のみならず、NF を含めて種々の脳腫瘍の治療にも、近い将来役立つはず! 我々が数年前に、鎮痛剤「ケトロラック」から開発した強力なPAK遮断剤「15K」 (未だ市販には至っていない) に匹敵する物であろう。。。 ただし、(MB と違い) 「Panobinostat 」は、水に不溶なのが欠点!
実際、2018年の米国における NF2 合同研究グループの報告によると、このHDAC阻害剤 (25 mg/kg) がマウス実験で、(脳内の) NF2 腫瘍の増殖を殆んど完全に抑制する:
Traditional and systems biology based drug discovery for the rare tumor syndrome neurofibromatosis type 2. PLoS One. 2018; 13(6): e0197350. By The Synodos for NF2 Consortium.

2021年4月30日金曜日

コール (石炭) タールから "アニリン染料" (MB etc) ,
更に "化学療法剤 " (サルバルサン 等) の開発

19世紀の中頃 (1856年)、産業革命の最中、 石炭の廃物 (コールタール) から「アニリン」と呼ぶ有機アミンを発見した若者がいた! その発見により、世界 (欧州) の染料界に「大革命」が起こった。発見者は、英国のロンドンのイーストエンドに住む18歳の早熟な学生、ウイリアム=パーキン (1838-1907) だった、 彼は自宅の屋根裏部屋に、小さな化学の実験室をもっていた。
さて、イースター (復活祭) の休みに、王立化学大学のアウグスト=ホフマン教授の指示に従い、コールタールを分離蒸留して得られる様々な有機物の中から、アミン (NH2) を含む化合物を分析していた。 というのは、当時、マラリア特効薬として天然物の「キニーネ」が知られていたが、このキニーネ分子には、2個の窒素が含れていた。 そこで、 コールタールからマラリア特効薬になるような化合物を見つけ出すことが、当初の目的だった。パーキンが見つけた化合物は、ベンゼン 環にアミンが一個付加した単純な「無色」の物質だった。それを「アニリン」と名付けた。
更に、マラリアの特効薬であるキニーネを合成しようと、アニリンを酸化する反応を試すうち、偶然、紫色の染料(モーブ=藍)を作り出した。彼は資産家であった父親を説得し、この染料を作る工場を設立した。これが、以後、数百種類製造されることになる合成染料の第1号!
さて、その後20年経って、スイスのバーゼルにあった「CIBA」の前身 (BASF) の有機化学者、ハインリッヒ=カロ (1834-1910) により、アニリン誘導体に、硫化水素を加え、鉄イオン等を触媒にして、メチレンブルー (MB) なる新しい青色染料が合成された。 2年後 (1878 年) には、上司アドルフ=フォン=バイヤーと共に、天然の「インディゴ」という青い染料の「有機合成」 にも、初めて成功した。 1909年に、梅毒の特効薬 「サルバルサン」がドイツの「パウル=エーリッヒ」(1854-1915) によって、アニリン色素にヒ素を結合させて合成され、最初の「化学療法剤」が開発された! 戦争中 (1943年頃) にスウエーデンの有機化学者により開発された結核の特効薬 「PAS」(p-Amino Salicylate) もアニリンの誘導体である。 敗戦直後、私自身を含めて "我が世代" (70-80歳代) は、「PAS 」のお蔭で命拾いをした!
それから半世紀ほど経った、1999年頃に、英独仏の国際チームが、漢方薬で「慢性骨髄白血症」(CML) の治療薬として古来から知られている「青染インディゴ」の抗癌有効成分「インディルービン」が発癌キナーゼ「CDK」 の阻害剤であることを発見した。 こうして、アニリン染料が抗癌剤などとしても、注目され始めた。。。しかしながら、今世紀に入って、スイスのNovartis (Ciba-Geigy と Monsato の合弁会社) が "CML" の特効薬として、Gleevec を市販した。このGleevec はチロシンキナーゼ (ABL, PDGFR, KIT 等) に対する阻害剤で、副作用が殆んどない。 アニリンの誘導体ではあるが、無色。
もし、MB がせんちゅうの寿命を延ばすことを証明できれば、 MB が、恐らく史上初の市販「健康長寿色素」 (染料) となるだろう。そこで、若者諸君の発奮を大いに期待したい!

2021年4月25日日曜日

メチレンブルーがCOVID やマラリア感染を抑える!
認知症、ALS 、脳腫瘍などにも効く "PAK 遮断剤" !
従って、「健康長寿」にも役立つ可能性あり!

メチレンブルー (MB) は酸化型で青色、還元されると無色になる。従って、天然還元剤の一種であるビタミン C (Ascorbate) と混合すると、無色になる。
さて、 つい最近、MB がCOVID 感染を強く抑えることが、南仏のモンペリエの研究グループによって、報告された。 しかも、Hydroxychloroquine (HQ) よりも強力である (IC50=0.3 micro M) ことが判明し、学界で注目されつつある。
Mathieu Gendrot, Julien Andreani, Isabelle Duflot,et al. Methylene blue inhibits replication of SARS-CoV-2 in vitro. Int J Antimicrob Agents. 2020 ; 56(6): 106202.

MB もHQ もマラリア感染を抑えることが、昔から知られていた。 さて、これらの感染症がPAK依存性であることから、MB もHQ 同様、PAK遮断剤である可能性が浮かび上がった。 更に、せんちゅうで、(PAK依存の) 認知症 (タウ蛋白の燐酸化及び凝集) を抑えることも知られている。 数年前には、「ゼブラフィッシュ」という小さな魚を実験検体にて、MB (0.5 microM)では、魚の記憶を向上することが発見された。ただし、その10倍の濃度では、効果がなかった (何でも、「食べ過ぎ」は駄目! ) 。 さて、人体実験では、経口 4 mg/kg (体重 60 kg なら 240 mg MB) は記憶を有意に向上させるが、10 mg/kg では、逆効果になるという。 かなり微妙。。。
英国ケンブリッジ大学の有名な理論物理学者スチーブ=ホーキンス博士 (1942-2018) は、 ALS (筋萎縮性側索硬化症、俗称: ルー=ゲーリック病) という難病のため、学生時代以来、全身が殆んど麻痺していたにも拘らず、一生学問を続け、宇宙やブラック=ホールに関する有名な学説を立てた。 10年ほど前、カナダのモントリオール大学の研究チームによると、せんちゅうやゼブラフィッシュ等のALS モデルを使用して、MB (60 micro M) 投与で症状を軽減することに成功した!
そこで、MB が (人工甘味料「チクロ」と同様) せんちゅうの産卵能を抑え、寿命を延ばすかどうか、目下、検討中であるが、少なくとも "産卵数" は顕著に減少するので、寿命を延ばす可能性が大! MB は BBB (血管脳関門) を通過するので、PAK遮断剤なら、NF などの脳腫瘍にも有効なはず。十数年前に、少なくとも、ニワトリ (鶏卵) の (PAK依存) “血管新生”を, MB が還元型 (無色) でも, 抑えることも実証済!


N Zacharakis, P Tone, C S Flordellis, M E Maragoudakis, N E Tsopanoglou. Methylene blue inhibits angiogenesis in chick chorioallontoic membrane through a nitric oxide-independent mechanism. J Cell Mol Med. 2006;10(2):493-8.
実は、私が稀少難病 "NF"(遺伝性神経線維腫) の治療薬 (いわゆる「魔法の弾丸」) の開発をめざす研究を始めたのは、もう30年近く昔のことであるが、丁度その頃、1940年にMGM制作の白黒映画「エーリッヒ博士の魔法の弾丸」のビデオを入手し、最初の場面で、エーリッヒ博士の研究室を偶々訪れたベーリング博士に、エーリッヒがミミズのような昆虫にMBを注射して、脳が鮮明に染まるのを示す場面が登場する。強烈な印象が残る! ひょっとすると、この映画の冒頭の "MBシーン" が、我々にある貴重なヒントを与えていたのかもしれない。。。後に両人共、免疫関係の仕事で、各々ノーベル医学賞をもらう。。。 もう一世紀以上も昔の話である。 MBは、日本で「明治維新」が起こってからまもない1876年頃に、ドイツで木綿染色用の色素として開発された、いわゆる "アニリン色素" の一種である。
ようやく、MB が "PAK 遮断剤" である証拠を突き止めた! 抗癌キナーゼ "LKB1" は、抗癌キナーゼ "AMPK" を活性化すると共に、病原キナーゼ "PAK1" を抑制する (2010年に京大医学部の武藤誠 教授らが発見) 。数年ほど前に韓国ソウル大学の研究グループによれば、MB (1 micro M) が LKB1-AMPK を3倍ほど活性化することを発見した:
Hong Min Wu, Chan Gyu Lee, Se Jin Hwang, Sang Geon Kim (2014). Mitigation of carbon tetrachloride-induced hepatic injury by methylene blue, a repurposed drug, is mediated by dual inhibition of GSK3β downstream of PKA. Br J Pharmacol.; 171: 2790-802.
従って、MB が "PAK 遮断剤" であることが "九分九厘" 確実である! MB は従来、(観賞用) 魚類の水槽の感染防止や口のうがい薬に使用されているので、少なくとも "人畜無害"。甘味はないかもしれないが、薬効は「チクロ」の千倍以上に違いない!

A Novel to be published: "Out of Blue", from Stain to Magic Bullet (青天のへきれき).

2021年4月24日土曜日

東京五輪を強要する独裁者「バッハ」 (IOC) よ、
欧米やインド、ブラジルの「二の舞」は御免だ!

欧米やインド、ブラジルでは、"コロナ禍" で病院のICU が満員だ! 日本は、その「二の舞」はまっぴら御免だ!
それでも、「東京五輪」を飽くまで強要する "石頭" のIOC 会長「バッハ」を、 森 (JOC 会長) と同様、即時解任せよ! 連中には、「五輪精神」の本質が全く分かっていない!
一般民衆の目線で、政治や委員会を運営できぬ者は全て、「首」にせよ!
もし、"バッハ" が辞任しなければ、日本は 「IOC 」から脱退すべきだ!

コロナ禍などの危機に瀕しては、臨機応変かつ柔軟な 対応が必須である。少なくとも台湾やNZでは、女性リーダーの手腕によって、速やかにコロナ感染を見事に 克服した! そこで、日本の直ぐ隣にある台湾の首都、台北で、東京に代わって、本年11月頃に、「臨時の五輪」を開催したら、どうだろうか? ゴールデンウイー クを利用して、小池都知事が台湾の首相を訪れ、得意の英語で、説得したら、どうだろうか? 勿論、台北には、立派な陸上競技場や水泳プールもあるだろうし、野球場もあるはずである (巨人軍の往年のホームラン王、王貞治選手、は元々台湾出身?)。台湾にしては、中国に対して (「独立国」としての) "誇り"を示せるし、小池さんにとっては、"(東京) 五輪に命をかける" と宣言した「スガーリン」(犬猿の仲) に、 "手痛い打撃" (辞職への花道) を与え、"自分が首相になるチャンスを作る" ことになろう。バッハもこの "代案" には、きっと反対はしないだろう (実は、溺れる者に助け舟!)。「選手村の建設」が先決 (半年で可能なはず!)。 我々は現在、メルボルン五輪 (1956年) の選手村跡 (民間に払い下げた平屋住宅) で暮らしている。。。 古い諺: Something is better than nothing!

2021年4月17日土曜日

人工甘味料の中で、少なくとも「チクロ」は:
健康長寿の薬! PAK 遮断剤かも。。。

敗戦直後、砂糖が不足し、日本では、安価な人工甘味料であるサッカリン (SAC) とかズルチンなどが、砂糖代わりに使用されたが、その後, 毒性あるいは副作用が認められ、使用禁止になったことを、相当年配の方々 (70歳以上) は、今でも憶えているかもしれない。さて、1967年になって、西独のHoechst のカール=クラウスによって、「アセスルファムカリウム」 (ACE-K) という硫酸化合物に、砂糖の400倍の甘みがあることが、偶然にも発見され、日本では2000年に食品添加物として正式に認められた (商標: Sweet One)。 サッカリンやズルチンと違って、毒性が殆んど認められない。
ごく最近 (2年ほど前) 、(同じ硫酸系の) 人工甘味料で、甘味度が蔗糖の40倍の"チクロ" (cyclamate, CYC) が せんちゅうを使用した実験で、寿命を有意に延ばし、かつ脂肪の蓄積を減らすことが、中国の研究者によって発見された。 この実験では、サッカリン (SAC) や砂糖は、寿命を有意に短縮した! せんちゅうではPAK 遺伝子を欠損させると、産卵能が僅か1/7に減少し、寿命が 60% も延びることを、我々は10年近く前に発見した! 従って、これらの人工甘味料 (Sweet One) がPAKを遮断している可能性が出てきた! 実際、8年ほど前に米国 NIH (Ageing) から発表された論文によると、マウスに ACE-K を投与すると、脳内のAKT/ERK (PAKの下流にあるキナーゼ) 活性が低下し、逆にAMPK 活性が高まるそうである。一般にAMPK活性が高まると、PAK活性が低下する。 もう一つ注目すべきは、ACE-Kの投与により、喉の乾き (給水量) が2倍にもなることである! 恐らく、ACE-K には発汗(あるいは利尿) 作用があるようである。別の研究グループによると、(寿命を短縮する) サッカリンはACE-K と全く逆の作用、つまりAKT/ERK を活性化し、脂肪の蓄積を強化する作用を持つ。。。 なお、これらの作用は、いわゆる「甘みの受容体」とは無関係!
更に、サッカリンとACE-K (Sweet One) を化学的にうまく組合せると、強い抗癌作用が出てくる、という報告も最近、エジプトの研究グループが発表されている。 従来、「良薬は苦し」 というのが、医薬界の一般的な通念になっていたが、ここで例外として、”甘い良薬” (痩せ薬) が誕生しつつある。。。
チクロは、不幸にして1969年頃 (サリドマイド禍の直後) 、「毒性の疑い」で、世界各国で一斉に使用禁止になったが、今日では毒性は全く検出されず、少なくとも中国、カナダ、EU では、販売/使用許可が出ている。 従って、日本でも「チクロ」を早急に解禁すべきだろう。。。
参考文献: Food Res Int. 2019 ;122:66-76. Evaluation of the effects of three sulfa sweeteners on the lifespan and intestinal fat deposition in C. elegans. Mohan Zhang, Xin Yang, Wan Xu, et al.
蛇足だが、目下、人工甘味料で最も甘みが高いのは、味の素が開発したアドバンテーム (蔗糖の20、000倍) であるが、マウスやラットでテストすると、サッカリン (蔗糖の400倍) をずっと好む! 「蓼食う虫も好きずき」 (人とは、明らかに "甘みの食感" が違う!)。 そこで、近日中に、ACE-K を入手し、蟻が蔗糖により集めるか、ACE-K により集まるか、野外でテストしてみよう、と計画中。。。 乞うご期待!
実は、豪州のスーパーでは、今のところ、人工甘味料の「純品」は、サッカリン(甘味度は蔗糖の400倍)しか販売されていない。 そこで、サッカリンと砂糖の腕比べとなった:
実験結果: 蟻はどちらにも寄っていくが、砂糖のほうに寄り付いた蟻は全く離れないのに対し、人工甘味料のほうに集まった蟻はすぐに去っていく。 さらに時間が経つにつれ、甘味料には集まらなくなり、砂糖に人気が集中。 5時間後には、まさに黒山の蟻 となった!
種明かし: 専門家によると、(痩せる必要がない) 働き蟻は 消化できない (つまり、蔗糖が代謝されてATP = エネルギー源にならない) 限り、餌として食べない! 蟻は (人間より) ずっと賢い! 人間は「見かけの甘さ」や 「甘い言葉」 に騙されやすい。。。要注意!

今後の "PAK" 研究プラン:
一般に動物では、産卵能 と 寿命との 間で、trade-off がある (反比例する)、という (米国のせんちゅう研究の大家 Tom Johnson 博士が唱え始めた) 学 説が、一般的になっている。 そこで、寿命が最も短いせんちゅうでも、"最低一ヶ月ほどかかる" 寿命の実測の代わりに、 (2、3 日で済む) 産卵数の測定で、(毒薬ではない) 薬剤や食物の寿命に対する効果を、ある程度「予想」することができる。 そこで、中国の研究グループによる (硫酸系の) 人工甘味料 (サッカリン、チクロ、アセスルファム) のせんちゅうに対する延命効果や減量 (痩せ) 効果を調べた研究結果に従って、できれば "味の素" 開発のAdvantame (僅か 100 mg がなんと 1万円!) を含めて、他の人工甘味料 の産卵能に対する影響を先ず調べ、その結果に基づいて、延命効果のありそうな甘味料 (PAK 遮断剤) だけを選択的に調べるという "スマートな" 作戦を計画している。
「時は金なり」! 今のポスドクや学生は、時間のかかる実験はしたがらない。。。
人工甘味料「Aspartame 」はアミノ酸 「Aspartate」 の誘導体で、製薬会社ファイザーの傘下にあるサールによって、1965年に開発された。甘味度は蔗糖 200倍。味の素のAdvantame は, Aspartame の誘導体で、甘味度が更に100倍に増強された。 2014年の米国の論文 (下記) によれば、Aspartame には、せんちゅうの脂肪沈着 (いわゆる「肥満」) を抑える作用があり、健康長寿に役立つ可能性あり。 しかし、実際に "寿命が延びる" という実証は未だない! 従って、Advantame にも同様な作用があるかもしれない。。。
Jolene Zheng , Frank L Greenway , et al. Effects of three intense sweeteners on fat storage in the C. elegans model. Chem Biol Interact. 2014; 215:1-6.

ホジキンリンパ腫は JAK-PAK1-PD-1 依存性:
PAK1 遮断剤で、"副作用なし" に治療可能!

最近の総説 (下記) によれば、ホジキンリンパ腫は JAK-PAK1-PD-1 依存性である。従って、固形腫瘍同様、PAK1 遮断剤 (例えば、プロポリス、Gleevec、FK228、フコイダン 等) で、副作用なしに治療可能なはず! 往年の名マラソンランナー、瀬古利彦の長男 (昴) が8年前から、ホジキンリンパ腫の治療を受けていたが、残念ながら、従来の抗癌剤、放射線照射など、副作用の強い治療しか受けておらず、最近、若くして、他界されたそうである。 虎は死して、毛皮を残すが、彼は一冊の闘病記 「癌マラソンのトップランナー」を残した。 もし、名医に恵まれ、"PAK遮断"治療を受けていたら、闘病記など残す必要はなかったのだが。。。昴の"轍"を踏むな!
名喜劇俳優「チャップリン」曰く「人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇だ!」
私自身は小学4年の時 (70年近く昔)、小児結核にかかったが、近所の"やぶ医者"の薬は全く効かず、結局「GHQ」の米軍将校からもらった「PAS」のお蔭で命拾いした。 「知は力なり」 という言葉を座右の銘にしている。 教科書を丸暗記しても、実生活には役に立たぬ。ジックリ "生きた学問" (雑学) を会得せねばならない。以後、病気にかかったことは一度もない!
Blood. 2018 ;131(22):2454-2465. Pervasive mutations of JAK-STAT pathway genes in classical Hodgkin lymphoma. Enrico Tiacci et al.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/rinketsu/60/5/60_447/_article/-char/ja/
我田引水になるが、癌マラソンの真の「トップランナー」 (or Top Flyer) は、プロポリスを"太古"に調剤した蜜蜂であろう。 この闘病記の表紙の右肩 (著者名の下) に、それらしい "虫" が複雑な表情で飛んでいる (デザイナーには、「先見の明」あり!)。

2021年4月15日木曜日

コロナ禍の五輪開催は千害あって一利なし!
五輪中止で、「スガーリン」を退陣させろ!

五輪の代わりに、7月に予定されている都知事選挙の前に、総選挙で「首相」の交代を促すべし「スガーリン」には、"花道"として、 2024年のパリ五輪に向けて、首相官邸から駐日フランス大使館 (南麻布) まで、"聖火リレー" (4.3 km) なる大役を任せたらどうだろう ? けだし、都庁から駐日フランス大使館までは、ルートにもよるが、最短でも 8 km は あるので、"スガーリン" 独り では、とても無理!
さて、一体誰が、「五輪の中止」を真っ先に言い出すか? 言い出した本人が、恐らく次の首相になるだろう。 問題はそのタイミングである。早過ぎても、遅過ぎ ても駄目。。。6月に梅雨が始まる時期が絶好だろう。 10年以上前、 ジュリア=ギラードが首相ケビン=ラッドを一撃で葬ったあの「絶妙なタイミング」が必要だ! 歴史は繰り返す。。。

2021年4月13日火曜日

東電の福島第一原発の処理水を「海洋放出」!
"風評" 被害を補償するため、 (政府ではなく)
「東電」自身 が漁民らに賠償金を払うべし!

豪州に永住している我々は、処理水の海洋放出に反対しない。赤道を越えて、はるばる豪州の沖合いに "放射性" アイソトープが届く (?) までには、相当に希釈されて実害はないはずだから。 しかし、現地に住む消費者は、「海洋放水」をどう受け止めるか? いわゆる "風評" 被害で、魚貝類が売れなくなるかもしれない。 従って、漁民たちに対して、加害者の「東電」自身が、賠償金を支払うべきだろう!
「スガーリン」よ、政府が「我々の税金」を使って、賠償金を支払う筋など全くない!

2021年4月12日月曜日

「ジュリア=ギラード: 豪州初の女性首相への道」
(ジャクリーン=ケント著, ペンギンブック)

抄訳: 2010年に豪州で初めて、女性の首相が誕生した。 労働党首のジュリア=ギラードだった。それまで、ギラードは、労働党首で2007年に首相になったケビン=ラッドの下で、副官を3年勤めていたが、ラッド首相の評判が落ち始めた時期を狙って、いわゆる”下克上” を起こした。実は、 ギラードは元々、英国のウエールズ生まれで、貧しい炭鉱町に住んでいた革新派の父親ジョンと母親モイラの間に生まれた長女はアリソンで、1961年9月29日に生まれたのが、赤毛の次女ジュリアだった。ジュリアが生まれた頃、父親は英国鉄道の事務員を務めていた。 ギラード家が住んでいた炭鉱町バリーの冬期はかなり寒く、ジュリアはしばしば肺炎などに悩まされていた。
そこで、両親は医者の勧めに従って、もっと暖かい大陸に移住することを決め、1966年2月に、(真夏の) 豪州のアデレードへ移住した。 ジョンは夜学で勉強後、病院の看護師になり、モイラは救世軍の経営する老人ホームで働いて、生計を立てた。 SA 州のアデレードはビクトリア州のメルボルンと同様、比較的革新的な都会で、1968年には、労働党のドン=ダンスタンがSA 州知事に当選した。更に、2年後の1970年には、豪州連邦の首相に、労働党首のゴッフ=ウイットラムが当選した! ウイットラム政府の二大改革は、1) 医療の無償化、 と 2) 大学授業料の廃止だった。 こうして、貧乏なギラード家にとって、「理想的な」環境が整った。 ジュリアは州立アンリー高校で、弁論部で活躍し始め、政治家への道を歩み始めた。 ジュリアは16歳になった時、「私は最高の教育を受け、キャリア女性をめざすので、子供はごめんだ!」と母親に打ち明けたそうである。。。実際、彼女は首相就任後も (同棲生活はしても) 結婚はせず、子供はもっていない! その点で、(首相の座を秘かに狙っている) 小池都知事の立場に良く似ている。。。”人口過剰” に苦しむ世界で、結婚と子育てしか念頭にない女性は、明らかに「時代遅れ」だ! Girls, Be More Ambitious!
1979年に、ジュリアはアデレード大学法学部 に入学し、間もなく労働党 (ALP) にも入党した。 1981年には、大学初の学生理事長に選出された。 当時の保守党政府は、ウイットラム政府による大学授業料廃止政策をご破算にしようとした。そこで、ジュリアは大学の自治会を代表して、この保守党の 「剃刀ギャング」 政策に反対して、立ち上がった。 結局、「剃刀ギャング」 政策案は連邦議会の上院で、否決された。こうして、ジュリアは政界で、最初の勝利を味わった! この功績のため、ジュリアは全豪学生自治会の教育副委員長 (給料付き!) に選出された。 学生自治会の本部は当時、メルボルンにあった。そこで、1982年に、ジュリアはメルボルン大学法学部に編入し、以後 "メルボルンの住民" になった。翌年、ジュリアは、全豪学生自治会の委員長に選出された。丁度、その年に、ボッブ=ホークを党首とする労働党が連邦政府を奪還した! 従って、彼女にとっても、ギラード家全体にとっても、大満足っだった!
ジュリアは25歳でメルボルン大学を卒業した後、1987年に法律事務所 (Slator & Gordon) に就職し、弁護士として9年間活躍した。 しかしながら、彼女の夢は政治家になることだった。そこで、1996年に法律事務所を辞めた。残念ながら、13年間続いた労働党の天下が総崩れして、連邦政府は保守党首のジョン=ハワードの天下 (11年の長期政権) になった。 ビクトリア州知事も保守党のジェフ=ケネットになり、大量の公務員が解雇されるばかりではなく、多くの公共事業が私営化された! そこで、ジュリアはビクトリア州の野党 (労働党) 党首、ジョン=ブランビーの秘書官に就任して、先ず地元メルボルンの労働党の建て直しを計った。
11年後の2007年に、ジュリアは連邦議会 (下院) の選挙に労働党候補として出馬して、初当選を勝ち取り、首相になったケビン=ラッド (労働党党首) の副官 (副首相兼文相) に任命された。 そして、3年後の2010年に、ラッド首相に代わって、初の女性首相に就任した! しかしながら、続く総選挙で労働党が「少数与党」になったため、ギラード政権は "3年" という短命に終わったが、特に「女性の地位や労働条件の向上」、教育制度の改善などに貢献した。 豪州では2014年以来、愚鈍な保守党政権が7年ほど続き、特に米国のトランプ政権の尻馬に乗って、「COVID」の発祥を巡って、中国と対立関係を増し、石炭、小麦、牛肉、ワインなどの中国への輸出制限や高い関税で、特に農民など "第一産業業者" が苦しんでいる。。。

2021年4月6日火曜日

受験小説「岐路」: 芸術家になるか、医学者になるか?
A Cross-Road towards Painting or Drug-Discovery

実は、60年昔の卒業式より 2、3カ月前に大学受験のシーズンが始まっていた。 "日比谷" では、正月明けに、ラグビー部が、優勝候補の名門「保善」 (東京代表 1) についで、「東京代表 2」として、大阪の花園ラグビーで開催される「全国高校ラグビー選手権」大会に初出場を勝ち得た! 一回戦、2回戦を軽く通過して、いよいよ「ベスト8」に残った。準々決勝の相手は、 強豪「北見北斗」。 21 - 5 で日比谷敗退。決勝では、保善が北見北斗をストレートで下し、優勝! 出場 32校の内、公立校は「日比谷」だけ、他校は全て私学。 その年、東大合格者 165名だった日比谷は、文字通り「文武両道」ぶりを発揮した。
しかし、少なくとも2名の同級生は、この165名の東大合格者の中にはいなかった!声楽家をめざしていた長身の丸山君と 画家をめざしていた短身の浦島昇は、上野にある「芸大」の音楽部と美術学部を、各々受験した。実技は高得点だったが、学科でも、得意の英語は満点に近かったが、数学の苦手な両人は 自然科学 や人文科学ではかなり苦戦した。 しかし、両者とも何とか芸大音楽部 (声楽専攻、定員54名) と美術学部 (絵画科油絵専攻、定員55名) に、各々パスして、いわゆる「芸大袋」を受け取った! 丸山君 (パン屋の息子で、ラグビー選手) は芸大卒業後、 テノール (あるいはバリトン) 声楽家への道を順調に歩んだ。
さて、問題は昇だった。彼が最も好きな画家は、ノルウエーのムンク、感情を描く画家だった。 「叫び」や「マドンナ」が、その代表作である。 しかしながら、60年昔の芸大の洋画界は、ピカソなどに始まる戦後のいわゆる「キュ-ビズム」に浮かれていた。「抽象画が画けぬ者は、洋画家にあらじ」という行過ぎた風潮が上野界隈の画壇に根強く慢延していた。 昇は訳の分からぬ「猿真似」抽象画に嫌気がさした。昇は、「誰にでも理解できる」写実的な絵を、その真髄としていた。しかも、絵を通して、人間の感情を伝えることができれば、理想的だと、考えていた。従って、当時の芸大洋画科の教師たちに全く失望した。 かと言って、平面的で奥行きのない「日本画」には、全く魅力がなかった。。。
そこで、父親の正夫に相談してみた。 実は、父親は息子が芸大の入試に現役でパスしたことに、驚くと共に失望していた。 絵画の世界には流行があり、将来それにうまく乗れないと、画家はいわゆる「つぶし」が効かなくなるからだ。 例えば、オランダの有名な画家、ヴァン=ゴッホは生前、殆んど絵が売れなくて、兄貴がずいぶん苦労した。ゴッホが有名になったのは、死後のことである。。。 そこで、正夫は息子に曰く、 「どこまでも、客観的なものを追求したいなら、科学者をめざすべきだ」。 息子はその言葉に、はっと目覚めた! しかし、日比谷で、岡田という数学の教師に幻滅を感じて以来、数学に対して情熱を全く失ってしまった昇には、数学の要る自然科学、例えば物理学は全く及びでなかった。しかも、日比谷の高1で、化学を選択したため、生物学を全く履修できなかった昇には、生物系の自然科学も無理だった。最後に残ったのは、有機化学だけだった。 できれば、新薬を開発してみたかった。 そこで、一年後には、最寄りの東工大 (応用化学専攻) を受験した。 しかしながら、数学が難解で、昇にはとても歯が立ったなかった! 見事に落ちた! 文系ながら、数学が得意だった父親曰く。「東大の理三 (医学部専攻) は勿論、数学が難しいが、理二の数学は易しいので、お前にも解けるだろう。 理二からは将来、望めば (気が変われば) 文系にも進学できるから、大器晩成らしいお前にはピッタリだ」。 そこで、昇は「背水の陣」を引き、御茶ノ水駅近くにある「駿台予備校」に通学して、本格的に受験勉強を開始した。 もし、この受験に失敗したら、大学を諦め、就職せざるを得なかった。
さて、暑い真夏のある日の夕方、「駿台」から遠くない神保町の古本屋街で、ある伝記本を見つけた。 ある有名なノーベル受賞者の秘書が出版した英文伝記の邦訳だった。 化学療法の父「パウル=エーリッヒ」の伝記だった。ユダヤ系のドイツ人医師で、有機化学に長じ、組織染色が得意なエーリッヒ博士は、1908年に免疫学でノーベル医学賞をもらった翌年、(梅毒菌を染めるが、人体組織を染めない) 特殊なアニリン色素にヒ素を化学的に結合させて、梅毒の特効薬「サルバルサン」(606) を開発した! 絵の具に使用する種々の色素に興味をもっていた昇は、「これだ!」と思った。 自分自身は、副作用なしに、癌を特異的に殺しうる薬 (化合物) を、将来開発しようと決心した!。著者はエーリッヒ博士の女性秘書で、ユダヤ系だったので、ヒットラーが政権を掌握すると、英国に亡命して、この伝記を仕上げた。1940年にこの伝記を台本にして、米国のMGM が「エーリッヒ博士の魔法の弾丸」という白黒映画を製作した。 1980年に「パウル=エーリッヒ」賞を受賞した梅沢浜夫教授 (日本の「抗生物質の父」) は、自伝「抗生物質を求めて」の中で、この白黒映画を戦後観る機会に恵まれ、感動した、と記している。 1963年、昇は易しい数学のお蔭で、東大理二を無事にパスし、入学後間もなく、分子生物学を猛勉強し始め、憧れの薬学部 (製薬化学科) に進学した。
昇の好きな詩の中に、(芸大出の芸術家) 高村光太郎の「道程」と題する力強い詩がある。「僕の前に道はない。僕の後ろに道はできる」という言葉で始まる、パイオニア精神を歌ったもの。 大学を卒業してから丁度10年後に米国で、昇は自分の「道」を発見した。それが "PAK" と呼ばれるミオシンを燐酸化するキナーゼ。このキナーゼは、血管平滑筋の収縮を促進して、高血圧を起こすばかりではなく、癌やその他様々な難病を起こす、いわゆる「病原酵素」で、正常な細胞増殖には必要ない。その後、豪州などで、40年近くをかけて、その「PAK」を遮断する (プロポリス等) 様々な薬剤、つまり「魔法の弾丸」(=健康長寿の薬)を同定あるいは開発した。 一世紀の歳月を経て、弾丸の「標的」は、「病原菌」から「宿主に内在する有害な酵素」へ飛躍的に進化した!
さて、北里研究所の大村 智 博士 と米国メルク社のウイリアム=キャンベル博士は共同で、放線菌由来のマクロライド系抗生物質の誘導体「イベルメクチン」が寄生線虫の神経を選択的に麻痺させることを発見し、40年ほど昔にに市販した。 その後、それが赤道直下のアフリカ大陸や中南米で慢延しているオンコセルカ (河川盲目症) にも効くことが判明し、 かの有名な「シュバイツアー博士の慈善精神」に沿って、それを大量に無償配布して、この伝染病の撲滅に貢献した。それが高く評価されて、(WHOなどの推薦により) 2015年に両博士にノーベル医学賞が与えられた。 更に、興味深いのは、このイベルメクチンが、実は「PAK遮断剤」であることが、この受賞の数年前に浦島昇らによって発見され、ごく最近には、イベルメクチンやプロポリスなどのPAK遮断剤がCOVID-19 感染の治療にも有効であることが臨床テストで証明された (前述)。 WHO website にも、2020年に浦島昇らにより発表された英文総説「PAK1-blockers: Potential Therapeutics against COVID-19」が、最近引用されるようになった。
受験生諸君! 長い道程から顧みれば、最初の1、2年のつまずきは取るに足らない。。。
「文系」の受験者を扱った作品は腐るほどある。作家自身が文系だからである。「理系」あるいは「芸術家」を扱ったこの短編は、その意味で「異色」である。。。
もう一つ, 異色な作品は、杉山勝栄著 「シュバイツアー」(ポプラ社、子供の伝記) である。牧師の息子、アルバートが30歳に達した時、哲学博士、神学博士、パイプオルガン奏者だった彼は、一大決心をして、医学の勉強を始め、6年後に医師免許を取得し、アフリカ大陸に旅立ち、貧しい黒人たちの治療に一生を捧げた。 彼は1953年に、78歳でノーベル平和賞に輝いた!

2021年3月24日水曜日

公立高校の入試から「学区」(都内 /県内) という足枷を
外せ ! (自主的に「越境入学」を合法/自由化せよ) !

小学校と中学校における教育は、いわゆる「義務教育」である。 国民全体に(生活に必須な) 最小限度の知識を与えるためである。従って、どこの公立小学校でも中学校でも、均一レベルの教育を与える義務があるために、敢えて「学区」を設けるのは、極めて妥当である (私学は例外!)。しかしながら、高校生と大学生 (あるいは院生) の教育は、より高いレベルの専門家あるいは職業人を育てるための特殊あるいは高等教育であるから、当然ながら、義務教育に伴う学区制という、明らかに「自由競争」を妨げる「足枷」を外すべきである。
ところが、現実には、私学の高校には足枷無しの自由競争のチャンスを与えながら、公立高校には例外なく学区という足枷によって、自由競争を妨害し、私学 (特に「御三家」) の高校に「漁夫の利」を与えている。その結果、都内にある国立大学、特に東大への入試においては、合格者出身校のベストテン (2017-2021年) には、私学の高校が9割強を占めている。つまり、東大に進学したかったら、私学の高校 (特に、御三家) に (少なくとも) 3年間、高い入学金と月謝を払え! それができない貧乏人の子弟は、「天下の東大」には来るな! と「公然と」宣言しているようなもの! (国民の大半を占める) 我々貧乏人 (庶民) の子弟にとっては、「冒とく」以外の何物でもない! それを(悪名高き「学校群制度」以来) 半世紀近く「見て見ぬ振り」をしている都民や近県の有権者たちの目の「節穴ぶり」につくづく愛想がつく! 解決策としては、少なくとも2通りある: 「学区の撤廃」 あるいは一部の名門校 (例えば、日比谷や翠嵐 など) の "国立化" (国家予算に限りがあるので、精々「ベスト3 」まで) !
さて、関西の横綱 「京大」(少なくとも理系で、ノーベル受賞者が東大を上わる!) の場合は、一体どうだろうか? 驚くなかれ、2017年のデータによれば、ベストテンには、私学が5校、公立校が5校とほぼ半々になっている。 しかもいわゆる「私学御三家」 (開成、灘、麻布) はベストテンには、存在しない。 この傾向は2021年でもほぼ続き、公立4校 (北野、膳所、天王寺、堀川) が合計234名、片や、私学6校が合計247名:
北野高校94名, 東大寺学園高校70名, 洛南高校69名, 西大和学園高校63名,甲陽学院高校56名, 天王寺高校53名, 膳所高校47名, 洛星高校46名, 大阪桐蔭高校43名, 堀川高校40名. 
つまり、最高の大学教育を受けたかったら、「私学」に金を注ぎ込む余裕のない貧乏人 (庶民) の子弟は、私学偏重の「東大」を諦めて、関西に移住して、公立高校出を歓迎する (視野の広い) 「京大」に入学せよ! と解釈して良いだろうか?
実は、我が亡父は、はるか戦前の話だが、京大で学んだ。 父の同窓で、後に東京で「とらやの羊羮」を開業した黒川氏も、その息子で我々の母校「日比谷」時代の同窓である息子さん (ラグビー部のキャプテン) も京大出身。さらに、我々「日比谷」の3年先輩で、1987年にノーベル医学賞をもらったMIT教授、利根川さんも京大出身である。 従って、都民や近県の有権者が目を覚まして立ち上がり、 公立高校の入試から、自主的に「学区制」という足枷を外す、いいかえれば「越境入学」を解禁 (合法/自由化) する運動を開始しない限り、我々貧乏人 (庶民) は、その子弟を、出来るだけ「京大」へ送ることを心がけるべきであろう。。。
さて、上記のごとき (至極「常識」にかなった) 提案をしたところ、日比谷-東大コースのある同級生から、「君は、丸でドン キホーテだ!」という洒落た評価を受けた。彼自身の孫は、目下、神奈川県下にある 私学の高校生で、数学が最も得意、今春から高3 として、来春に控える「東大 (?) 入試」に挑むそうである。目下のところ、全校で3番! 今春の東大合格者は (現役/浪人含めて) 8名だったから、理科 (理一、理二、理三) の選択にもよるが「現役入学へスレスレ」という現況だそうである。勿論、この孫の健闘を、私は心から祈っている!
もし仮に、私がこの孫をもっていたら、恐らく、最寄りの区立中学に入学させた後、(目下、「日比谷」とデッドヒートを展開中の) 県立横浜翠嵐に進学させたろう。 現実には、我が家の息子は (数学者である我が愛妻のお蔭で) 目下、英国のケンブリッジ大学の数学教授で、その息子 (我々の孫) も、同じ大学の数学科の院生であるから、日本 (特に都内) の大学入試における病的な「受験地獄」から は、幸い難を逃れている。。。ケンブリッジは、米国のハーバードやプリンストンと共に、数学者向けのノーベル賞といわれる「Fields賞」受賞者の「御三家」で、息子は40歳をかなり前に過ぎたので、既に「対象外」であるが、孫は秘かに、父親に代って、狙っているそうである。。。勿論、「ただ狙う」のと「受賞する」との間には、"偉大な" ギャップがあるが。。。
蛇足ながら、「ノーベル経済学」受賞者の9割は、"数学者"といわれる。つまり、経済を論じるには、高等数学が必須のようである。。。 ノーベル賞には、「Fields賞」と違って、40歳未満という "年令制限" がない。 最近は受賞者の年令が日増しに"高齢化" している (最高齢はJohn Goodenough, 97歳!) 。従って、健康そうな「我が家の」息子 (還暦へあと2年) にも未だ十分チャンスは残されている。。。若者よ (Boys and Girls) 、大志を抱け!
最後に一言。 4年ほど昔、ある週刊誌に、3人の息子を全部、灘校 (男子のみ) 経由で、東大の理3 (医学部) に合格させた後、長女も別の女子高 (?) から、同じ理3に合格させて、得意満面の「教育ママ」の話が載っていた。 我が輩自身は薬学出で、「封建的な」東大医学部が大嫌いなので、この息子たちや娘に、極めて同情する外ない。「船頭多くして、舟が山に登る」という諺があるが、「医者多くして、病人が墓場に走る」ことを、私は恐れる。。。 実際「大学病院の裏は墓場」! 連中は6年間の学部を卒業するとインターンシップを経て、「医師免許」なるものを取得すると、もう勉強を止めて、「石頭の馬鹿」になる。もっとも、中には 2、3 の "例外" もいるが (例えば、一中-一高-東大で、医学部薬理学教授として、ミオシンに関する生化学を開拓した故江橋節郎氏)。。。。因みに、東大医学部出身でノーベル医学賞をもらったという話は、一度も聞いたことがない!
蛇足になるが、"ミオシン" (ATPase) による"骨格筋"収縮 の生化学を開拓したのは、戦前、ビタミンC を発見してノーベル医学賞 (1937) をもらったハンガリーのセント=ジョルジーであるが、彼は戦後 (1954年頃) に「ラスカー賞」をもらったが、2度目のノーベル賞は逃した。前述の江橋先生も、ノーベル賞に値いする研究をしたが、残念ながら受賞を逃した! (実は、江橋さんは、平滑筋のミオシンの活性化メカニズムを巡って、米国 NIH のBob Adelstein のチームと"デッドヒート"を展開したが敗れた! しかし、Bobも受賞には洩れた)。 実は、 「PAK 」は当初「ミオシンを燐酸化する酵素 (キナーゼ)」 として、私が (半世紀近く前に) NIHで 発見したものだが、ミオシンは何故か、学界から「孤児」(あるいは「ドン キホーテ」) 扱いされる傾向があるので、今後も多くを期待できない。。。さて、今年の受賞者 (医学/平和賞) は恐らく、(世界中を震え上らせた) 「COVID 」に関する研究者あるいはワクチン開発者になるかもしれない。まさか、COVID を「孤児扱い」するわけにはいかないだろうから。。。

2021年3月23日火曜日

「見果てぬ夢」を追うドン キホーテ :
ラ マンチャ (あるいはメルボルン) の男

喜劇 (あるいは悲劇) 「ドン キホーテ」は、スペインの作家セルバンテスが、積り積もった借金のため、入牢中 (1605-15) に著作出版した上下2巻に渡る「騎士道」物語である。この作品をシナリオにして、映画 「Man of La Mancha」が、英国の名優 Peter O'Tooleの主演、イタリアのグラマー女優 Sophia Loren との共演で、1972年頃、有楽町にある映画劇場で上演された。
私は、渡米を一年後に控え、ある初恋の女性と共に、この映画を観賞した! 当時、「有楽町で逢いましょう」 という言葉が若者たちの間で流行っていた。。。待合せ時間は正午頃だったと記憶している (随分、大昔のことで、正確な時間はもう憶えていないが、少なくとも昼前だった! 腹を空かしていた) 。 待合せ場所は銀座4丁目の角、服部時計店の筋向かい、三越デパートの正面玄関 (当時、2頭のライオンがデンと座っていた)。
しかし、(向かいの時計台と睨み合いを30分ほど続けたが) 、相手の女性はいっこうに現れなかった! (私は「時間厳守」を常にモットーにし、念のため "定刻15分前" から待っていたので) とうとう諦めて、帰宅せんとした瞬間、急ぎ足で近づく女性の姿が見えた! 結局、彼女とは、幸い映画観賞には成功したが、30分の遅刻は、その後の「2人の運命」を象徴していたようだ。。。実は、両人とも科学者同志で、育児には余り興味をもっていなかった。従って、結婚を急がず、海外で研究や登山などの冒険を、新鮮な気分で、存分に楽しむことができた。。。
私が海外で全く別人 (ギリシャ系の女性=数学者) と結婚したのは、その後15年ほど先の話である。この現代版 (ドン キホーテ) 劇では、「見果てぬ夢」が最後に叶えられ、「ハッピーエンド」に終わった!初恋の女性は、その後、あるロマンチックな詩人と結ばれた! Ende gut, Alles gut!
(編集後記): 「初恋」とは、多くの場合 「甘酸っぱい」! そこで、蒙古帰りの僧侶である三島海雲 (1878-1974) は、戦後まもない1919年に、日本で初めて発売の 乳酸菌飲料 「カルピス」に、「初恋の味」というキャッチフレーズをつけた! 「カルピス」は宣伝通り、「健康長寿」に良い。 私の "ハンチ" (水平思考) が正しければ、「PAK遮断」飲料の一つであるから、COVID 予防/治療にも良い筈だが、まだ "実験的" 実証はない。高血圧症は「PAK依存症」の一種であるが、カルピスに含まれるカゼイン由来のペプチドが少なくとも血圧を下げることは、臨床テスト (2005年) で確認されている。 実は, 2020年に発表されたカルピス (朝日ビール) と星薬科大との共同研究の結果、カルピス発酵に使用される乳酸菌に「美白」作用があることが確認されていた。 従って、カルピスに "PAK遮断" 作用があることは疑いなし!