前述したが、HDAC (ヒストン脱アセチラーゼ) は "PAK" の上流にあるので、
FK228 (Istodax) と同様、全てのHDAC阻害剤は、最終的にはPAKを遮断する。
しかし、 残念ながら FK228 は「BBB」を通過しない (し難い) ので、 脳腫瘍やそ
の他の脳内疾患には効果が期待できない。
ところが、 最近 (日本で2011年に承認) 市販にこぎ着いたHDAC阻害剤「SAHA」(市販名: Vorinostat
) は、分子量が 260 前後なので、「BBB」を通過しうるはず。 ただし、 目下のと
ころは、(何故か) 臨床の適用範囲は (FK228 同様) 「CTCL」 (皮膚T細胞性リンパ腫)
) のみに限られているので、 未だ NF 等の脳腫瘍には利用できない!
SAHA は元々、(ニューヨーク市内にある) コロンビア大学とSloan Kettering
癌研によって、共同開発されたもので、最終的には US メルクが市販に成功した。
FK228 (IC50=1 nM) に比べて、作用はかなり弱い (IC50=20 nM) だが、 BBBを通過
するのが (将来的には) 「強み」!
目下、 この SAHA の一部 (HDAC 結合部を含む) と、「Silk-Road Sniper」と
いう威名を持つ強力な 「PAK 遮断剤」 (アピゲニン誘導体) をドッキングさせて、
PAK の上流にある HDAC をも、蛋白分解する「世紀のSniper」を開発する試みが
(地下で) 進められている。。。
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