2023年4月10日月曜日

HDAC阻害剤「SAHA」(市販: Vorinostat ) : PAKを遮断!
「BBB」を通過しうるから、脳腫瘍にも効くはずだが、
目下のところ、適用範囲は CTCL (リンパ腫) のみ!

前述したが、HDAC (ヒストン脱アセチラーゼ) は "PAK" の上流にあるので、 FK228 (Istodax) と同様、全てのHDAC阻害剤は、最終的にはPAKを遮断する。 しかし、 残念ながら FK228 は「BBB」を通過しない (し難い) ので、 脳腫瘍やそ の他の脳内疾患には効果が期待できない。
ところが、 最近 (日本で2011年に承認) 市販にこぎ着いたHDAC阻害剤「SAHA」(市販名: Vorinostat ) は、分子量が 260 前後なので、「BBB」を通過しうるはず。 ただし、 目下のと ころは、(何故か) 臨床の適用範囲は (FK228 同様) 「CTCL」 (皮膚T細胞性リンパ腫) ) のみに限られているので、 未だ NF 等の脳腫瘍には利用できない!
SAHA は元々、(ニューヨーク市内にある) コロンビア大学とSloan Kettering 癌研によって、共同開発されたもので、最終的には US メルクが市販に成功した。 FK228 (IC50=1 nM) に比べて、作用はかなり弱い (IC50=20 nM) だが、 BBBを通過 するのが (将来的には) 「強み」!

目下、 この SAHA の一部 (HDAC 結合部を含む) と、「Silk-Road Sniper」と いう威名を持つ強力な 「PAK 遮断剤」 (アピゲニン誘導体) をドッキングさせて、 PAK の上流にある HDAC をも、蛋白分解する「世紀のSniper」を開発する試みが (地下で) 進められている。。。

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