「紳士的な革命家」と呼ばれている豪州の「Greens」の創始者、ボブ=ブラウン医
師は、78年前の本日 (1944年12月27日) にシドニーの郊外で誕生した。先ず、彼
の誕生日を心から祝いたい! 父親 (ジャック) は祖父についで、警察官だったそ
うである。 本人は、名門シドニー大学医学部卒の開業医。 1972年にタスマニア島 (州) に移住。
実は、ボブが ("姉弟" 関係の双生児として) 産まれたのは、戦争中の最中で、日
本軍が沖から砲撃を繰り返していたという。だから、父親は応戦に急がしく、妻
が大変なお産の最中に、病院に駆けつけられなかったそうである。姉のジャンが
先に産まれ、(辛抱強い) ボブは30分後に産まれて来たので、父親曰く、「ボブは、
何時も紳士的だ」と賞賛したそうである。。。ボブは後に (1983年頃)、「森林保護」を旗印に、世界初の
「Greens」という政党を「タスマニア島を拠点」にして結成するが、ロシア革命
を始めたレーニンと違って、「紳士的 (柔和) な革命家」と呼ばれるようになった。
豪州の「Greens」は、いわゆる二大政党 (労働党と自民党) に次ぐ、"第3政党"とし
て活躍し、主に大都市 (メルボルン、シドニー、キャンベラ等) の "インテリ層" か
ら支持を受け、有権者全体の約10% から支持されている、いわゆる "革新" (左派)
政党 である。主なスローガンは、環境保全 (地球温暖化の阻止) 、少数派 (特に
戦争避難民) の人権保護、戦争 (イラク戦争やアフガン戦争) への関与に反対する "平和主義" な
どである。 20年間「Greens」の党首を務めた後、2012年に独自の「Bob Brown 財団」を設立し
て、環境保全のための闘争を継続している。
実は、2004年にボブ=ブラウンの英文評伝が豪州で出版されたので、我が輩は早速、
「邦訳の相棒」 (外務省出身の小林政子さん) と共に、その邦訳を出版する企画
を立て、環境問題に熱心なアルピニスト (野口健さん) からも、推薦の言葉を頂く予定になっていたが、残念ながら、肝心の出版社が日本国内に見つからず、企画を止むなく
断念した!
実は、ケニアのワンガリ=マータイ女史 (1940-2011) が、1977年に彼女が始めた、いわゆる「Green
Belt Movement」(植林運動) のお蔭で、 2004年にノーベル平和賞を貰ったために、日本の
出版界は、その自伝などに基づいて、数社が挙って、「勿体ない」とか「へこた
れない」とか言う短いキャッチフレーズを付けて、 大小数冊の邦訳を出版したた
め、ボッブ=ブラウンの評伝は、すっかり影が薄くなってしまった!
「権威主義」の日本では、「ノーベル受賞」という「お墨付き」がないと、伝記の
邦訳を引き受けてくれる出版社が中々見つからない! ノーベル医学賞に輝く
「マックファーレン=バーネット」 (メルボルンの免疫学者) や「シドニー=ブレナー」("南ア生まれ" の線虫学
者)、ノーベル文学賞に輝く「パール=バック女史」( "中国育ち" の "東西の架け橋") の伝記 (評伝/自
伝) の邦訳の出版には (1995年-2005年) に、何とか成功したが。。。願わくば、
我が輩が未だ生きているうち (せいぜい「10年」以内!) に、ボブ=ブラウンがノーベル平和賞に輝くことを心
から祈っている。。。 日本の「グリーン党首」だった「紋次郎」(中村敦夫氏) も、 きっとそう願っているに違いない。 我々 "老世代" (in twilight-zone) には、「時間切れ」が刻々と迫っている!
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