2022年10月27日木曜日

クルクミン 誘導体 (Cu 17) には、HDAC 阻害作用あり!
最終的には「PAK」を遮断する。。。

ウコンの主成分、クルクミン (CU) にはPAK阻害/遮断作用があることは、10年以上 昔から知られていたが、残念ながら、(特に) 「水溶性に乏しい」という理由から、 (抗癌作用や抗認知症などの) 臨床効果が余り期待されなかった。 その後、リポ ゾームやナノカプセル等で、いわゆる「Bio-availability」(腸管からの吸収) を 高める努力が試みられていたようであるが、(我が輩の知る限り) 余り画期的な 進展はなかった。。。
さて、 2019年になって、タイ北部にあるコンケン国立大学のチームが、クルクミン の誘導体 (Cu 17) を開発 したことが最近明らかになった。 この詳しい化学構造については、右の図 (b) を参照されたし。 基本的には、2つのフェノール環を繋ぐジケトン鎖に、アミノ 基を介して、ベンゼン環にSH 基が付加した「チオフェノール」側鎖 を加えたものである。 クルクミ ンには、(弱いが ) HDAC (Histone Deacetylase) を阻害する作用があることが知 られていたが、誘導体 "Cu 17" は、 HDACに対して、より強い阻害作用があるこ とが判明した。
実は、HDACは、 PAKの上流に存在し、(例えば、酸乳などに存在する) 酪酸などで HDAC を阻害すると、下流のPAK が遮断され、 最終的には「健康長寿」が期待さ れる。(我が輩の理解が正しければ) CU17 のSH 基が HDAC の活性中心にある SH 基と S-S 結合を形成 (あるいは、 Zn に結合) して、その活性を阻害すると推定される。 この誘導体は、 クルクミンに比べて、100 倍近く、抗癌 (anti-HDAC) 作用が高まるそうである。。。。
市販の 強力な HDAC 阻害剤 (FK228, Istodax) は、残念ながら、BBB を通過しないの で、脳腫瘍や認知症などには無効だが、CU17は、明らかに分子量がずっと小さいので、BBB を通過しうるだろう。。。最近、エーザイから市販されそうな「レカネマブ」と呼ばれる「認知症」治療薬は、 「モノクローナル抗体」であり、高価である! (製薬会社は儲かるが、患者の家族の家計は苦しくなる!) CU17 ならば、"安価" に製造できる。。。

0 件のコメント:

コメントを投稿