2022年12月20日火曜日

オランウータン (森の人) の知能指数 (IQ) と寿命について:

現在、オランウータンは、人類に次いで最も「知的な」動物とされている。
例えば、オランウータンの "サンディ" は、人間の 「IQ テスト」に参加したこ とがあり、その時のTVの生放送では「75点」を獲得し、人間の候補者の一人を見 事に破った! 因みに、 (人類の) 「知的障害」の認定は IQ=「70点 未満」。。。
歴史的には、人類以外の動物で 最高の 「IQ」 (=95点) を示したのは、「ココ」と呼ばれた "雌ゴリラ" (1971-2018)! "手話"で人間と意思疎通ができた...
さて、現行の法律では、倫理的な理由から、いわゆる 「GM」 (遺伝子を加工した ) "IVF" 人類を誕生させる (作り出す) ことは、残念ながらできない! しかしながら、 マウス、 魚類や山羊など (人類以外の) 動物を「GM化」することは、許可されているは ず。
そこで、人類に (知的に最も近い) オランウータンから 「PAK 1」 遺伝子のみを 削除した場合に、その「 IQ 」に一体如何なる変化が起こるか、を調べてみることは、 極めて興味津津!
PUBMED 情報によれば、シアトルのワシントン大学の"霊長類研究所"チーム (William Calvin etc) により、2018年に、 (人類と同様) ス マトラ産のオランウータン (Susie) の染色体11から、PAK1 遺伝子が分離され、そ の塩基配列が既知になっているそうである!
オランウータン (野生) の平均寿命は40歳、動物園に飼育されると50歳。 さて、2016年に、豪州南西"パース"の動物園に飼育されている雌のオランウータン は何んと、"60歳"の誕生日を迎えた (ギネス記録!)
線虫やマウスの前例に従えば、オランウータンのゲノムから「PAK 1」 遺伝子を削 除すると、更に 6割 "増" (つまり、100歳近くまで) 長生きするはずである。。。
実は、マウスに関するいわゆる「IQ 」 (学習能力) の測定結果を、ある専門誌に初めて発表した学者 (1) が20年ほど昔、米国のラットガー大学に現れたが、それが果して人類や霊長類の「IQ」に相当するものなのかどうかは、専門家の間で、かなり 意見が分かれている。 従って、マウスには「PAK1」欠損株が既に存在するが、そ の方法で "学習能力" を野生株と比較するのは、未だ「時期早尚」のきらいがある。。。
1. Matzel, L. M. et al. Individual differences in the expression of a 'general' learning ability in mice.
Journal of Neuroscience, 23, 6423 - 6433, (2003).

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